[KATARIBE 25352] [HA20H]『入学式の朝:滝山みのりの場合』

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Date: Thu, 16 Jan 2003 13:46:44 +0900
From: "Motofumi Okoshi" <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25352] [HA20H]『入学式の朝:滝山みのりの場合』
To: "Kataribe ML" <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。「あなたならどうする」入学式、滝山みのり編です。

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あなたならどうする『入学式の朝:滝山みのりの場合』
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登場人物
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 滝山みのり(たきやま・みのり)
  :お金持ちのお嬢様。天然で、怒ることを知らない。
 滝山浩明(たきやま・ひろあき)
  :みのりの父で、非常に優秀な実業家。
 滝山はるか(たきやま・はるか)
  :みのりの母で、元退魔師。現在は引退して専業主婦。
 滝山ひかり(たきやま・ひかり)
  :みのりの妹。こちらも中学の入学式を控える。お嬢様の割に普通の少女。

姉と妹
------
 執事     :「お嬢様、朝食の支度が整いました」
 みのり    :「かしこまりました。すぐに参ります」

 扉の外から呼びかける執事に対し、真新しい制服に着替えながら扉越しに応
える。やがて、ブレザーを身に纏ったかわいらしい少女が扉を開けて外に出た。
少女の名は滝山みのり。この屋敷の主人の娘である。

 ひかり    :「お姉ちゃん、おはよっ☆」
 みのり    :「あ、ひかりさん、おはようございます」

 みのりとは違うデザインの、やはり真新しいブレザーを身に纏った少女がみ
のりに挨拶をする。この少女、ひかりは、みのりの実の妹である。実の妹に対
して「さん」付け、しかも敬語で話す人物はそうはいないであろう。

 ひかり    :「もう、そんな硬い言葉ばかり使ってると、友達できない
        :よ」
 みのり    :「そうでしょうか……」
 ひかり    :「まぁいいや。朝ごはん食べにいこっ☆」
 みのり    :「はい」


朝食
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 食堂に入ると、すでに両親が卓についていた。

 浩明     :「おはよう、二人とも今日は入学式か」
 ひかり    :「パパ、ママ、おはよーっ」
 みのり    :「おはようございます」

 父、浩明は、数々の事業を展開する実業家である。ゆえに、仕事で家を空け
ることも多いが、家にいるときは家族団欒を重んじる良きパパである。

 浩明     :「二人とも、通学にはくれぐれも気をつけるんだぞ」
 ひかり    :「わかってるよー。もう子供じゃないんだから」
 みのり    :「はい、気をつけます」
 ひかり    :「……うん、お姉ちゃんは十分気をつけたほうがいいね」
 みのり    :「?」

 よくわからないといった表情をするが、すぐに元の表情に戻って食事をする
みのり。それを見て、やっぱり少し不安になるひかり。

 はるか    :「大丈夫よ、ひかりちゃん。身の守り方はママがしっかり
        :と教えてあるんだから」
 みのり    :「そうですね、小さい頃から『壁』の作り方を教えていた
        :だいています」
 ひかり    :「お姉ちゃん!」

 母のはるかは元退魔師で、数々の悪霊や悪魔を祓ってきた。その血を多く引
き継いだみのりは普通の人より霊感が強かったため、雑霊から身を守る方法と
して『壁』の作り方をはるかから伝授されていたのだが……

 ひかり    :「そういう能力はやたらメッタに使っちゃダメだよ!みん
        :ながみんないい人とは限らないんだからね!」
 みのり    :「そうでしょうか?中学校では、皆さんに理解して頂いて
        :いましたが……」
 ひかり    :「高校に入ったら、周りはみんな敵だよ!特に男なんかは
        :ケダモノになってるんだから!」

 それもかなり極端な偏見だと思うが。

 浩明     :「ひかり、『周りはみんな敵』なんて考え方はダメだぞ。
        :本当に敵に回してしまうぞ」
 ひかり    :「あ……ごめん、つい興奮しちゃった」
 みのり    :「大丈夫ですよ、ひかりさん。皆さんきっと良い方です」
 ひかり    :「だといいけどね……」


行ってまいります
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 そんなこんなで朝食を終え、カバンを持って玄関に立つ二人。浩明はすでに
仕事に出かけたので、はるかが玄関で二人を見送る。

 みのり    :「では、お母様、行ってまいります」
 ひかり    :「いってきまーす」
 はるか    :「行ってらっしゃい。お土産話を楽しみにしてるわ」

 途中までは同じ道なので、一緒に歩く二人。

 みのり    :「ひかりさん、帰りに何を買いましょうか?」
 ひかり    :「え、どうして?」
 みのり    :「お母様が『お土産を』と申していましたから」
 ひかり    :(がく)「『お土産話』!」
 みのり    :「え、では、お話の本でよろしいでしょうか?」
 ひかり    :(がくがくっ)「(この天然は……)」

 これで本当に高校生活は大丈夫なのかと、姉を心配するひかりであった。

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なんかひかりの方がキャラ強くなってますね(汗

motoi@mue.biglobe.ne.jp
Motofumi Okoshi

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