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魔獣戦線の魅力とは?

 

このコーナーでは、寺田がインターネット上で遊ばれているオンラインTRPGとして惚れこんでいる魔獣戦線の魅力に関して語り尽くすコーナーです。

 

1:オンラインTRPGの魔獣戦線

「魔獣戦線」は、TRPGシステムの中でも最初からオンラインTRPGとして遊ばれる為に作られたTRPGシステムです。オンラインTRPGとは、インターネット上で複数人が同時に会話ができる「チャット」というシステムを利用して遊ばれるTRPGです。

もちろん、既存のTRPGシステムもオンラインで遊ぶ事はできますが、それには様々な難しい要因がありました。その難しい要因は、大きく二つをあげる事が出来ます。

まず一つは、「オンラインTRPGは会話に時間が掛かる」という事です。通常、口でいう事を文字をタイプするわけですから、軽く三倍は同じ事を説明するのに時間が掛かります。そして、二つ目は「オンラインで遊ぶにはルールが複雑すぎる」という問題です。1回のルール判定だけで、30分も掛かっているようなシステムの場合、オンラインで遊ぶ事など到底想像もつきません。もちろん、それでもやっている人はいますが。

この二つの問題を解決する事が良く出来たオンラインTRPGとしての特長にもなります。もちろん、ただ簡単にしただけでは、それは「全ての判定はサイコロ1個で目標値はGMが1〜6まで決定する」という面白くも何ともないシステムが出来上がるでしょう。

そして、オンラインで遊べるようにしながら魅力的な世界観の両方を魔獣戦線は持っているのです。

2:魔獣戦線の世界観

魔獣戦線は、現代を舞台としたTRPGシステムです。これは、プレイヤーが「世界を理解し易い」というオンラインTRPGに向いたチョイスでしょう。GMとプレイヤーで世界観や設定に関する話をしていてセッション時間を浪費するという場合は多いですし。

そして、様々なメディアで昔から人気のあるジャンルである「退魔物」をメインに据えています。古代に封じられた666の邪力持つ魔獣。未だかすかに残る封印から魔獣は日本国内を離れる事が出来ず、彼の邪悪なる存在を滅ぼす為に世界各国から力ある者が集まり始める……

日本というプレイヤーの知識が及ぶところに世界設定で舞台を限定しながらも、参加キャラクターは自由な発想で世界各国から参加可能。後述するシステムにより、魔術や呪術を使う者以外もPCとする事ができる為、プレイヤーの知識をベースとして自由な発想で参加できるのが魔獣戦線の魅力です。

3:魔獣戦線のシステム

魔獣戦線に参加するキャラクターは、全員、「円卓の騎士」と呼ばれる一般人とは異なる「特異な能力を持った者」です。彼らは全員、魔獣という存在を倒す為に一時的に協力している存在で人間に限りません。ゲーム中においては、一般人では相手にならない存在でもあります。

そして、各キャラクターが四段階四つの能力を持っています。その能力はカテゴリー別に22種類に分かれ、カテゴリーの中であればプレイヤーが自由に設定して構いません。そして、最も強力な能力のカテゴリーからタロットカードに当てはめた位階が決定し、キャラクターは「皇帝の騎士」や「悪魔の騎士」と呼ばれ、名乗るのです。例えば、「節制の騎士」は気操術という気の力を操る能力に長けた騎士が持つ称号です。しかし、他の三つの能力のカテゴリーによって、節制の騎士といっても様々なバリエーションが生まれます。

これらの能力は例え、様々な物を設定したとしてもその力は四段階四つであり、つまり設定は自由にしながらもシステム的な数値で縛る事でバランスをとっています。

判定は、基本的な2d6に自分の能力の段階を足したものになります。また、キャラクターは、「力」という体力(HP)と疲労を合わせたような能力を持っており、能力を組み合わせて使う程、力は減少していきます。(組み合わせた力の数−1)ダメージを受けても力は減り、力が0になればキャラクターは気絶か死亡します(これはプレイヤーが選択できます)。

簡便でありながらも最高値は決定されており、最高値を出す為にはキャラクターの持つ資源(力)を消費していくので、プレイヤーはその点を考えて判定をしていく必要がある。シンプルでありながらゲーム性を十分に含んだシステムだと思います。

