TRPG.NET > 月刊TRPG.NET / 2003年07月号 >
ボーイスカウトでのキャンプ経験
●はじめに
D&D3E(以下3E)に限らず、ファンタジィ系のTRPGをプレイしていると、キャラクタが野宿をするというのは良くあることだ思います。しかしながら、大抵の人は野宿の経験などは無く、野営というものを想像でしか捉えることができないのでは無いでしょうか。 ●班構成/Party Member
僕の所属していたボーイスカウトO第1団は全員で30人弱の団体でした。その中で4つの班に分かれ、それぞれの人数は6〜8人です。 ●装備品/Adventure Gearボーイスカウトがキャンプに行く場合の個々人装備品は、おおよそ以下のような物になります。
この他に班全体で必要な物があります。
●行軍/Marching Order
ボーイスカウトのキャンプは山などに赴いて、そこで行なうことになります。流石にそこまで徒歩で行くと、到着するまでに1日掛かってしまうので、山の麓までは車や電車などを使って行くことになります。
それぞれが20キログラム前後の荷物を持って歩くことになります。比較的力のある隊員の何人かは背負子を背負い、自分自身の荷物に加えてテントを持つことになります。それ以外の班全体で必要な装備は残りの隊員で分担します。 ●設営/Campそうして、野営に適した場所を見つけたら次は設営にはいります。キャンプ地に必要なものは以下の通りです。
荷物置き場は正確には「荷物を置く」だけの場所ではなく、食事をしたり皆で集まって話をしたりする場所に使います。普通の住居で言えばダイニングやリビングに相当する場所で、ここがキャンプ生活の中心地になります。
まずは荷物置き場とテントを設置する地面にある邪魔な物を除去します。草刈りをし、小石や木の枝を払うわけです。この作業を怠ると、寝るときに背中の下がごつごつして寝づらかったりしてしまいます。
水場とかまどは近い位置に作ります。両方に適度な大きさの穴を掘り、水場には川からたっぷり水を組んできたポリタンクを2つ置きます。ここが水道の代わりとなり、食器を洗ったり、料理の準備をするための場所になります。
テントは、かまどから遠い場所に作ります。またこのとき、班全体の装備品にある謎の項目「大量の煙草」を使います。 トイレは、設営地から離れた人目に付かない藪などで囲まれた場所に作ります。開口部が小さく縦に長い(最低でも50cm以上の深さ)の穴を掘り、掘り出した土とスコップを穴の上に座っても手に届く位置に置きます。トイレを使用した後は腐臭を防ぐために上から土を盛るのです。 大雑把に語りましたが、以上が設営です。だいたいこの行程に4〜6時間程度掛かります。 ●生活/Living
キャンプ生活で最も重要な物資は水と熱源です。
熱源を確保するためには、燃やすための薪を集める必要があります。山でキャンプをする場合は、薪となる木材は大量に存在します。当然生えている樹木から枝を切り落としたりするのはルール違反ですので、落ちている物を拾い集めることになります。 ●最後にボーイスカウトにおけるキャンプはだいたいこのような行程で進みます。短い場合でも2泊3日、長い場合は5泊6日といった場合もあります。キャンプ中の生活は、多くの時間を、料理や薪集め、野営地周辺の整備など「生活の為」の時間に取られてしまいます。ですが、余った時間は山を散策したり、渓谷に繰り出したり、そこらにある木材で何か作ってみたりと、なかなか普段は味わえないようなコトができます。
野外に於ける生活について書いてみました。これを読んで頂ければ、皆さんがマスタをした時にも、野営のシーンを多少はリアルに描写することができるのでは無いでしょうか。 DM(僕):(コロコロ)。えーと1d100で08か、ワンダリングモンスタ発生だね。種類は……(コロコロ)。36だからドラゴン。この地域だとホワイトドラゴンだね。さあ戦闘の始まりだよ。 さいごに感想・執筆宣言は一行掲示板001へどうぞ。 月刊TRPG.NET 2003年07月号本記事の掲載月号のリスト 月刊TRPG.NETTRPG専門Web雑誌 |