[KATARIBE 25633] [HA20P] エピソード:『オカルト野球部員誕生』(前編)

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Date: Sat, 8 Feb 2003 22:03:13 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25633] [HA20P] エピソード:『オカルト野球部員誕生』(前編)
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。誠一がオカルト研に入部する経緯をEPにしてみました。
台詞チェック宜しくお願い致します。

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エピソード『オカルト野球部員誕生』(前編)
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登場人物
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 川塚誠一(かわつか・せいいち)
  :強霊感を持つ野球部員。その強霊感に悩んでいる。
 鞠宮彩夏(まりみや・あやか)
  :オカルト研部員。狙った獲物は逃がさない?


ある野球部員の悩み
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 野球部ではレギュラーを獲得し、学業も至って……というほどでもないが、
まあ順調。にも拘らず、その野球部員は、非常に悩んでいた。

 誠一     :「はぁ、またかいな……」

 部活終了後の帰宅途中、その野球部員、川塚誠一が呟く。その視線の先には、
どことなく哀しげな一人の少女の姿があった。

 少女     :「…………」

 誠一は、意図的に目をそらし、少女を見ないようにして通り過ぎようとする。
が、少女はそんな誠一を呼び止めようとする。

 少女     :「……見えてるんでしょ?」

 その言葉に、一瞬びくっとし、やがて観念したようにその少女を見る誠一。

 少女     :「見えてるなら、遊んでよー」
 誠一     :「わかったわかった、話くらい付き合うたる」
 少女     :「わーい」

 その少女と話し始める誠一。

 誠一     :「(どうやら、敵意や引きずり込もういう気はないみたい
        :やな)」

 やがて、少女も満足したらしい。

 少女     :「お兄ちゃん、ありがとう。また遊んでね」
 誠一     :「わかったわかった、ほなな」

 そういうと、少女の姿が徐々に薄くなり……

 少女     :「それじゃあ、またね」

 と言い残して消滅した。

 誠一     :「……なんで毎日幽霊の話に付き合わなあかんのや」

 疲れた表情で再び家路に着く誠一は、近くに潜む人影に気付くよしもなかっ
た。

 ??     :「彼は……使えそうね(ニヤリ)」


戦闘
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 翌日。やはり部活帰りに、同じ幽霊の少女と出会った誠一。……だが、今日
は昨日と様子が違う。

 少女     :「お兄ちゃん、助けて!」
 誠一     :「え、助けてって、どないしたん?」

 よく見ると、少女の後ろに、少女と同じくらいの背丈をした、しかし非常に
禍々しい姿の影があった。どうやら小鬼のようだ。

 小鬼     :「ここは俺のナワバリだ。出て行け!」

 誠一は、ため息をつきながらも、少女を自分の後ろにかくまう。

 誠一     :「君はさがっとって。子供を苛めるのは感心せーへんな」
 小鬼     :「お、ニンゲンが俺とやろうってのか?ケケケ」
 少女     :「お兄ちゃん、危ない!」

 誠一に飛びかかる小鬼。目を覆う少女。だが、次の瞬間。

 誠一     :「喝ーーーーーーーつっ!!!」

 という大きな声とともに、小鬼が吹き飛ぶ。

 小鬼     :「な、なんだぁ?」
 誠一     :「おとなしく帰れや。さもないと次は本気でいくで」

 誠一が「能力」で小鬼を吹き飛ばしたのだ。


勧誘
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 ??     :「へー、なるほどね」

 と、いきなり後ろから声をかけられた誠一は、飛び上がるほど驚いた。

 誠一     :「お、お前、鞠宮?」

 大慌てする誠一。普通の人間には少女も小鬼も見えないから、傍から見れば
今の誠一はいきなり大声を出すただのバカだ。しかも、目の前にいる相手は校
内でも随一の不良少女、鞠宮彩夏である。

 誠一     :「(ああ、また馬鹿にされる日が続くんか……)」

 と、半ば諦める誠一だが、彩夏からは意外な台詞が飛び出した。

 彩夏     :「こいつをあっさりと吹っ飛ばすなんて、やるじゃない」
 誠一     :「え?」
 小鬼     :「彩夏、こいつ結構強ぇ」

 見ると、小鬼は彩夏の足元に移動し、彩夏と話をしていた。誠一はわけがわ
からないという表情になる。

 彩夏     :「川塚くん、君最近霊が見えるとかで悩んでたんじゃねー
        :の?」
 誠一     :「げ、何で知っとるねん」
 彩夏     :「相談に乗れる相手知ってるからさ、明日の放課後4階の
        :文化部部室前に来てくれよ」
 誠一     :「放課後?俺野球部の部活あるねんけど」
 彩夏     :「そんなのサボっちゃえばいいじゃん。どうせ大して強い
        :部でもないんだから。じゃ、待ってるよ」

 強引に話をつける彩夏。とりあえず、この日はこれ以上は何もされなかった
ので、誠一も、家路に着くことにした。


時系列
------
 2002年9〜10月頃。誠一・彩夏が1年生のときの話。


解説
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 異能で小鬼を追い払った誠一だが、その場を彩夏に見られて……

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Motofumi Okoshi

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