爆弾を投下せよ

爆弾を投下せよ

 日本語版『ダンジョンマスターズガイド』も発売され、5月末には翻訳シナリオも刊行されるようで徐々にD&D3E(以下3E)のプレイ環境も整ってきました。たぶん7月頃には『モンスターマニュアル』(以下MM)も発売されキャンペーンを始める人も多くなるでしょう。

 3Eはデータが豊富で色々な遊び方ができますが、長く遊んでいると多かれ少なかれマンネリ化してしまう部分はあります。逆に言えば長く遊べるゲームだからこそプレイの内容が似通ったモノになったりしてしまう所もあるかもしれません。
 そんなマンネリを打破するのは簡単です。単純に新しいサプリメントを導入するだけでセッションの内容が大きく変わります。例えばネットワークゲームでも拡張パックが発売されたりプログラムにバッチが当たることで遊び方が変わり、マンネリが解消されることはあると思います。

 しかしながら、今のところMM以降はサプリメント(シナリオを除く)の邦訳予定は発表されていません。

 さて、そういう時にどういったサプリメントを導入したら良いのでしょうか? 当然サプリメントは翻訳されていない状態なので、英語の物を使うことになります。折角英語のサプリメントを買って読むのですから、後に日本語版がでそうな物は勿体ないので避けた方が良いでしょう。また「マンネリを打破する」為に導入するのですから、(あらゆる意味で)思いっきりデンジャラスなサプリメントにしてみましょう。


●Oriental Adventure

 オリエンタル・アドベンチャ。名前の通り東洋風の地域を取り扱ったサプリメントです。主にRokuganと呼ばれる日本風な世界を扱っています。RokuganはAEG社のLegend of Five Ringというゲームのオフィシャルワールドですが、データは3Eの形式で提供されています。
 Rokugan以外のOrientalな世界を作成するためのルールなども掲載されているので、それを参考に自作することも可能です。

 そんなことはどうでも良くて、我々D&Dゲーマにとって重要なのはデータです。新Feat、新Skill、新Spell、新Class、新Magic Item、etc。それらが無ければ誰も買いません(言い過ぎ)。
 当然、このサプリメントにもこれらの重要且つデンジャラスなデータは存在します。その一端をお見せしましょう。

新Skill

 Iaijutsu Focus

 そう。居合です。抜刀術とか言う言い方も某漫画のお陰で広まっているでしょうか。戦闘開始時に相手の不意を突くと、居合によって相手に普段よりも大きなダメージを与えることができるようになるという卑怯極まる大変由緒正しい胸のすくような技です。。Iaijutsuに特化すれば平均で50ダメージくらい上乗せできるのではないでしょうか。

新Class

 Samurai、Sohei、Shugenja

 他にも幾つか基本Classが追加されていますが、取り敢えず3つご紹介。それぞれ侍、僧兵、修験者です。
 SamuraiはFighterをベースに武士道的な制限(Code)がある変わりに性能が良いというClassです。またレベルが上がりお金を奉納すると愛刀がパワーアップしていきます。
 Soheiは不思議なClassでClericをベースにFrenzyというBarbarianのRageに似た能力を付け、その変わりSpellが使える様になるのが遅いという感じのClassです。
 Shugenjaは、Sorcererの様なSpellの使い方をするDivine Spell Casterです。Spell Listがかなり変わっているので使いづらいかもしれませんが一風変わった術者ができます。

新Prestige Class

 Ninja Spy、Tatooted Monk、Iaijutsu Master

 他にも沢山のPrestige Classが追加されていますが、その中から3つご紹介。どれも名前が微妙ですが、それぞれ忍者スパイ、刺青モンク、居合いマスターです。
 Ninja Spyはなんというか……ご想像の通りでしょう。RogueをベースにMonkっぽい能力も足したようなClassです。Sneak Attackと毒が使えますが別にEvil限定ではありません。
 Tatootedは通常のMonkの格闘能力に加え刺青を追加することで様々な特殊能力が得られるというClassです。ダイスの振り直しができるようになったりSmiteができるようになったり。
 Iaijutsu Masterは、名前の通りIaijutsu Focusの達人で燕返しができるようになったり、必ず不意を打てるようになったりします。


 かなりエキゾチックなデータが多いと言えます。


 この他にもSpellやFeat等いろいろなデータが追加されています。ワールドの説明よりはデータ的な部分の方が多いサプリメントなので読むのも簡単ですし、部分的に導入しても良いでしょう。
 また、今回の紹介では意図的にデンジャラスなデータは紹介していません。はっきり申し上げますと「混ぜるな危険」というデータも多々存在します。僕は化学反応を恐れずに全部導入しましたが……お陰でセッションはかなり破壊的な楽しい物になりました。正直な話バランスがおかしい所もありますが(というよりはバランスが適正なデータも少しはありますが)、これらを導入した為セッションはセンス・オブ・ワンダ溢れる物になり出版された当時は仲間内ではOriental Adventureの話題で持ちきりになったほどです。

 ということでみなさんもニトログリセリンを使ってみては如何でしょうか。

さいごに

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月刊TRPG.NET 2003年04月号

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