[KATARIBE 25825] [HA06P]エピソード『告白』

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Date: Wed, 05 Mar 2003 17:07:12 +0900
From: Akito <akito@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 25825] [HA06P]エピソード『告白』
To: kataribe-ml@trpg.net
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ログ切り魔人なり。
関東忘年会での約定、いまこそ成就せん。

# というわけで、ひとまず完成です。
# 関係諸氏のみなさま、おつかれさまでした。

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エピソード『告白』
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あらすじ
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己の霊視力を嫌い、霊力封じを前野に依頼する千緒。それはもちろん、逃避に
過ぎない。しかし、千緒を大切に思うゆえにそのことを指摘した龍樹は、千緒
に絶交宣言される。

本エピソードは龍樹がもう一度千緒を説得し、勢いを借りて告白するまでの経
緯を忠実に再現したものである。

登場人物
--------

 水凪 龍樹 :封印術の使い手。[289番]
 煌    :無道邸の豪腕猫耳メイド。[135番]

 藤咲 千緒 :強い霊視の力を持つ女子高生。[336番]
 前野浩  :無道邸の青年執事。霊的な物品の作成もできる[128番]

無道邸に向う龍樹くん
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 龍樹   :「…むー」

[Tatsuki]  # 何故かぼろぼろの格好
[hari]   # さて、どうしますかね

 龍樹   :「とりあえず、前野さんに言われたよーに
      :火曜日に来てみたけど…」
 龍樹   :「千緒ちゃんいるんだろーか…」

[hari]   # ……ぼろぼろの格好で門の前?(w
[Tatsuki]  # うぃw

 龍樹   :「えーと」
 煌    :「ありゃ?」
 龍樹   :「あれ、煌さん」

[hari]   # 竹箒を肩に担いで

 龍樹   :「ども、こんにちは(ふかぶか)」

 煌    :「(じろじろ)……そーか……」
 龍樹   :「ほえ?どうかしました?」
 煌    :「(ぽんぽん)……うん、大変だね……ま、中に入って
      :なんか食ってきな(うんうん)」

[hari]   # 涙をぬぐうしぐさ

 龍樹   :「は?え?大変って…え?え?え?」
 煌    :「いやっ!何も言わなくて良いさ、困った時はお互いさまでぃ」
 龍樹   :「…いったい何を勘違いしてるんでしょーか(汗)」

[hari]   # クビになったと思った
[miburo]  # なんか可哀想な人になってる(w

 煌    :「まぁ、いいからいいから(ぐいぐい)」
 龍樹   :「あぅあぅあぅ」<押され

[hari]   # お一人さまごあんなーい
[Tatsuki]  # さて、無事に潜入成功(違

 龍樹   :(きょろきょろ)
 龍樹   :「…いないみたいだなぁ」

無道邸そば、車内にて
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 前野   :「じゃあ、客間で待っててもらえるかな?場所わかるよね?」
 千緒   :「はい」
 前野   :「どうやら目処がつきそうなんでね。
      :私は準備があるから(笑)」

 千緒   :「はあ……。ほな先に行って待ってます」

再び出会う二人
--------------

 龍樹   :「あ、誰か来たみたいだなぁ」
 SE    :がちゃ

 龍樹   :「む?」
 千緒   :「ふにふにー♪」
 龍樹   :(びくぅっ)
 千緒   :「……」

 龍樹   :「や、やぁ、千緒ちゃんひさしぶり(汗)」
 千緒   :(冷たい声)「お久しぶりです」
 千緒   :「奇遇ですね」

 龍樹   :「前野さんちに千緒ちゃんがよく来てるって聞いたんで」
 龍樹   :「会えるかなぁ、と思って来てみたんだけど…」

[miburo]  # ちょっとあっけにとられる

 千緒   :「それでわざわざ?」
 龍樹   :「あ…うん、こないだの事とか、謝りたかったし」

 龍樹   :「ちゃんと相談に乗りたかったんで…」

あやまる龍樹
------------

 龍樹   :「…こないだは、ほんとにごめん!(謝)」

 千緒   :「謝るってことは、間違ってはったんですか?」
 千緒   :「それに相談なら……間に合ってます」
      :<気まずい表情で目をそらす

 龍樹   :「や、なんというか」
 龍樹   :「自分の気持ちばっかり言って、
      :君の話聞こうともしなかったことを謝りたいんだ」

 千緒   :「……」
 龍樹   :「もう一度、話だけでも聞かせてくれないかな…?」

交される言葉、すれちがう心
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 千緒   :「前に、言った通りです……」
 龍樹   :「前の時はきちんと聞かなかったけど」
 千緒   :「(…聞いてなかったんだ)」