4:魔獣戦線のセッション

魔獣戦線は、オンラインで行う為に作られたシステムです。オンラインに限らず、TRPGというものは「時間」が読めないゲームでもあります。しかし、オンラインでTRPGを行う場合、多くは限られた時間の中で行う場合が多く、通常のセッションよりも時間に関しては神経質になる必要があるでしょう。

魔獣戦線は、この点をまずシステムから規定しました。それは、PCの人数を3人と限定し、セッションにおけるシーンを規定し、各時間をも決定したのです。時間を読む事の出来ない戦闘以外は、全て明確な「制限時間」が規定され、セッションは進みます。

魔獣戦線のセッション目的が明確である事もこのシステムを上手くサポートしています。セッション目的は、魔獣を倒す事。しかし、魔獣はキャラクターの能力にあたる「邪力」、そして「力」を持っており、両者ともキャラクターの2倍。正面から戦って100%勝てる相手ではありません。

しかし、邪力の強い方から二つ目までの能力には、必ずそれぞれの能力を封じる事ができる弱点があります。つまり、魔獣戦線のセッションとは、規定時間内にキャラクターが動き、情報を調べ、そして情報から何とかして弱点を導き出し、魔獣を打ち倒すという事になります。

このボードゲームを彷彿させるセッション進行は、今までのTRPGシステムに無かった視点であり、時間管理、プレイヤーの目的の理解度の面から見て非常に秀逸であると思います。

5:サポート

「魔獣戦線」は、システムデザイナーである水無月氏がGMをする為に基本的には作成されたTRPGシステムであり、氏は二ヶ月に三回のペースで精力的にセッションをこなし、生涯魔獣戦線のGMをやっていくと公言しています。また、氏がGMをしたセッションのログ、オンラインで魔獣戦線に参加したプレイヤーの全てのデータがウェブページ上で掲載されており、セッションを元にされた小説もすごいペースで公開されています。

サポートもシステムの一環だとすれば、魔獣戦線のサポートはとても素晴らしいもので、参加者を安心させるものでしょう。実際、魔獣戦線でTRPGをやり始めたという人間も最近はよく聞かれます。

6:システムとしての注意点

もちろん、システムとして抱えている問題点が皆無というわけではありません。一つは、キャラクターの能力の組み合わせは、「プレイヤーの申告とGMの承認」が必須である為、キャラクター作成時に「組み合わせやすい能力」を少しは考えないとセッション時に大変苦労する上に組み合わせ自体は「口が上手ければどうとでもなる」という事態を発生させます。しかし、それは事前に理解しておけば、「自分の能力を生かせる舞台に戦闘/判定場所を移動する」という行動によってカバーができるのに加え、結局のところ「上限はそれでも決まっている」という事からそれ程大きな問題ではありません。むしろ、プレイヤーにとっては「自由な発想を提案できる」という魅力の方が大きいと思います。

前者よりは深刻な問題として、未だ「システム面で規定されたセッションの理由を世界観で完全にフォローできていない」という事があります。例えば、「なぜ魔獣と戦うのは毎回3人なのか?」や「なぜ必ず証拠も揃ってないのに戦いをしなければならないのか?」などです。TRPGがストーリーを構築する側面もある遊びである以上、この点は考えなければならない点かもしれませんが、現状ではシステム面から強く規定する事で「それには触れない事」として扱われています。それでセッションには実際に問題がありませんが、この点は更に改善されるといいな、と考えています。

7:そして現在

こうした魅力あるシステム内容、システムデザイナーの水無月氏の精力的且つ地道で堅実な活動から、個人のセッションサイトとしては50人弱という驚くべき参加プレイヤー数を抱えています。

最近では、セッションに参加できないキャラクターの対処の為にキャラクター参加チャットなどもスタートして、また各種ユーザーのサポートサイトも幾つか立ち上がり始めています。

もし、オンラインでTRPGをやる事があるならば、もしくはオンラインで遊ぶ為のTRPGを考えているならば、「魔獣戦線」は必ずチェックするべきシステムでしょう。

さぁ、あなたも「円卓の騎士」の一員と也りて魔獣との戦いの地へ赴いてみましょう。