[KATARIBE 25647] [HA20P] エピソード:『オカルト野球部員誕生』(前編)修正版

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Date: Mon, 10 Feb 2003 11:46:33 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25647] [HA20P] エピソード:『オカルト野球部員誕生』(前編)修正版
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。台詞チェックを頂きましたので、それを基に他にも
少し手直しして修正版を送ります。

> #誠一の内面の悩みとかまでは知る由もないんで表面的な事実だけで話し進める
> #とこんな感じかな。今後の展開に支障きたすようだったらまた相談しましょう。

この展開なら特に支障はないと思います。この方向で行きましょう。

しかし、少女も実はグルだというのは思いつかなかったなぁ(汗

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エピソード『オカルト野球部員誕生』(前編)
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登場人物
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 川塚誠一(かわつか・せいいち)
  :強霊感を持つ野球部員。その強霊感に悩んでいる。
 鞠宮彩夏(まりみや・あやか)
  :オカルト研部員。狙った獲物は逃がさない?


ある野球部員の悩み
------------------
 野球部ではレギュラーを獲得し、学業も至って……というほどでもないが、
まあ順調。にも拘らず、その野球部員は、非常に悩んでいた。

 誠一     :「はぁ、またかいな……」

 部活終了後の帰宅途中、その野球部員、川塚誠一が呟く。その視線の先には、
どことなく哀しげな一人の少女の姿があった。

 少女     :「…………」

 誠一は、意図的に目をそらし、少女を見ないようにして通り過ぎようとする。
が、少女はそんな誠一を呼び止めようとする。

 少女     :「……見えてるんでしょ?」

 その言葉に、一瞬びくっとし、やがて観念したようにその少女を見る誠一。

 少女     :「見えてるなら、遊んでよー」
 誠一     :「わかったわかった、話くらい付き合うたる」
 少女     :「わーい」

 その少女と話し始める誠一。

 誠一     :「(どうやら、敵意や引きずり込もういう気はないみたい
        :やな)」

 やがて、少女も満足したらしい。

 少女     :「お兄ちゃん、ありがとう。また遊んでね」
 誠一     :「わかったわかった、ほなな」

 そういうと、少女の姿が徐々に薄くなり……

 少女     :「それじゃあ、またね」

 と言い残して消滅した。

 誠一     :「……なんで毎日幽霊の話に付き合わなあかんのや」

 帰宅中の生徒の群れ。その中に一般人には認識できないこの一連のやりとり
をじっと観察している女がいた。疲労に打ちのめされていた誠一はそんな視線
に気づくはずもなく再び家路につく。

 ??     :(ふーん、いいやつじゃん)

 何事もなかったように女もまた仲間と一緒に歩き出す。膨らませすぎたチ
ューインガムが、弾けた。


戦闘
----
 翌日。やはり部活帰りに、同じ幽霊の少女と出会った誠一。……だが、今日
は昨日と様子が違う。

 少女     :「お兄ちゃん、助けて!」
 誠一     :「え、助けてって、どないしたん?」

 よく見ると、少女の後ろに、少女と同じくらいの背丈をした、しかし非常に
禍々しい姿の影があった。どうやら小鬼のようだ。

 小鬼     :「ここは俺のナワバリだ。出て行け!」

 誠一は、ため息をつきながらも、少女を自分の後ろにかくまう。

 誠一     :「君はさがっとって。子供を苛めるのは感心せーへんな」
 小鬼     :「お、ニンゲンが俺とやろうってのか?ケケケ」
 少女     :「お兄ちゃん、危ない!」

 誠一に飛びかかる小鬼。目を覆う少女。だが、次の瞬間。

 誠一     :「喝ーーーーーーーつっ!!!」

 という大きな声とともに、小鬼が吹き飛ぶ。

 小鬼     :「な、なんだぁ?」
 誠一     :「おとなしく帰れや。さもないと次は本気でいくで」

 誠一が「能力」で小鬼を吹き飛ばしたのだ。


勧誘
----
 ??     :「ヒューッ。やるじゃん」

 と、いきなり後ろから声をかけられた誠一は、飛び上がるほど驚いた。

 誠一     :「お、お前、鞠宮?」
 彩夏     :「あたしも有名になったもんだ。面白い顔になってるよキ
        :ミ」

 大慌てする誠一。普通の人間には少女も小鬼も見えないから、傍から見れば
今の誠一はいきなり大声を出すただのバカだ。しかも、目の前にいる相手は校
内でも随一の不良少女、鞠宮彩夏である。

 誠一     :「(ああ、また馬鹿にされる日が続くんか……)」

 以前にも、人に見えない幽霊と話して危ないやつ呼ばわりされた経験のある
誠一は、また変な噂が立つものと覚悟した。だが、彩夏からは意外な台詞が飛
び出した。

 彩夏     :「実は今の芝居だったんだわ。いや、意外に成果あって吃
        :驚」
 誠一     :「え?」
 彩夏     :「こちらが仕掛け人の皆さんです」
 小鬼     :「イテテ、これで俺はお役御免ですかい、姐さん」
 少女     :「お兄ちゃん、ごめんね……」

 見ると、小鬼は彩夏の足元に移動し、彩夏と話をしていた。誠一はわけがわ
からないという表情になる。

 彩夏     :「オマエさ、霊が見えたりとかしてるっしょ。しかも妙な
        :力もある」
 誠一     :「げ、何で知っとるねん」
 彩夏     :「そのことで大事な話があるからさ、明日の放課後4階の
        :文化部部室前に来てくれよ」
 誠一     :「大事な話ってなんやねん。大体放課後は部活やっちゅー
        :ねん」
 彩夏     :「そんなのサボっちゃえばいいじゃん。どうせ大して強い
        :部でもないんだから。来なかったら、わかるよな」

 強引に話をつける彩夏。とりあえず、この日はこれ以上は何もされなかった
ので、誠一も、家路に着くことにした。


時系列
------
 2002年9〜10月頃。誠一・彩夏が1年生のときの話。


解説
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 異能で小鬼を追い払った誠一だが、その場を彩夏に見られて……

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Motofumi Okoshi

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