千緒が霊視を嫌う理由(ワケ)
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 龍樹   :「霊視を嫌がってる理由って…なんなの?」
 龍樹   :「話せることなら、聞いておきたいんだけど…」
 千緒   :「友達がこれから不幸に会うってことが
      :わかってしまうのって、どう思います?」
 龍樹   :「俺は前にちょこっと言ったけど、別になんとも思わないよ…」
 龍樹   :「千緒ちゃんは?」

 千緒   :(大声)「それが嫌なんですっ」
 龍樹   :「不幸に会うことをわかってしまう事が嫌…かぁ」

未来は誰のものか
----------------

 千緒   :「どうせ救えへんのんですよ? なんで平気なんですか?」
 龍樹   :「俺が平気な理由?」

 龍樹   :「うーん…」
 龍樹   :「たとえばの話だけど…」

 龍樹   :「街中で、女性がかっこいい男に誘われてるとする」
 龍樹   :「その男は有名な女たらしだけど、その彼女は知らないらしい」
 龍樹   :「そのままほっておけば、
      :彼女は相当に不幸な目にあうだろうけど」
 龍樹   :「それを助けにいくかどうか」

 千緒   :「助けますよ。友達なら」
 龍樹   :「ふむ」
 龍樹   :「もし、その彼女が男についていかなかったら、
      :帰りに電車事故にまきこまれて死んでしまったとしたら」
 龍樹   :「さて、男についていくのと、いかないのと、
      :どっちが不幸なんだろうね」

 千緒   :「設定が悪すぎます。どっちを選んでも不幸やないですか」
 龍樹   :「そんなことも、人生にはあり得るよね?」
 千緒   :「まあ、そうですけど」
 龍樹   :「決してないとは言えない。少なくとも、
      :未来が分からないから…」

 龍樹   :「話を元に戻して、と」
 龍樹   :「友達が不幸にあうのがわかる」
 龍樹   :「でも、それを回避させた方がいいのか、
      :わるいのかはわからないよね」

 龍樹   :「目の前の不幸を取り除いてあげることが
      :正解なのか不正解なのかわからないから」
 龍樹   :「俺は、自分のやれることをやれるようにやる」
 龍樹   :「ただ、それだけだよ…」

しあわせとふしあわせの狭間に
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 千緒   :「……でも、少なくとも、放っておけば不幸になりますよ」
 龍樹   :「世の中、不幸と幸福の2通りだけじゃないさ」

 龍樹   :「また、たとえばの話になるけど」
 龍樹   :「友達の家が、火事になることがわかったとして」
 龍樹   :「もしかしたら、それで引っ越したことによって
      :幸福が訪れるかもしれない」

 千緒   :「見てみぬ振りをしろってこと?」
 龍樹   :「あぁ、えぇと」
 龍樹   :「何でも見過ごせ、無視しろ、なんて言わないさ」

 龍樹   :「他人の何かするということは、
      :その人の人生を変えることになるから」
 龍樹   :「やるならそれなりの覚悟がいる、ってことかな」

 千緒   :「そんな覚悟、無いです……。見て見ぬ振りも疲れました」
 龍樹   :「ふむ」
 龍樹   :「なら、別に覚悟も何もなく手を貸すことも出来る」

 龍樹   :「無視したくない理由はよくわかった。
      :でも、助けたくない理由はまだ聞いてないと思うけど…」
 龍樹   :「それが嫌な理由って…なんだい?」

もうひとつの理由(ワケ)
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 千緒   :「前も言いましたよね? 『力』を使って助けたら、
      :化け物呼ばわりされたんです」
 龍樹   :「む…」
 龍樹   :「確かに、そういうことも…あるね」

