Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Mon, 27 Jan 2003 21:45:37 +0900
From: Onotetuya <metral@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 25506] [HA06P]エピソード:『ストレス発散』
To: "[kataribe-ml]" <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <20030127213822.E39B.METRAL@trpg.net>
X-Mail-Count: 25506
小野です。
ごそごそ探ってたら、書いたはいいけど出してないエピソードあったんで。
2000年の冬のものらしいので、ちょいと関係が違うけど(^^;
**********************************************************************
エピソード『ストレス発散』
======================
登場人物
========
原口奈緒子(はらぐち・なおこ):髪を操る作家
長生哲也(ちょうせい・てつなり):カレー魔術師。奈緒子の婚約者
年末進行の名の元に
------------------
この仕事に一本化してから既に3年は過ぎているが、どうにもこれには慣れ
ない。○○進行、特に年末のそれである。元来、自分の時間に好き勝手に書い
ていた人間としては、枠にはめられるのが駄目なのである。
自分は自由人だ、と踏ん張って見ても締め切りは変わらない。
とりあえず奈緒子は、ストレッチをしてみた。
奈緒子 :「うぅーー。あうぅ」
手が早いといっても、考える速度より早く打てる訳ではないから、やはり、
相当な時間机に向かってる訳である。元々肉の多くない肩や背中は、ばきばき
と悲鳴をあげた。
奈緒子 :「こう、あれよね。もっと日本人は自由を得るべきよね。
それには、こー、締め切りを押し付けてくる市場至上主義
を打破するテロを起こすべきよ。うん」
などと、物騒な事をつぶやいてみて、ネタ帖に何か書き付ける。
このネタ帖、A5の紙を沢山重ねたメモ帳みたいになっている。短い鉛筆が
紐で繋がってて、それで書くらしい。「NO14」と表紙には書かれている。
奈緒子 :「あう。ここでネタ書いてりゃ世話無いわ。うう」
電話。
丁寧な対応。
編集者かららしい。
奈緒子 :「後5枚、なんだけどなぁ。殺すべきか生かすべきかぁ。
……散歩しよ」
外の世界は、午後3時、小学生や中学生ならそろそろ帰宅の時間である。
奈緒子も歩けば・・・・・・
--------------------
下校していく子供たちを見るともなしに歩いていく。見た目はぼーっとして
いるようにも見えるが、その実結構考え込んでいたりする。でも、目に入る情
報によって思考がぶちぶちと飛ぶあたりは、あまり能率的でもなさそうだ。奈
緒子に言わせると、それが発想の転換を呼ぶそうなのだが、定かでない。
奈緒子 :「今回の話は、結構ずるずる続いちゃったしなぁ。・・・・・・
あ、あの中学生いいなぁ。首筋とか細そうで、血を吸いや
すそう・・・・・・。隣の娘は、彼女かなぁ?初々しいねぇ」
奈緒子 :「うーんと、そーじゃなくって。よし決めた。殺そう。カ
ップルむかつくし」
付近に人が居たら聞き咎めそうな台詞を独り言でのたまう。
ふと、気が付き周りを見ると風景が変わっていた。大学近く。哲也のカレー
屋台があるあたりだ。
奈緒子 :「でも、こー、後をどうするか・・・・・・」
哲也 :「お、どーしたー? 俺の顔を見に来てくれたのかい?
スイートハニー?」
周りの客が、哲也の傍若無人の求愛行動に衝撃を受ける。
奈緒子 :「ちっがーーう! 殺すことにしたの!」
哲也 :「ええ? なんでまた? 俺なんかした?」
奈緒子 :「息してた」
哲也 :「んな、無茶言われてもー」
奈緒子 :「ていうか、なんでこのあたしが、あんたの所にわざわざ
来なくちゃいけないわけ? 変よ! 変! 哲也のアホ」
哲也 :「ひ、非道い。なんで遭っただけなのにそこまで言われに
ゃ、ならんの? 原因は何? ひょっとして原稿?」
奈緒子 :「うるしゃい」
哲也 :「うぐぅ。・・・・・・じゃ、さ。あの、気分治しにカレーでも
どう? おごりにしとくからさ」
奈緒子 :「・・・・・・。なんで、気分治しにカレーなのさ? このカレ
ーフェチ。まぁ、でも折角だから食べたげる」
哲也 :(にこにこ)
奈緒子 :「あ、あたしのことはいいから、早く仕事!お客さん待た
せてるでしょ!!ほんとにもー」
哲也 :「はいはい♪」
哲也は、接客に戻る。馬鹿話を交えながらの接客は、なかなかで、学生にも
上手く入り込んでる。その様子を眺めてる自分に、奈緒子は気づいた。
奈緒子 :「あー、もぅ。今度は生かしておいてやるか」
残ったカレーをかきこむと、奈緒子は哲也の屋台を手伝い始めた。
時系列
------
2000年12月中旬吹利市内。
解説
----
年末進行に煮詰まった奈緒子は街をさまよう。ふと足が向いた哲也の屋台で、
奈緒子は何かを見出す。
$$
**********************************************************************
---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/25500/25506.html