Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Sat, 22 Feb 2003 09:42:03 +0900 (JST)
From: 月影れあな <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25733] Re: [HA06P] エピソード『分化』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200302220042.JAA08018@www.mahoroba.ne.jp>
In-Reply-To: <20030220220144.7227.SHIVA@imasy.or.jp>
References: <20030220220144.7227.SHIVA@imasy.or.jp>
X-Mail-Count: 25733
2003年02月22日:09時42分03秒
Sub:Re: [HA06P]エピソード『分化』:
From:月影れあな
月影れあなです。
とりあえず、今までのところ微妙に編集してまとめて見ました
もともと使い魔の姿で狼だったってのは、ややこしいんで切った。もとから
切っとけよってツッコミが……まぁ、いいや
**********************************************************************
エピソード『分化』
==================
水島にて
--------
SE :からんからん
龍樹 :「いらっしゃ……えっ?」
音に反応して振り向いた龍樹は、それを見て初め、目を疑った。続いて、こ
すってみた。最後に、三秒ほど目をつぶってから再び開いてみた。そこでよう
やく、ああこいつならこんな事もあるかと妙に納得する。
結夜s :『こんにちわ』
二つの声が妙にぴったりとハモって響いた。
結夜 :「六兎結夜です」
結夜子 :「え〜と、六兎結夜子括弧、仮、括弧閉じるです」
結夜 :「二人合わせて、十二兎結夜(子/2)で〜す♪」
しーん
とか擬音が耳に聞こえて、店の中にもかかわらず渇いた冷たい風が吹く。
そして、沈黙……
結夜 :「……ほら、やっぱ今のはハモる所やっていうたやん」
結夜子 :「ごめんなさ〜い(うるうる) でも、恥ずかしいんですよ」
結夜 :「それを克服してこそ、真のボケリストと言えるのではな
:かろうか!」
結夜子 :「ああ、言えなくて良いですよぅ(しくしく)」
こそこそと小声で交わされる会話が、ますます持ってその場の空気を凍りつ
かせる。そんなシベリアのような空気の中、がたりと音を立てて一人の男が立
ち上がる。
黒いスーツ、サングラス。
ポケットから取り出したのは、銀色に光るニューラライザー……
ではなく、ハリセンと十字架。
二人の結夜をしばし見比べると、結夜子(仮)と名乗ったほうへと歩み寄る。
前野 :「さて、結夜君。君に質問だ……
:ツッコミは、十字架とハリセン、どっちが良いかな?」
結夜子 :「はうぅ〜(ぶるぶる)」
普段どおり(?)に話し掛けるが、涙目でぶるぶると怯えた様子を見せる。
前野 :「??………君の本体は、何か変な物でも食べたのかね?」
結夜 :「まったく、我が事ながら情けない……その程度の軽いツッ
:コミすら受け流せないとは、ボケリストの風上にも置けぬな」
結夜子 :「最初から置こうとしないで下さい(しくしく)」
結夜 :「だから、泣くなっ。ったく、分身ながら、つくづく反応に
:困る事をしてくれる。ええい、貴様なぞもう親でも子でもな
:いわっ」
結夜子 :「もともと違いますよぅ(めそめそ)」
とりあえず、男のほうに十字架を押し当てる。
悲鳴をあげてごろごろと派手に転がる様は、普段どおり(?)の反応と言える。
結夜 :「あちちちちちちちちぃっ」
前野 :「勘当のシーンは良いから、事情を説明してくれないかね?
