[KATARIBE 25733] Re: [HA06P] エピソード『分化』

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Date: Sat, 22 Feb 2003 09:42:03 +0900 (JST)
From: 月影れあな  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25733] Re: [HA06P] エピソード『分化』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200302220042.JAA08018@www.mahoroba.ne.jp>
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X-Mail-Count: 25733

2003年02月22日:09時42分03秒
Sub:Re:  [HA06P]エピソード『分化』:
From:月影れあな


 月影れあなです。
 とりあえず、今までのところ微妙に編集してまとめて見ました
 もともと使い魔の姿で狼だったってのは、ややこしいんで切った。もとから
切っとけよってツッコミが……まぁ、いいや

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エピソード『分化』
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水島にて
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 SE      :からんからん
 龍樹     :「いらっしゃ……えっ?」

 音に反応して振り向いた龍樹は、それを見て初め、目を疑った。続いて、こ
すってみた。最後に、三秒ほど目をつぶってから再び開いてみた。そこでよう
やく、ああこいつならこんな事もあるかと妙に納得する。

 結夜s     :『こんにちわ』

 二つの声が妙にぴったりとハモって響いた。

 結夜     :「六兎結夜です」
 結夜子    :「え〜と、六兎結夜子括弧、仮、括弧閉じるです」
 結夜     :「二人合わせて、十二兎結夜(子/2)で〜す♪」

 しーん
 とか擬音が耳に聞こえて、店の中にもかかわらず渇いた冷たい風が吹く。
 そして、沈黙……

 結夜     :「……ほら、やっぱ今のはハモる所やっていうたやん」
 結夜子    :「ごめんなさ〜い(うるうる) でも、恥ずかしいんですよ」
 結夜     :「それを克服してこそ、真のボケリストと言えるのではな
        :かろうか!」
 結夜子    :「ああ、言えなくて良いですよぅ(しくしく)」

 こそこそと小声で交わされる会話が、ますます持ってその場の空気を凍りつ
かせる。そんなシベリアのような空気の中、がたりと音を立てて一人の男が立
ち上がる。
 黒いスーツ、サングラス。
 ポケットから取り出したのは、銀色に光るニューラライザー……

 ではなく、ハリセンと十字架。

 二人の結夜をしばし見比べると、結夜子(仮)と名乗ったほうへと歩み寄る。

 前野     :「さて、結夜君。君に質問だ……
        :ツッコミは、十字架とハリセン、どっちが良いかな?」
 結夜子    :「はうぅ〜(ぶるぶる)」

 普段どおり(?)に話し掛けるが、涙目でぶるぶると怯えた様子を見せる。

 前野     :「??………君の本体は、何か変な物でも食べたのかね?」
 結夜     :「まったく、我が事ながら情けない……その程度の軽いツッ
        :コミすら受け流せないとは、ボケリストの風上にも置けぬな」
 結夜子    :「最初から置こうとしないで下さい(しくしく)」
 結夜     :「だから、泣くなっ。ったく、分身ながら、つくづく反応に
        :困る事をしてくれる。ええい、貴様なぞもう親でも子でもな
        :いわっ」
 結夜子    :「もともと違いますよぅ(めそめそ)」

 とりあえず、男のほうに十字架を押し当てる。
 悲鳴をあげてごろごろと派手に転がる様は、普段どおり(?)の反応と言える。

 結夜     :「あちちちちちちちちぃっ」
 前野     :「勘当のシーンは良いから、事情を説明してくれないかね?
        :なにやら、こんがらがっているようだが……」
 結夜     :「(コホン)あ〜、つまりだな。分裂しちゃったてへ」
 前野     :「それくらい、見ていれば何となく分かる。もう少し詳しく
        :説明してくれ」
 結夜     :「え〜と、何て言えば良いんかな。かいつまんで話すと……」


闇の中で
--------
 そこは真の闇の中だった。
 一切の光が届かない、まるで目隠しをされたかのような何のことも無い真暗
闇。その中で、二つの影がお互い向かい合って、時折何かを考えるような唸り
声を上げている。
 それは、闇の固まりそのものと言える。一つは男、もう一つは女。それぞれ、
その点以外は全く同じ性質をもった生き物だ。

