[KATARIBE 23618] [LG02P] 惑星キチウ事件:ギギィ分・導入エピソード

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Date: Thu, 10 Jan 2002 19:05:24 +0900 (JST)
From: ごんべ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 23618] [LG02P] 惑星キチウ事件:ギギィ分・導入エピソード 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200201101005.TAA59944@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 23618

2002年01月10日:19時05分23秒
Sub:[LG02P] 惑星キチウ事件:ギギィ分・導入エピソード:
From:ごんべ


 ごんべです。

 「惑星キチウのクーデター未遂事件」
([kataribe-ml 23121] http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/23100/23121.html)

に絡んで、ごんべのキャラも動かしてみます。事件への参入エピソードです。

 そのキャラ「ギギィ」自身の初エピソードでもあります。
 (キャラシート: http://kataribe.com/LG/02/C/LGC02_15.TXT )


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キチウの傭兵
------------

 ひとくちに地球人の植民星と言っても、様々な事情のたくさんの星がある。

 大型食肉目型の二足歩行人種・ウムリ人の開拓に、地球系の資本が荷担する
ことで劇的な発展を遂げた惑星「キチウ」も、宇宙雄飛後の地球人の広大な活
動範囲から見れば、消え去りそうな辺境の星の一つに過ぎない。

            −*−

 ここは惑星キチウとその衛星キツとの重力均衡点、地球で言うところのラグ
ランジュポイント(地球人の間では、地球のもの以外のこともそう呼ぶ)に設
けられている居住区の、コロニーの一つ。
 巨大なリニアモーター式貨物トロッコがゆっくりと滑るように行き交う港湾
区域に、地元の軍の制服を着て採光窓から外を眺めながらPDAに対して話しか
けている、一つの影があった。

 ギギィ    :「ああ、俺だ。……久しぶり? 馬鹿を言うな」

 ……影? そう。影。
 全長8mもの蛇とも龍ともつかぬ巨大な生き物が、翼を半ば開き加減でとぐろ
を巻いていれば、普通の地球人であれば「彼」を人とは思うまい。おそらくは、
凶悪なエイリアンの一種と信じて一目散に逃げ出すことだろう。

 ギギィ    :「まだこの間の報酬が振り込まれていないんだぞ。どうし
        :た。…………何だと? 情報量とチャラ? ふざけるな。
        :あれでお前がどれだけ稼いだか、分かっているんだぞ」

 しかし「彼」は、地元の軍の制服をまとい、装甲服で身を固め、交易用のア
トランティス語を流暢に操り、手元のPDAは地球語の表示である。見かけによ
らぬ(失礼)高度な知的種族であることは一目瞭然だ。
 話の内容が周囲に響き渡るような大声ではないにしろ、かすれ気味ながら低
くはっきりと通る一つ一つの言葉が、冷静さと高い知性の存在を物語る。

 ギギィ    :「人を使っておいて礼も無しか? それならこちらにも考
        :えがあるぞ。 ……ん? ちょっと待て……」

 SE      :ピッ、ピッ、ピッ……

 彼はとある龍型種族の一人で、名をギギィという。職業は傭兵、キチウ惑星
国家軍の外人部隊の所属だ……キチウに来たのはつい先日だが。
 確かに、ごつごつとそれ自体が装甲であるかのような鱗や鍛え抜かれて波打
つように滑らかに動く蛇のような肉体はもちろん、差し渡しは全長に匹敵する
であろう双の翼や大きな口が開く凄絶な強面(これまた失礼)は、傭兵という
職業にはうってつけではあるだろう。体表をくまなく覆う謎めいた紋様状の入
れ墨もまた、否応なしに目をひく。

 ギギィ    :「……今、振り込まれているのを確認した。あきらめた後
        :は潔いな。今後ともよろしく頼む」

 どうやら、前の仕事の精算は無事に終了したようである。
 手元のPDAで報酬の振り込みを確認した彼は、それを即座に自分の秘密の口
座へと振り替えた。そこもダミーの口座だが、「本当の」口座に移し替えるの
は注意を払って現金で行う。また今度の機会にすることにした。

            −*−

 ふと、彼は窓の外で何かが光ったような気がして、宇宙空間に目を凝らした。
 ……ちか、ちか、とまた何かが光る。

 ギギィ    :「……お前の誠意に敬意を表して、一つ教えてやろう。
        :たった今、キチウの衛星間コロニー第3宙域のコロニー間
        :宇宙船ポートで、軍の戦闘艇同士が衝突している。今すぐ
        :調べればお前のためになるんじゃないか? じゃあ、幸運
        :を祈る」

 そう言い残して、彼は興奮した声が聞こえてきた電話を一方的に切った。

 ギギィ    :「…………さて、と」

 中空でまるで腕のように動く後肢で、装甲服の内部にPDAをしまい込むと、
彼は翼手で頭を掻きながらひとりごちた。

 ギギィ    :「雇用主同士が戦闘を始めたときは、地球人の慣例では、
        :どうするものなんだろうなあ?」

 どのみち、これからすぐに戦闘に入ると思われる。大蛇のように体をくねら
せながら、とりあえず彼は直属の指揮官の元に急ぐことにした。
 これから忙しくなるだろう。


解説
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(惑星キチウのクーデター未遂事件の一部。続く。)


時系列
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(惑星キチウのクーデター勢力が蜂起した直後。)


登場人物
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ギギィ・リュード・アルベマンテ
     :アトランティス帝国統治下で空間機動龍兵として名を馳せた戦闘
     :種族の、末裔の一人。自身も腕利きの傭兵である。
     :全長8mのワイバーン型の人種で、地上を移動するときは蛇のよう
     :に這う。
     :想像力駆動と同じ原理で3D空間を自由に行動する能力を持つ他、
     :宇宙空間での戦闘に最適化された様々な特殊能力を受け継ぐ。


$$

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 まあ、こんな感じで。

 ではでは。

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ごんべ
gombe@gombe.org



    

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