 千緒   :「そんなんなら、助けないほうがいい。
      :でも、見て見ぬ振りも疲れる。だから……
 千緒   :「だからいらないんです」

[miburo]  # うつむく

秘められた過去
--------------

 龍樹   :「…俺も小さい頃に友達に嫌われたなぁ…」
 千緒   :「(そーちゃんも、そんなこと言ってたな……)」
 龍樹   :「…小学校を転校したことも何回かあったよ」
 千緒   :「そうですか」

 龍樹   :「俺の『力』は見るんじゃなく、こんな感じで…」

[Tatsuki]  # 机の上の灰皿が宙に浮かぶ

 千緒   :「(PK?)」

 龍樹   :「サイコキネシス、ってやつかな」
 龍樹   :「後は…」
 千緒   :「わかりやすいですね」

[Tatsuki]  # 灰皿の中の吸殻が燃え上がる

 龍樹   :「パイロキネシス(発火能力)ってやつ」
 龍樹   :「これを友達に見せた時には、悪魔って言われたっけなぁ(^^;」
 龍樹   :「小学生の頃だけど」

 龍樹   :「そのせいで、高校の頃まで自分で力を封印してたんだけど」
 千緒   :「手品師で食べていけますよ」
 龍樹   :「他人事だと思って気楽に言うなぁ(^^;」
 千緒   :「はい。すいません」

 龍樹   :「俺はこの力を封印してたせいで、
      :親父を助けられなかったよ……」

[miburo]  # どきっとする

 龍樹   :「あんま仲の良い親父じゃなかったけど、
      :今じゃ喧嘩も出来ない……(遠い目)」

そんな友達がいる
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 龍樹   :「その後はしばらく一人でへこんでたんだけどね」

 龍樹   :「家に高校の友達が押しかけてきてさ」
 龍樹   :「悪友というか、腐れ縁というか」
 龍樹   :「高校3年間一緒だったやつでさ。あんまりしつこいから、
      :全部話したんだよ」
 千緒   :「それで……?」

 龍樹   :「そしたら、無言でいっぱつ殴られて」
 龍樹   :「『何でそんな大事な事
      :もっと早く話してくれなかったんだ!』」
 龍樹   :「『そんな事いちいち気にするような
      :けつの穴の小さい男に見えるのか!』ってさw」

 千緒   :「せーしゅんですねー」
 龍樹   :「そういう問題じゃないとは思ったけど」
 龍樹   :「そんときはけっこううれしかったね…」

 千緒   :「わかってくれる友達っていますよね」
 龍樹   :「君にもいるんじゃない…かな?」
 千緒   :「ええ、まあ……」

 龍樹   :「『力』を嫌って背を向けることは」
 龍樹   :「そんな友達を裏切る事にもなるんだ、
      :ってその時に感じたよ、俺は」
 千緒   :「……」

伝えたい想い
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 龍樹   :「だから、まずは逃げないことにした」
 龍樹   :「覚悟なんて偉そうなもんは後からついてくるさね」
 千緒   :「頭では、わかってるんです」

[miburo]  # 表情から頑なさが取れてきた

 龍樹   :「それでも、勇気がない?」
 千緒   :「はい……今の友達はいいけど、二人目三人目も
      :判ってくれる保証は無いし」
 龍樹   :「全員が分かってくれるとは限らないもんね…」
 千緒   :(こくり)

 龍樹   :「お、俺はぜったいに千緒ちゃんを裏切らないよっ」

 千緒   :「力を持ってる人は、そういうのに寛容だから」
 龍樹   :「いや、まぁそれだけってわけじゃないけど…」

理解してくれる人
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 龍樹   :「全員に理解してもらうってのは、まず無理だよなぁ…」
 千緒   :「理解者を探すなんて、怖いでしょ?」
 龍樹   :「俺は、姉ちゃんって理解者がいるからなぁ」

 龍樹   :「他人には理解されなくても、それほど気にしなかった」
 千緒   :「見て見ぬ振りができる、強い心があればいいんですけどね」
 千緒   :「でもそれって、いいことなのかな」

 龍樹   :「何をすることが、誰にとっていいことなのか、
      :悪いことなのかなんて」
 龍樹   :「全知全能の神様でもない限りわからないよ(^^;」
 千緒   :(ため息)
 龍樹   :「だから、どこかで割り切るしかないんだろうね…」

たった一人でいい
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 龍樹   :「誰かに裏切られたって、いつでも信じてくれる人がいれば…」
 千緒   :「そうですね……」
 龍樹   :「戻ってくる場所があれば、生きていけるんじゃないかな…:
 千緒   :「(葵に期待するか……アレかー)」

 龍樹   :「…俺じゃ、駄目かな…?」

 千緒   :「…………は?」

 龍樹   :「俺はいつだって君を信じているよ」
 千緒   :「あはは。何を根拠に?(笑)」

なぜなら
--------


 龍樹   :「君の事が…千緒ちゃんのことが好きだから」

告白されちゃった
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 龍樹   :「…迷惑、かな?」
 千緒   :「えーと……」

[miburo]  # 小パニック

 龍樹   :「…」<真剣な顔
 千緒   :「その……」
 龍樹   :「ん…」

 千緒   :「私……彼に裏切られて、それで、
      :その……そういうの、困るんです……」
 龍樹   :「む…」

 龍樹   :「俺は君を裏切らないよ…って言っても
      :信じてもらえんか…(−−;」
 千緒   :「……」

 龍樹   :「どうやったら信じてもらえるかねぇ…(悩)」
 千緒   :「うう」
 龍樹   :「そんなに信用ないかな?(^^;」
 龍樹   :「まぁ、そうだな…」
 千緒   :「その、信用するせんやなくて」
 龍樹   :「む?」

 千緒   :「喉仏の下あたりで『あかん、あかんで自分ー』
      :とかいう小人が」<支離滅裂
 龍樹   :「…抱きしめて黙らせたろか?その小人(笑)」
 千緒   :「いーやー。えろおやじー(笑)」

もう一押し
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 龍樹   :「まぁ、今すぐ付き合ってくれとは言わないけど…」
 龍樹   :「もし誰かに裏切られたとしても」

 龍樹   :「俺は絶対に君を裏切らないからさ」
 龍樹   :「俺が支えてあげるから」

 千緒   :(ちょっぴり悲しそうな微笑で)「……はい」

[miburo]  # かなりいい表情と思ってくらさい(w

 龍樹   :「目をそらして生きるのはもう少し我慢してみないか?」
 千緒   :(頑張るぞってな微笑で)「……はいっ」
 龍樹   :「そか。よかった(^^」

 龍樹   :「ま、そのうちでもいいから
      :お付き合いできたらいいなーとか…」(はっはっは)

 SE    :ガチャ

 前野   :「やぁ、またせてしまったね」

 龍樹   :(げふげふげふげふ)<咳き込み
 前野   :「……あれ?」

はかりましたね、前野さん
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 千緒   :「謀りましたね、前野さん?」
 龍樹   :「お、お邪魔してまふ…(汗)」
 前野   :「……謀った?なにを?」

 前野   :「(じろじろ)……いや……龍樹くんが
      :クビになるようなことはしてないはずだが……」
 千緒   :「クビになったんですか? やっぱり……」
 龍樹   :「これはちょっと本職が忙しかっただけっす(汗)」

 前野   :「……いま、何か暖かいものでも持ってこさせるから……(憐)」
 龍樹   :「や、あの、だから、
      :決して行き倒れてたわけじゃなくですね…」

[hari]   # 元ぷーだって聞いてるから、本職と言われても

 前野   :「しょうがないよ、このご時世だもの……
      :龍樹くんが悪いわけじゃないよ(ぽんぽん)」
 龍樹   :「だから、そうじゃなくてですね…(TT」
 千緒   :「やっぱこのご時世、安定した収入は大切ですよねー」

 龍樹   :「……そろそろまたバイトに戻りますよぉ…(TT」
 前野   :「(ぷっ)……そうかね。まぁ、気をつけてお帰り(笑)」
 千緒   :「ばいばーい」
 龍樹   :「へぅー(TT」

時系列と舞台
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 無道邸の客間。

解説
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千緒を想うが故の発言で絶交宣言をされた龍樹は前野の協力を得て千緒をどう
にか説得。仲直りする事に成功するが…。

モノのついでで恋愛が発展するほど世の中は甘くないということで(笑)

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ログ切りまじん
kakoi@kataribe.com
http://www.kataribe.com/user/kakois-room/logjinny.html
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