 結夜     :「つまるところ、恐らくこれは特殊な多重人格症状と言っ
        :てしまって間違いないだろう」
 結夜子    :「はぁ」
 結夜     :「一般の多重人格症状を、葛藤によって引き起こされる精
        :神の崩壊を防ぐための半自動的な自己防衛処置であると理
        :解するなら、外的要因によって引き起こされたこれはそれ
        :に当てはまらない。恐らく私たちの身に降りかかったこれ
        :は、宗谷君の投与したチョコによって引き起こされた女性
        :化願望の増幅による第二人格構成及びそれに伴った肉体の
        :変質現象であると考えられる」
 結夜子    :「ごめんなさい、よく分からないです(しくしく)」
 結夜     :「あっ、コラ泣くでない! つまり、外的要因によって肥
        :大化された女性化願望によって作り出された貴女の人格は、
        :既に私とは深層意識を共有しているだけの別人であると考
        :えてよいという事」
 結夜子    :「……すいません、やっぱり分かりませんよ(しくしく)」
 結夜     :「くそっ、使い魔として別個のの精神に顕在化したことに
        :よって本人格との接点が全く立たれてしまった所為か精神
        :の共有による相互理解が出来なくなっているのか……」

 誰に説明しているのか、やたらわざとらしい台詞だった。それも理解出来得
なかったのか、女の啜り泣きがさらに大きくなる。

 結夜     :「ああ、うう、分からない部分は聞き流して宜しいから。
        :泣くなっ」
 結夜子    :「わかりましたぁ(うっうっ)」
 結夜     :「え〜と、何やったっけ? あ〜、そうや、顕在化によっ
        :て精神の共有まで外して別個の存在となってしまったので、
        :本来なら時間の経過と共に消滅するはずだった貴女は、最
        :早完全に独り立ちしてしまった。故にもし私が元の状態に
        :戻ろうとするなら、もう一度融合する事により貴女という
        :存在を完全に消滅させなくてはならない」
 結夜子    :「消滅って……」
 結夜     :「要するに殺すという事やねぇ。それ系の本はちょっと読
        :みかじった程度なんで多分に間違っている部分もあると思
        :うけど、おおむねそんな感じだろう」
 結夜子    :「い、いい、嫌ですよ。死ぬなんて(しくしくしく)」
 結夜     :「ふむ、私も嫌だ。このまま使い魔として魔法少女のマス
        :コットの如き人生というのにも惹かれなくもないけど、な
        :んか、色々めんどい事もあるしなぁ」
 結夜子    :「じゃあ、やっぱり私を殺すんですね(しくしく)」
 結夜     :「早まるなって、嫌だって言っただろう。だから、とりあ
        :えず何とかして解決しなくちゃいけないようって事だ。分
        :かった?」
 結夜子    :「はい、とりあえず、何するんですか?(うっうっ)」
 結夜     :「とりあえず、どうにかして身体も完全に分化させよう。
        :とりあえず前野さんあたりに相談するかな。あの人なんか
        :色々怪しいことやってるみたいやし」
 結夜子    :「わかりました」
 結夜     :「んじゃ、とりあえず水島にでも行ってみるか」
 結夜子    :「がんばってくださいね〜」
 結夜     :「あんたも行くのだっ(がし)」


と、言う事だった
----------------
 結夜子    :「そういうわけで、本人格さんが人の形を取れたので、何か
        :相談できないかとここに来たんです」
 前野     :「あ〜、君もあれを食べていたのかね」
 結夜     :「うん、チョコ自体の力は女性化だけだったけど、私自身の
        :力によってはっきり切り離されてしまったんだな」
 前野     :「追い出されてしまったわけか」
 結夜     :「というか、出て行ったと表現した方が正しいけどね」
 前野     :「ふ〜む、しかし分化か……なるほど、そうなるか」
 結夜子    :「どうしましたか?」
 前野     :「いや、君の力の性質から、そういう事態が起こりうる事は
        :予想していたんだがね……」


雨ニヌレテ
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降りしきる雨の中、佇む影ふたつ
向き合うその姿は双子の如く
僅かな輪郭の違いが、男女の別を示す

「“影”に“影”は要らないわ……」

女が告げる
“消えよ”と

「貴方は、使い魔に宿った意思。私の分身。それが理」

女が告げる
“主は我”と

「だから消えなさい。主たる私が命じます」

つい、と口の端を持ち上げ、笑みを浮かべる
その唇の鮮やかさに耐え切れなくなったように、男がよろめき、膝をつく

「“六兎結夜”の名前は……」

ばさりと男が崩れ、灰が雨に流される

「私が貰ってあげるから」


現実回帰
--------
        
 前野     :「と、まぁ、こんなことになってるかと思ったんだが
        :(ハッハッハ)」
 結夜     :「むむぅ、ちょっと惹かれるものが……」
 結夜子    :「やめてくださいよぅ(すんすん)」

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 前野さんが予想していたというのは、例のクリスマスの時犬が勝手に喋って
るのを見てたから、そういうのも考えてるかなぁと。
 うぃす、とりあえずこのあたりで



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