[KATARIBE 25766] エピソード:『探偵らしい格好とは』(続)

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Date: Wed, 26 Feb 2003 23:47:13 +0900 (JST)
From: みぶろ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25766] エピソード:『探偵らしい格好とは』(続)
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200302261447.XAA84574@www.mahoroba.ne.jp>
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2003年02月26日:23時47分13秒
Sub:エピソード:『探偵らしい格好とは』(続):
From:みぶろ


 みぶろです。
 れあなさんが加筆してくれた部分をもといさんとみぶろの修正を加えて掲載。
 葬希君とこのりちゃんはどうしよう(w

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エピソード:『探偵らしい格好とは』
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登場人物
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 探偵倶楽部の愉快な面々

時系列と舞台
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 高一 五月下旬の日曜日 昼 吹利の街角 

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承前
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  ついに七名を数えた探偵倶楽部の部員の数。文化部としてはなかなかの数
 である。葬希から、「せっかくだから、今度皆で遊ぼうよ」というナイスな
 提案が出され、日曜日に集合することになった。

 光太郎    :「そうね、ただ集まるのも面白くないわ。各自、探偵らし
        :い格好で来ること!」

  さてさて、どうなることやら。


集合時刻10分前
----------------

  漣が集合場所に到着。既に泰司とみのりと美沙希が来ている。

 漣      :「早いな」
 泰司     :「おはようございます。えっと、執事が今はこれだって言 
        :うので、有名な少年探偵の格好をしてきました。当麻さん 
        :の格好は、誰ですか?」

  泰司はブルーのブレザーと半ズボン及び黒ぶち眼鏡で、例のむやみと人に
 麻酔銃を撃つ漫画の主人公を演出しているらしい。一方漣のほうは、ぶかぶ
 かのダークグレーのスーツに、コート、ソフト帽を着用している。

 漣      :「探偵といえばこれだ。チャンドラーにハメット。アメリ
        :カン・ハードボイルドだよ。ギブソンにはまだ早いがね」

  漣はわざとらしくコートをはためかせる。ファッションを誇示したのでは
 なく、単に暑いだけらしい。

 美沙希    :「暑いのに何故そんなものを着込んでくる」

  ぼろぼろのTシャツとジーンズの美沙希がつっこみをいれた。

 漣      :「スタイルをまげるつもりは無い。それより美沙希君。探
        :偵らしい格好と言った筈だが」
 美沙希    :「私は探偵らしい格好という物を知らない」
 泰司     :「まあまあ。好意的に見れば、ホームズの少年探偵団と解
        :釈できないこともないですし」
 漣      :「納得いかん。まあその議論は後でするとして、滝山君の
        :その格好も理解できないのだが」

  みのりはアメリカンカントリーな服装だった。分かりやすく言うと、ぱち
 ものの赤毛のアンのような感じだ。

 みのり    :「はい、私の中では、探偵といえばミズ・マープルなので
        :すが、どんな服装か分からないのでとりあえず」

  何がとりあえずなのかよくわからなかったが、もう漣は深く追求しないこ
 とにした。

 泰司     :「あ、他の方がいらっしゃったようです」

当麻漣登場? 
------------ 
 泰司     :「えっ、当麻先輩っ!?」 
 漣B     :「何を驚いている。探偵といえばこれだ。チャンドラーに
        :ハメット。アメリカン・ハードボイルドだよ。ギブソンに
        :はまだ早いがね」 
 泰司     :「じゃあ、こっちにいるのは?」 
 漣A     :「む? 貴様は誰だ」 
 漣B     :「それはこっちの台詞だ」 
 みのり    :「まぁ、双子だったのですか?」 
 漣×2    :『いや、それは違う』 
 みのり    :「では、どうして当麻さんが二人いるのでしょう?」 
 漣B     :「そんなもの、、どちらかが偽者だからに決まっている」 
 漣A     :「いや、決まっているのは後から来たそっちが偽者である 
        :ということだ」 
 漣B     :「到着の後先と正体には因果関係は無い。愚かな貴様が偽
        :者だな」 
 漣A     :「ずうずうしい偽者だ。出てきた時の台詞まで図ったよう 
        :に同じだった事を考えると、大方近くで見張っていたのだ 
        :ろう」 
 泰司     :「ど、どっちが本物なんでしょう?」 
 みのり    :「あっ、わかりました」 
 泰司     :「ええっ!?」 

  その場の視線が一斉にみのりへと集まる。 

 みのり    :「あなたの方が偽者ですね?」 

  そういってみのりが指差したのは、あろうことか最初に来ていた方の漣で
 あった。 

 漣A     :「何を根拠に」 
 みのり    :「先程、あなたは月影さんに対して『探偵らしい格好をと 
        :言ったはず』と申しておりましたね」
 漣A     :「くっ……」 
 泰司     :「それがどうかしたんですか?」 
 みのり    :「それを最初に言っておりましたのは、当麻さんではなく 
        :楽鈴寺さんだったはずです。ですから、当麻さんがそのよ 
        :うなことを言われるのは辻褄が合わないんです」
 泰司     :「あっ!?」 
 みのり    :「それに、そのコート、後から来た当麻さんに比べると、 
        :明らかにサイズが大きすぎます。誰かに借りてきたもので 
        :は?」  
 漣A     :「……はぁ、これだけヒントばら撒いといたのに、気付い 
        :たのが一人だけって言うのは、探偵部として情けないわ」 
 泰司     :「その声っ!?」 
 連B     :「光太郎だな」 
 光太郎    :「御名答。でも、ちょっと遅いわね」 

  べりべりと、顔に貼り付けられた精密なマスクをマンガのように剥ぐと、 
 見慣れた光太郎の顔が下から現れる。ソフト帽を取ると、長い黒髪がふさっ 
 と舞い踊った。 
  コートを脱ぐと、肩まで開いた黒のドレスに同色のショール。右肩には黒 
 い蜥蜴の刺青シール。黒蜥蜴、乱歩の作品に登場する有名な女盗。明らかに 
 それと分かる衣装であった。 

 光太郎    :「漣にしても泰司にしても、捜査能力はある程度あるみた 
        :いだけど、観察力が足りないわね。精進しなさい」 
 漣      :「一つだけ言わせて貰おう。お前のそれは探偵ではない」 
 光太郎    :「些細な問題よっ」 
 泰司     :「あの、それでそのコートとか帽子とかはどうするんです 
        :か?」 
 光太郎    :「そんなもん、美沙希につけとけばいいのよ!」 

  言うが早いか、てきぱきと手際よく、美沙希の身体にそれらの衣装をつけ 
 ていく。 
  もともと、変装した光太郎でも大きかった衣装だ。さらに小さな美沙希が 
 つけると、それはどうしても「探偵ごっこをするガキンチョ」にしか見えな
 い。 

 光太郎    :「これはこれで似合うわね」 
 美沙希    :「……暑い」 



解説
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  高校生らしく日曜日にみんなで遊んでいる。
  ただし、はたからみると、「七五三の坊ちゃん」「パチモンの赤毛のアン」
 「葬式帰りのお水」「営業をサボってるリーマン」「探偵ごっこするガキン
 チョ」のなんかわけのわからない集団である(笑)

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