[KATARIBE 25482] Re: [HA20P] プレイエピソード『西生駒連続女生徒失踪事件 ( 仮) 』

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Date: Sun, 26 Jan 2003 17:44:53 +0900 (JST)
From: 月影れあな  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25482] Re: [HA20P] プレイエピソード『西生駒連続女生徒失踪事件 ( 仮) 』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200301260844.RAA90099@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 25482

2003年01月26日:17時44分53秒
Sub:Re: [HA20P]プレイエピソード『西生駒連続女生徒失踪事件(仮)』:
From:月影れあな


 月影れあなです。
 ふぃ、そして一発目を流し始める
 ちょっと生徒会長使いましたけど、こんな感じでいいですかね(メフィストを
対比に使ったのは特に他意があっての事ではないです)

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プレイエピソード『西生駒連続女生徒失踪事件(仮)』
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登場人物(今のところ)
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 楽鈴寺光太郎(がくりょうじ・こうたろう)
        :西生駒探偵倶楽部部長の美少女霊能探偵
        (PL:月影れあな)
 月影美沙希(つきかげ・みさき)
        :西生駒探偵倶楽部会計で、薄幸の美少女霊能探偵秘書
        (PL:月影れあな)
 鈴代麟(すずしろ・りん)
        :西生駒高校生徒会役員。女の子スキーな人
        (NPC)

雨上がりの早朝
--------------
 雨上がりの朝、通りに人の影はない。ところどころに出来た水溜りが、東の
山から差し込む朝日を反射してきらきらと輝きに波打っている。向こうからやっ
てきた風が頬を滑って通り過ぎた。
 気持ちのいい朝だ。思わず声を上げて走り出したくなるほど。ここが早朝の、
せめて住宅街に面した通りでなければ、実際にそうしていたかもしれない。せ
めて後一時間遅かったら……そう考えると、少しもったいなかった気もする。

 女生徒    :「あ〜あ、何もこんな朝っぱらから朝錬しなくてもいいの
        :に」

 朝っぱらからやらなかったら朝錬とは言わない。という至極尤もな意見は、
この際地平線の果てまで放り投げておいて、大きく溜息をつく。しかし、ここ
でメげて朝錬をサボったりする訳にはいかない。そんな事をしたら、愛しの先
輩に会える時間がなんと正味四十五分も減ってしまうのだ。そのために今朝だっ
て、いつもより二十分も早く起きてしまったのにも関わらず、もう一度寝たら
起きられないからと無理やり気合を入れて、無駄なほどに早く登校しているの
だ。ここでメげてしまう訳にはいかない。

 女生徒    :「げっ、校門閉まってるじゃん」

 早く来過ぎた所為か、正門は硬く閉ざされていた。念のために引っ張ってみ
ても門の部分ががちゃがちゃと騒がしく音を立てるだけで開く事はない。鬱な
気分で、いっそ裏門まで回ってみようかしらなんて考えながら傘を振り回して
いると、偶然水溜りに触れた傘の先端が雨水を跳ね上げた。

 女生徒    :「……さっいてー」

 放物線を描いて見事に制服へと降り注いだ雨水を見つめる。なんだか、もう
どうでもいいような気分になってきた。
「えいっ」
 水溜りに飛び込んで雨水を跳ね上げる。靴下はびしょびしょに濡れて、靴の
中にまでじわじわと冷たい水が浸食してきた。何故だか、全くと言って良いほ
ど不快感は感じない。そのまま続けて、二つ、三つと別の水溜りへと飛び移っ
ていく。

 女生徒    :「ふふ、あはは」

 とても気持ちが良くなってきた。調子に乗ってどんどん他の水溜りも跳ね上
げる。四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ……急に目の前が黒く塗りつぶさ
れた。

