はじめてつくるTRPGサイト:個人編・その1

はじめてつくるTRPGサイト:個人編・その1

後輩:
 大学のTRPGサークルに入ったばかりTRPG歴3年の若人。
 一人暮らしを始めた結果、
 やっと常時接続環境を手に入れたぴちぴちのネット初心者。

先輩:
 古今東西のTRPGを愛するTRPGX0年のベテラン。
 大学卒業したくせに、毎回サークルに参加している。
 ネットは、サーバを持つほど依存している、ネット中毒者。

後輩「せんぱ〜い!!」
先輩「何だ?」
後輩「先輩は、いくつか、サイトを持っていましたよね?」
先輩「ああ、まあな」
後輩「僕も、サイト作りたいんで、サイトのつくり方を教えて下さい」
先輩「おお、いいぞ」

1、なぜ、つくるのか?
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先輩「で、なんで、つくりたいんだ?」
後輩「え〜と、サイトあると、なんか、かっこよさそうじゃないですか?」
先輩「はあ?」
後輩「ほら、リプレイとか、シナリオとかあるサイトあるでしょう?
   なんか、すごいでしょう?」
先輩「まあ、すごいな。お前も、公開したいリプレイとかあるのか?」
後輩「…………」
先輩「おいおい、なにも無いのかよ。
   サイトをつくるというのは、何か公開する物があるからつくるんだぞ」
後輩「なにか、無いとダメですか?」
先輩「まあ、あった方がいいが、無いなら無いなり、どうにかなる。
   公開する物をつくりながら、サイトをつくればいい」

2、日記は便利
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後輩「それは、どういう物ですか?」
先輩「一番、手っ取り早いのは、日記だ」
後輩「日記ですか?」
先輩「そうだ。やったセッションのことを簡単に書くだけでいい
   自分がやったPC名と、それがどんな奴だっただけでもいいんだ」
後輩「それだけでいいんですか?」
先輩「ああ、それだけOKだ。
   お前なら、更新が毎日行われるサイトと、月に数回行われるサイト、
   どっちにいく?」
後輩「やっぱ、毎日更新される方ですかね」
先輩「そうだろう。
   どんなに趣味でやっているからって、
   やっぱり、見てくれる人が多い方がいいだろう?」
後輩「ええ、そうですね」
先輩「だから、どんな些細なことでもいいから、更新するんだ」
後輩「なるほど、分かりました」
先輩「徐々に、慣れてきてから、書く内容の量を増やせ。
   一緒にやったメンバーのことやら、シナリオのこと、
   セッションの反省点などとかな」
後輩「はい」
先輩「コンベンションでのセッションなら、
   そのコンベンションについて書け。
   それだけで、立派なコンテンツだ」
後輩「そうですね。
   コンベンションの評価って、読んでいて面白いですからね」
先輩「うん、そうだな
   それ以外でも、シナリオの作成の過程を書きつづけたり、
   新しいシステムの感想とか、書くと面白いぞ」
後輩「シナリオの作成の過程って、下手な解説本より、役立ちそうですね」
先輩「ああ、そうだな」