:なにやら、こんがらがっているようだが……」
結夜 :「(コホン)あ〜、つまりだな。分裂しちゃったてへ」
前野 :「それくらい、見ていれば何となく分かる。もう少し詳しく
:説明してくれ」
結夜 :「え〜と、何て言えば良いんかな。かいつまんで話すと……」
闇の中で
--------
そこは真の闇の中だった。
一切の光が届かない、まるで目隠しをされたかのような何のことも無い真暗
闇。その中で、二つの影がお互い向かい合って、時折何かを考えるような唸り
声を上げている。
それは、闇の固まりそのものと言える。一つは男、もう一つは女。それぞれ、
その点以外は全く同じ性質をもった生き物だ。
結夜 :「つまるところ、恐らくこれは特殊な多重人格症状と言っ
:てしまって間違いないだろう」
結夜子 :「はぁ」
結夜 :「一般の多重人格症状を、葛藤によって引き起こされる精
:神の崩壊を防ぐための半自動的な自己防衛処置であると理
:解するなら、外的要因によって引き起こされたこれはそれ
:に当てはまらない。恐らく私たちの身に降りかかったこれ
:は、宗谷君の投与したチョコによって引き起こされた女性
:化願望の増幅による第二人格構成及びそれに伴った肉体の
:変質現象であると考えられる」
結夜子 :「ごめんなさい、よく分からないです(しくしく)」
結夜 :「あっ、コラ泣くでない! つまり、外的要因によって肥
:大化された女性化願望によって作り出された貴女の人格は、
:既に私とは深層意識を共有しているだけの別人であると考
:えてよいという事」
結夜子 :「……すいません、やっぱり分かりませんよ(しくしく)」
結夜 :「くそっ、使い魔として別個のの精神に顕在化したことに
:よって本人格との接点が全く立たれてしまった所為か精神
:の共有による相互理解が出来なくなっているのか……」
誰に説明しているのか、やたらわざとらしい台詞だった。それも理解出来得
なかったのか、女の啜り泣きがさらに大きくなる。
結夜 :「ああ、うう、分からない部分は聞き流して宜しいから。
:泣くなっ」
結夜子 :「わかりましたぁ(うっうっ)」
結夜 :「え〜と、何やったっけ? あ〜、そうや、顕在化によっ
:て精神の共有まで外して別個の存在となってしまったので、
:本来なら時間の経過と共に消滅するはずだった貴女は、最
:早完全に独り立ちしてしまった。故にもし私が元の状態に
:戻ろうとするなら、もう一度融合する事により貴女という
:存在を完全に消滅させなくてはならない」
結夜子 :「消滅って……」
結夜 :「要するに殺すという事やねぇ。それ系の本はちょっと読
:みかじった程度なんで多分に間違っている部分もあると思
:うけど、おおむねそんな感じだろう」
結夜子 :「い、いい、嫌ですよ。死ぬなんて(しくしくしく)」
結夜 :「ふむ、私も嫌だ。このまま使い魔として魔法少女のマス
:コットの如き人生というのにも惹かれなくもないけど、な
:んか、色々めんどい事もあるしなぁ」
結夜子 :「じゃあ、やっぱり私を殺すんですね(しくしく)」
結夜 :「早まるなって、嫌だって言っただろう。だから、とりあ
:えず何とかして解決しなくちゃいけないようって事だ。分
:かった?」
結夜子 :「はい、とりあえず、何するんですか?(うっうっ)」
結夜 :「とりあえず、どうにかして身体も完全に分化させよう。
:とりあえず前野さんあたりに相談するかな。あの人なんか
:色々怪しいことやってるみたいやし」
結夜子 :「わかりました」
結夜 :「んじゃ、とりあえず水島にでも行ってみるか」
結夜子 :「がんばってくださいね〜」
結夜 :「あんたも行くのだっ(がし)」
と、言う事だった
----------------
結夜子 :「そういうわけで、本人格さんが人の形を取れたので、何か
:相談できないかとここに来たんです」
前野 :「あ〜、君もあれを食べていたのかね」
結夜 :「うん、チョコ自体の力は女性化だけだったけど、私自身の
:力によってはっきり切り離されてしまったんだな」
前野 :「追い出されてしまったわけか」
結夜 :「というか、出て行ったと表現した方が正しいけどね」
前野 :「ふ〜む、しかし分化か……なるほど、そうなるか」
結夜子 :「どうしましたか?」
前野 :「いや、君の力の性質から、そういう事態が起こりうる事は
:予想していたんだがね……」
雨ニヌレテ
----------
降りしきる雨の中、佇む影ふたつ
向き合うその姿は双子の如く
僅かな輪郭の違いが、男女の別を示す
「“影”に“影”は要らないわ……」
女が告げる
“消えよ”と
「貴方は、使い魔に宿った意思。私の分身。それが理」
女が告げる
“主は我”と
「だから消えなさい。主たる私が命じます」
つい、と口の端を持ち上げ、笑みを浮かべる
その唇の鮮やかさに耐え切れなくなったように、男がよろめき、膝をつく
「“六兎結夜”の名前は……」
ばさりと男が崩れ、灰が雨に流される
「私が貰ってあげるから」
現実回帰
--------
前野 :「と、まぁ、こんなことになってるかと思ったんだが
:(ハッハッハ)」
結夜 :「むむぅ、ちょっと惹かれるものが……」
結夜子 :「やめてくださいよぅ(すんすん)」
**********************************************************************
前野さんが予想していたというのは、例のクリスマスの時犬が勝手に喋って
るのを見てたから、そういうのも考えてるかなぁと。
うぃす、とりあえずこのあたりで
================================
# 乱筆、乱文ご容赦下さりますよう #
# 月影れあな明日も明後日もれあな #
# mail : tk-leana@jttk.zaq.ne.jp #
# cogito,ergo sum by Descartes #
================================
---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/25700/25733.html