 SE      :ぱしゃあん

 音が響いて、一際大きな水しぶきが上がる。かつんと傘が地面に落ちる。声
を上げる暇も無く、誰にも気付かれないままに、少女は、暗い水の底へと沈ん
でいった。


生徒会との応酬
--------------
 光太郎    :「どういう事よっ! 部員が集まったら部室もらえるんじゃ
        :ないの!?」

 放課後の、人のいない廊下に、透き通った高い声がこだました。

 麟      :「悪いけど、やっぱり僕らとしても実績の無い同好会を部
        :活動と認めちゃう訳にはいかないんだって。ほら、例えば
        :何もやる気が無い人が集まってだらだらするために部室とっ
        :てちゃったりしたら困るでしょ?」
 光太郎    :「納得いかないわ。わたしがちゃんとやる気ってことは、
        :あんたも知ってるでしょ」
 麟      :「僕が知ってても、生徒会のみんなが知ってるわけじゃな
        :いからね。それよりさ、どう? これから一緒にパフェで
        :も食べに行かない? いい店知って……」

 SE      :チャカッ

 顎に突きつけられた小型拳銃が、軽薄な声を止めた。麟は光太郎の目を覗き
込む。ヤバイ、本気の目だ。
 まさか、実銃とは思わないが、モデルガンとしてもこの距離で連射でもされ
ようものならさぞかし痛かろう。

 麟      :「はは、悪い子だね、ひかりちゃん。学校にこんなものもっ
        :てきて」
 光太郎    :「あら、鈴代先輩より悪い子だとは思いませんわよ。ポケッ
        :トに入ってるそれ、シガレットチョコだとでも言い訳する
        :つもりかしら?」
 麟      :「ははは、やっぱりバレた?」
 光太郎    :「バレバレよ。黙っといてあげるから、部室よこしなさい」
 麟      :「あ、それはダメ。僕が何言っても、会長の許可が無い限
        :り部室は渡せないから」
 光太郎    :「役に立たないわねぇ」
 麟      :「まぁまぁ、今度食事でも奢るから」
 光太郎    :「15点、デートの誘いならもっとスマートにやりなさい」
 麟      :「手厳しいなぁ」
 光太郎    :「まぁ、いいわ。今日のところは引き下がっといてあげる」
 麟      :「ごめんねぇ」

 立ち去ろうとして、ふと光太郎は足を止めた。

 光太郎    :「生徒会に認められる実績があれば、いいのよね」
 麟      :「? まぁ、そうだよ」
 光太郎    :「情報をリークしてくれない? 生徒会で掴んでる事件と
        :か、何か無い?」
 麟      :「これといって、目立ったものは無いけど……そうそう、
        :最近家出人が多いっていうのがあったね」
 光太郎    :「家出……?」
 麟      :「学校行ったまま帰ってこないとか、そういうの。会長が
        :ちょっと気に留めてたみたいだけど、今のところまだなん
        :ともいえない」
 光太郎    :「そう……ありがと。それ調べてみる。行くよ、美沙希」
 美沙希    :「ん……」

 そうして、光太郎は去っていった。
 後に残った麟は、少々名残惜しそうにその後姿を見送っていたが、その姿が
見えなくなると、軽く溜息を吐いて生徒会室の中へと引き下がる。

 麟      :「これでよかったですか、会長」
 生徒会長   :「上出来です」

 扉の横に身をもたれさせて、一部始終を聞いていた生徒会長が、満足げに頷
いた

 麟      :「こんな回りくどい事をせずとも、生徒会で調査すればい
        :いだけじゃありませんかねぇ?」
 生徒会長   :「生徒会の組織は、特にこれといった確証も無く動かす訳
        :にいきませんから」
 麟      :「つまり、調査をさせておいて、おいしいところだけ掻っ
        :攫っていくと……お人が悪いですよ、会長」
 生徒会長   :「お人よしに生徒会長は務まりませんわ」

 そう言って生徒会長が浮かべた笑みは、かの悪魔メフィストフェレスにも似
ていて、麟はまた大きく溜息を吐いた。

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