[KATARIBE 25951] Re: [HA06P]エピソード『パパ、おなかすいた(仮)』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Mon, 31 Mar 2003 17:34:33 +0900
From: gallows <gallows@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 25951] Re: [HA06P]エピソード『パパ、おなかすいた(仮)』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20030331165121.7694.GALLOWS@trpg.net>
In-Reply-To: <200303310704.h2V74bd24899@sv.trpg.net>
References: <200303310704.h2V74bd24899@sv.trpg.net>
X-Mail-Count: 25951

Web:	http://kataribe.com/HA/06/P/
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/25900/25951.html

こんにちは。gallowsです。
どこまでアキトさんの編集してくれたものに手入れていいのか難しいところで
すが、エゴ剥き出しで試しに流してみます。

#HA06 2003/02/03のログ。
**********************************************************************
エピソード『赤いハンカチの思いやり』
====================================

登場人物
--------
 桜居 つみき  :飛頭蛮一族の姫。色々齧って無道邸に収監。[298番]
 前野 浩    :無道邸の使用人をしている青年。つみきの執事役。[128番]


うつろ
------

 つみきの自室。ベッドの上で窓の外を眺め、ぼーっとしているつみき。
 前野浩がノックの後に入ってくるも、なんの反応もない。

 前野     :「……もしもし?」
 つみき    :「……乾く……喉が」

 つみきは呼吸が荒く、声もガサガサにかすれている。細部までよく聞き取れ
ないが、延々と空腹を訴える。

 前野     :「……良くはないか」
 前野     :「つみきくん。つーみーきーくんっ」

 軽く頬をはたく前野。
 つみきの腕に差し込まれた栄養点滴の管が揺れる。

 つみき    :「……前野くん? 目が、かすむ」

過去の体験
----------

 前野     :「……今までこう言う事になったことは?」
 つみき    :「子供の頃に」
 前野     :「……その時はどうしたの?」
 つみき    :「どうしたかな……」

 沈黙。
 言葉を選びながら慎重に問いを重ねる前野。
 過去の記憶を掘り起こそうとするつみき。しばらく脳を働かせているうちに
意識は深みにはまり、本能が持ち上がってくる。

 前野     :「……?」

 つみきから人間らしい表情が消え、獣の目つきになる。前野はその様子に気
づくがじっと見守る。
 前野の手の甲に歯を立てるつみき。血が白いシーツにぽたぽたと垂れる。

 前野     :「っ……」

 喉を鳴らし血を飲み込むつみき。その頭をそっとなでる前野。

 つみき    :「……ハァハァ」

 喉がうるおい少し落ち着いたのか、そのまま脱力状態になるつみき。

あわてず、さわがず
------------------

 ハンカチで傷口を縛り、ポケットに手を突っ込む前野。
 なんでもないという表情を取り繕う。

 前野     :「親御さんに連絡すれば、解決方法はわかるかな?」
 つみき    :「……ごめんなさい」
 つみき    :「栄養点滴と血を少し分けてもらえればしばらくは」
 前野     :「うん……分かった」
 つみき    :「それでこの家だったのか」

 自分が何故この屋敷に厄介になることになったのかの理由の一つに初めて気
づくつみき。
 呼び鈴の音が反響し、この部屋まで届く。

 前野     :「ん……お客さんかな……」
 つみき    :「どこかに閉じ込めて。客、食べたら色々まずいでしょ」
 前野     :「ちょっと待ってて……」

 少し困ったような表情で、要求には答えずに出て行く前野。


前野の対処
----------
 ロビーには様子を見にきた八神が立っている。

 八神     :「なんかいるもんは?」
 前野     :「うん……栄養点滴と、血を……煌に言って、
        :用意させてくれるかな……」
 八神     :「…わかった」

 ポケットから手を出しじっと見つめる前野。
 巻いたハンカチは血を吸って赤黒く染まっている。


時系列
------

 2003年2月、無道邸。

解説
----

 あげはで暴れて無道邸に運び込まれたつみき。
 なんとか落ちついたようだが……。


-- 
gallows <gallows@trpg.net>


 ---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/25900/25951.html

    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage