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Date: Tue, 4 Mar 2003 19:56:27 +0900 (JST)
From: ハリ=ハラ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25818] [HA06P] エピソード:『ねこたま』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200303041056.TAA27227@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 25818
Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/25800/25818.html
2003年03月04日:19時56分27秒
Sub:[HA06P] エピソード:『ねこたま』:
From:ハリ=ハラ
ども、ハリ=ハラです。
『ねこたま』の正式版を流します〜。
あー、すごく久しぶりな気がする>完成させるの(ぉ
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エピソード『ねこたま』
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登場人物
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前野浩(まえの・ひろし)
:無道邸の使用人。ろくでも無い物を作るのが趣味。
藤咲千緒(ふじさき・ちお)
:IC水島の常連。油断するとたかられる。
十条健一郎(じゅうじょう・けんいちろう)
:IC水島常連。テキトーなツッコミ役。
水島緑(みずしま・みどり)
:現在のIC水島店長、電脳化した全身サイボーグである。
榎愛菜美(えのき・まなみ)
:時々IC水島に来る、やや子供っぽいロボ少女。
“こんにちわ”
--------------
千緒 :「こんにちわー」
健一郎 :「まいどー」
元気に入ってくる常連の高校生2人。
??? :「うにゃん」
それを迎える球状の物体。
ドアのまん前で二人を見上げながらゆらゆらと体を揺らしている。
猫口につぶらなひとみ、ぴんと立ったひげと耳。
猫……ぽい玉。
千緒 :「うにょ?」
健一郎 :「おやま?」
猫玉 :(ゴロゴロ♪)
機嫌よさそうに喉を……無いけど……鳴らしている(推定)猫玉。
目を点にしてみつめる二人。
その正体は……
--------------
前野 :「やぁ、こんにちわ(苦笑)」
千緒 :「わぁ。なにこれなにこれなにこれー?」
健一郎 :「何やこれ、猫のおもちゃかいな?」
前野 :「千緒ちゃんは、見ぼえあると思うけど?(笑)」
千緒 :「あっ、あんときの猫玉?うごくんやったん?
:嘘。買うんやったー」
それは、以前にデパートのぬいぐるみ売り場で、前野が購入していたものと同じ
デザインだった。
……その時は、「妹への贈り物」と言っていたはずだったが……
模様が一つずつ違う、といってえらく真剣に選んでいたものだ。
前野 :「いや、改造したんだけどね」
猫玉 :「にゃあ」
声に応えるように、ころころと床を転がりだす。
あっちへころころ
こっちへころころ
千緒 :「きゃー(はぁと)」
猫玉 :「にゃん♪」(ころころ)
健一郎 :「こらァ、動物好きな人には涎モンやな」
千緒 :「売りましょう(きっぱり) 薔薇にたかるアブラムシのごとく
:女子中高生がたかりますよ」
前野 :「比喩がちょっとアレだが……売れるかねぇ」
千緒 :「買うー。むしろ飼うー」
健一郎 :「売れるは売れるやろ、ただ……」
うにゃあ、と鳴きつつ、壁に当たって跳ね返ったり椅子にぶつかったりと、ちょろ
ちょろうろつく猫玉。
そして、それを追いかけて同じくうろつく千緒。
健一郎 :「女子中高生は、すぐ飽きて捨てそーな気ィするんやけど」
前野 :「あ〜、棄てられるとかなり困るな(苦笑)」
千緒 :「別に売れたらその後のことは考えんでええやないですか」
ぱたぱたと追い掛け回す。
騒がしい。
機能は?
--------
うろうろする様子に苦笑しながら
前野 :「そう言うわけにも行かないよ(苦笑)」
そういいつつ、リモコンを取り出し、肉球のデザインに配置されたボタンをぽちっ
と押す。
猫玉 :「にゃ〜ん」
千緒 :「あ。寝た」
転がるのをやめて、大人しくなる猫玉。
また、別のボタンを押すとうにゃあと鳴いてころころと前野の足元に寄ってくる。
千緒 :「おおお。もしかして自由自在?」
前野 :「いや、『待て』と『遊べ』と『おいで』くらいだよ」
千緒 :「しゅごいねー(きらきら)」
前野 :「3分たつと勝手に暴れ出すし……」
健一郎 :「スゲー」
中にラジコンを仕込んでてね、とタネを明かす。転がる動作と弾む動作をランダム
で行うように……まぁ、それらしくなるように調整をしてある、と話す。
お値段いくら?
--------------
千緒 :「あー、でも高そう」
健一郎 :「ラジコンじかけでっか。それだと少し値張るかもしれへん」
前野 :「うーん、まだ試作でね。値段は考えてないんだ」
千緒 :「5000円くらいならかなりお手ごろ感ありですよ」
前野 :「そいつは厳しそうだ(苦笑)」
話を他所に、またころころとうろつきだす猫玉。
千緒 :「あっ、あっ、どこ行きはるん?」
猫玉 :「にゃ〜ん♪」(ころころ)
千緒 :「捕獲〜〜♪」
前野 :「……なんだか、猫化してるような(汗)」
抱き上げて、ぎうっと抱っこ。
猫玉のほうは、ゴロゴロと喉を鳴らしている。
千緒 :「さっ、おねえちゃんと帰ろうねぇ」
そのまま、いそいそと店の出口へ……
健一郎 :「盗むなー」
前野 :「こらこら、ちょっと待ちたまえ(苦笑)」
千緒 :「保護やもん」
失敬な、とジト目でみつつ、すぐに返す。
前野 :「連れて帰っても、バッテリーが切れたら動かないよ?(苦笑)」
千緒 :「持って帰りませんよう」
前野 :「……少しは考えなかった?(笑)」
健一郎 :「絶対考えたやろ」
千緒 :「ううん?(ぷいす)」
前野 :「あははははは」
総評は……
----------
前野 :「廉価版と高機能版、二つあったほうが良いのかな」
健一郎 :「どんなんになるん?高機能版って」
前野 :「今の機能に……付けるとしたら……呼んだらたまに来る、とか
:あと、電池が切れそうになったら寝床に帰るとか……」
健一郎 :「芸が細かい(^^;」
千緒 :「猫型ロボットー」
例の節回しで
健一郎 :「某ドラちゃんかい」
前野 :「丸っこいとこしか似てないぞ(笑)」
青くも無いし、ポケットも無いしね。
千緒 :「でも、まー、他人んちにあったらめっちゃ嬉しいけど、持って
:ても飽きそうですね」
健一郎 :「ただでさえ、女子中高生は飽きっぽいのが多いしなー」
千緒 :「くくらないで下さいよ。どんな属性でも飽きっぽい人は飽きっ
:ぽいですよ?」
結論
----
前野 :「とりあえず……ここに置かせて貰うのがいいかな。評判次第で
:商品化も考えると言うことで」
千緒 :「うんうん」
健一郎 :「そやろな」
猫玉 :(ごろごろ♪)
そして店長へ……
----------------
前野 :「そう言うことで、この子をしばらくここに置かせてもらいたい
:のですが……」
猫玉 :「にゃあ」(ころころ)
緑 :「……猫のAIを仕込んだハロですか?
:しかもフェイクファー限定仕様とか……」
前野 :「いえ、ただの玩具ですよ。AIと言うほどの判断能力はないです」
愛菜美 :「うわー、かわいいー」
さっそく、と店長に相談を持ちかける。
ちなみに、えらく久しぶりに店に出た店長は、「地球か……何もかもが懐かしい……」
と言ったとか言わないとか……。
たまには現世に帰ってきましょうね、体が錆びますよ。
緑 :「まぁ、いいですよ」
前野 :「不規則に跳ねて不規則に転がるだけですから……
:……改造されなければ(ボソ)」
緑 :「猫ならたぶん……って……んー、たぶん大丈夫」
愛菜美 :「ここでモニターテストするの?」
猫玉 :「にゃん♪」(ころりん)
し〜ん
緑 :「前野さんならわかってると思うけど、自爆装置がいつの間にか仕
:込まれるって可能性も」
前野 :「……増殖機能とかね」
愛菜美 :「じ、自爆?ぞ、増殖??(汗)」
緑 :「ううう、まぁなに置いても心配することに代わりはないか(はぁ)」
し〜〜ん
前野 :「あはははは」
緑 :「あはははは」
愛菜美 :「うわー、笑いが思いっきり乾いてるよぉ」
時系列
------
2003年2月の中頃
解説
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IC水島に持ち込まれた“ねこたま”
今後の騒動のタネになりそうで……
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と言うわけで、悶える店番の姿は書き入れませんでした。
千緒ちゃんに目撃してもらえるまで転がっていてもらいましょー(ぉぃ
ではでは(脱兎
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