3、リプレイは大変
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先輩「ただ、日記だけじゃ、最初はいいが、後で辛くなるぞ
   だから、早めに他のコンテンツを用意しないとな」
後輩「じゃあ、リプレイがいいですね」
先輩「がんばれ」
後輩「へっ?」
先輩「リプレイは大変だぞ」
後輩「そうなんですか?」
先輩「そうなんだよ。
   最初に、リプレイを意識したシナリオを、
   つくらないといけないだろう?」
後輩「リプレイを意識したシナリオって、何ですか?」
先輩「まあ、それは、そのリプレイによってかわるんだが、
   ルール解説用なら、ルール解説しやすいように、
   基本的なことを一通り行えるようにして、
   そのシステムにとってオーソドックスなシナリオにするだろう。
   読み物用なら、ひたすらおもしろさを追求すればいい。
   どちらでも言えることだが、
   そのリプレイの目的にあった見せ場を用意することだ」
後輩「確かに、そうですね」
先輩「そして、最も重要なのが、メンバー選び。
   GMとの相性はもとより、PL間の相性も考慮する必要がある。
   これで、失敗すると、
   ひたすらつまらなかったり、めちゃくちゃになったり、
   下手すれば、セッションも失敗してしまうこともある。
   だから、PLの適性をちゃんと把握して、慎重に選ばなければならない」
後輩「なるほど」
先輩「で、実際セッションをやるわけだ。
   まあ、それが上手くいったら、次に地獄の作業が待っている」
後輩「地獄ですか?」
先輩「そうだ。地獄だ。テープ起こしは、地獄の作業だ。
   好き勝手に喋るPLのお陰で、セリフが入り交じったり、
   声が重なって、聞き取れないこともある。
   それを、文章に起こすのだ。地獄だぞ」
後輩「……地獄ですね」
先輩「最近は、オンラインセッションで、リプレイ取りという手もある。
   ログをそのままじゃないが、少し手を加えるだけで使えるからな」
後輩「ログそのまま公開しているところもありますね」
先輩「まあな。だが、ログそのままでは、リプレイといえない。
   リプレイにするには、編集という作業がさらに必要だ。
   話の流れで、へんなところを削ったり、セリフの位置などを変えたり、
   解説や注釈を入れないとダメだ」
後輩「大変なんですね」
先輩「だから、最初に言っただろ?
   よし、お前、リプレイ書け。
   俺が、PLしてやる」
後輩「そんな〜〜〜」

4、シナリオも大変
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後輩「じゃあ、シナリオだけ載せるって言うのは、どうです?」
先輩「大変だぞ」
後輩「えっ、シナリオも大変なんですか?」
先輩「リプレイとは、違った大変さだ」
後輩「シナリオをつくることが大変なんですか?」
先輩「ああ、そうだ。
   普通にGMがシナリオをつくって、セッションを行った場合は、
   少々の不都合は、無意識に修正してしまんだ。
   なぜなら、シナリオに書かれていないことも、
   そのGMは知っているからな。
   しかし、シナリオを見ただけの人は、
   そのシナリオに書いていることしか知らない。当たり前だな。
   重要なことなのに、書いて無くて、そのために、失敗することがある」
後輩「それを、防ぐ方法はあるのですか?」
先輩「ある。テストプレイだ」
後輩「するの当たり前じゃないですか?」
先輩「当たり前だ。
   しかし、この場合のテストプレイは、シナリオを、
   誰かに渡してGMをしてもらうことだ。
   PLにもシナリオのことを知っている奴を入れるな。
   それでやってもらって、問題点を浮き彫りするんだ」
後輩「手間かかりますね」
先輩「ああ、だから、大変なんだ。
   まあ、市販のシナリオを参考にして、やっていけば、うまくなる」
後輩「はい、頑張ります」

5、コラムは怖い
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先輩「まあ、他にもいろいろな奴がある。

   例えば、コラムな」
後輩「コラム?」
先輩「ああ、マスタリングやプレイングに関することや、
   新作レビューとか、いろいろな」
後輩「結構、ありますね」
先輩「ああ、ただな……」
後輩「なにか、まずいことがあるのですか?」
先輩「ああ、もろ、作者のセンスが出るんだ
   だから、下手なものを書くと、ヒット数が増えたが、
   悪評も広がったと言う結果にもなりかねん」
後輩「あちゃ〜〜〜、それじゃ、書かない方がいいんですか?」
先輩「まあな。書く暇あったら、ゲームしろと言いたいが、
   ときたま、無性に書きたくなるものだ」
後輩「そういうことあるのですか?」
先輩「俺はある。
   で、その場合、ネガティブなことをなるべく書かないようにしている」
後輩「何故です?」
先輩「理由はな。
   ネガティブなことって、うざいんだよ。
   巷に、辛口とか、本音とかうたっているコラムがあるが、
   大抵、愚痴や悪口の垂れ流しなんだ。
   そういうのって、ウザイだろう?」 後輩「ええ」
先輩「書くなと言わないが、とてもセンスが必要なんだと言うことは、
   自覚しておけ」
後輩「はい、分かりました」

先輩「よし、これ以上のことは、飯食いながら、話してやろう
   もちろん、お前のおごりな」
後輩「え〜、そんな〜〜〜」

                               つづく

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月刊TRPG.NET 2003年03月号

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