[KATARIBE 25632] [HA20P] エピソード『オカルト研究会のロボ子さん』

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Date: Sat, 08 Feb 2003 21:52:18 +0900
From: gallows <gallows@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 25632] [HA20P] エピソード『オカルト研究会のロボ子さん』
To: kataribe-ml@trpg.net
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gallowsです。続きー。
なおタイトルが決まりました。

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エピソード『オカルト研究会のロボ子さん』
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登場人物
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 槐昴     :愛称ロボ子。ロボットですから。
 鞠宮彩夏   :1年生。この頃はまだクラスで目立つ不良、という存在。
 宮本奈々紫  :

(続き)


 彩夏     :「紹介するよ。こっちの白いのは奈々紫。そして私が彩夏。
        :で、私らはこの部の一年生」
 昴      :「部 ですか」
 彩夏     :「そ。さっき廊下で見なかった? あたしらはオカルト研
        :究会。あんたのような人材を歓迎するものだ」

 彩夏は立ち上がり、両腕を広げた。


すぞいぞロボ子さん
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 昴      :「オカルト ですか? (ちーかたかたかた)ナンセンスで
        :す」

 2秒後、彩夏の演出に満ちた勧誘に明快な返答が返された。沈黙が場を包む。
 彩夏は広げた両手のやり場に困り、とりあえずそのまま頭の上にあげて万歳
などしてみる。昴のリアクションはない。。
 奈々紫は落ち着くために飲んだミネラルウォータが器官に入ったらしく死に
そうな勢いで咳き込んでいる。万歳しながらクルクル回ってみて場を繋ごうと
する彩夏。昴のリアクションはない。
 あちゃー、などといいながら椅子に座りなおす彩夏。奈々紫は相変わらず苦
悶している。昴のリアクションは、ない。
 すぅ、と深呼吸。

 彩夏     :「ナンセンスかどうかなんてどうだっていいの! ロボッ
        :トだってナンセンスなんだから!」
 奈々紫    :「し、死ぬかとおもった……」

 狭い部室に怒声が響く。

 昴      :「槐式理論によりますれば、超自然現象と呼ばれる現象は
        :すべからく 現代科学理論とは 根本的に別の理論によっ
        :て 存在しております」

 突然堰をきったように単調なリズムで言葉がつむぎ出される。

 昴      :「しかし、現象の解析によって 新たに作り出されていく
        :拡張された科学理論。すなわち 超科学理論ともいえる科
        :学の昇華した 存在を 持ってすれば、それら超自然現象
        :といえど 最終的に 理論的な説明が 可能となります」
 彩夏     :「うわ、ロボ語話したよー、すげー」
 奈々紫    :「ロボ語!へーふーんそーか、これがロボ語!」

 意味がわからないのか聞く気がないのか、生身の女子高生二人は昴の言葉を
自称宇宙人の愉快なおじさんが発信する意味不明の宇宙語と同類のものに捕ら
えられる。

 昴      :「ですから オカルトではなく 超科学と呼ぶべきなので
        :す」
 彩夏     :「ロボ語わかんねー!」

 彩夏は腹を抱えて奈々紫の背中をバンバン叩く。そのたびに奈々紫が痛いと
かタンマとかゲハとかいう声を上げている。

 奈々紫    :「あいたた……調子乗りすぎ。落ち着いてよ。で、この人
        :がなんなの?」
 彩夏     :「だから、ロボットだって」
 奈々紫    :「……へ?」
 彩夏     :「マジだって。ビームだって出すんだから」 
 奈々紫    :「……目から出るかしら、それとも口?」
 昴      :「目からです」

 ミィィィという機械音とともに眼球から発射された光線が、彩夏の髪と壁を焦
がす。タンパク質の焼けた臭いが漂う。
 沈黙。

 奈々紫    :「……うひゃ、ほんとにでたよ! あははは!!」
 彩夏     :「キャアァ! 焦げた! なにすんだこのASIMOめ!」

 スパーン!
 校内指定のスリッパで思いっきり昴の頭をひっぱたく彩夏。
 ゴロン。
 昴の首がもげ、おでこと胸がくっついてしまう。

 昴      :「首が取れてしまいました」
 奈々紫    :「あっははははは!」
 彩夏     :「ヒィィイ! ヒィイイ!」
 奈々紫    :「はーおかしい。で、このロボ子どうすんの?」
 彩夏     :「入部してもらうに決まってるジャン。こんなの十年に一
        :人の逸材だよ!」
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gallows <gallows@trpg.net>


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