【海外TRPG状況】

Vol.3 『D&Dとストーリーテラー』

 

 さて、前回の続きで、ストーリーテラーズシリーズの話に行きたいところですが、ちょっと前回、D&Dに関して語り足りない所があったので、続きを書かせて貰いましょう。

 前回、D&Dを出版しているTSR社は、Wizards of the Coast社に買収されたと書きましたが、その後、1999年9月30日の発表で、WotC社もHasbro社というアメリカの大手玩具メーカーに買収されています。基本的には、販売方針は変えないとHasbro社も言っていますが、まぁ、信じましょうじゃないですか。

 そして、前回で説明したD&D第三版に関しては、2000年8月10日にプレイヤーの基本ルールがリリースされるとの事です。マスターの基本ルールとモンスターデータは、それぞれ9月と10月の予定だそうです。

 そして、それに並行する形で、来年の10月31日目標で、D&Dの映画化が進行しているようです。写真なども上がってきており、ううむぅ、D&D、完全復活に向けて虎視淡々と様子を伺っておりますな、という感じです。

 さて、現在、王者D&D(なんだかんだ言っても、お店で一番多くのスペースがあるのがD&Dです)に続いてスペースをTRPGを置いてあるお店で占めているのが、WhiteWolf社のストーリーテラーシリーズです。

 ストーリーテラーシリーズとは、World of Darkness(ワールドオブダークネス)と呼ばれる、現代でありながらも「普通の人が気づかない闇の世界」を舞台として提供している共通の世界観です。ワールドオブダークネスの設定を流用した小説などもゲームを離れて発行されていて、なかなかの人気だそうです。

 D&Dは、サプリメント毎に様々な内容の世界を提供をしながらも、基本的には「ファンタジー世界の英雄譚」であるとするならば、ワールドオブダークネスは「現代世界の闇の者達の苦悩」の世界でありゲームなのです。

 ストーリーテラーシリーズは、同じワールドオブダークネス世界の別の側面を扱った5つのシステムが出版されています。(そして、幾つかの傍流システムが出ています。例えば、中世のVampireを遊ぶ、Vampire: The Dark Agesとか)

▼Vampire :the Masquerade(吸血鬼を遊ぶTRPG)
△Werewolf: The Apocalypse(狼男を遊ぶTRPG)
▼Mage: The Ascension(魔術師を遊ぶTRPG)
▽Wraith: The Oblivion(幽霊を遊ぶTRPG)
▲Changeling: The Dreaming(イっちゃった人を遊ぶTRPG)

 あー、ちなみに、Changelingに関してはかなり誤解があるかもしれません(^^;)。簡単に一言で書いていますが、それぞれ面白い設定を持っていますが、大体、大筋の世界設定のキモは決まっています。

1:プレイヤーキャラクターは、「この世で普通の人に知られてはいけない存在」である。
2:各キャラクターは、世界内で幾つにも分かれた氏族の一つに所属しており、氏族毎の思想、そして「この世の普通で無い」状況の狭間で苦悩している。
3:得てして、敵は味方のうちであったり、明確な敵が居る場合があったり、居ない場合がある。

 と、上記のような世界で「PC同士の関係(味方だったり敵だったりするけど、手を組んだり戦ったり)」を楽しみながら膨大な設定資料の中で構築される世界での物語を楽しむというのがそのスタイルです。

 ホワイトウルフは、ストーリーテラーシリーズと呼ばれる簡便で、遊ぶのを難しくしないで、キャラクターの苦悩を表現したシステムを導入する事によって「物語重視」とも言える新しいTRPGの形を提供し、それまであった多くのシステムを蹴散らして大ヒットしました。

 最近、ホワイトウルフは、ストーリーテラーのシステムを進化させて、世界観として近未来SFを設定したTrinityというTRPGを出版しましたが、ストーリーテラーシリーズの進化は、評判が良いものの、超能力を主眼にしたその世界観は、賛否両論があるようです。

 また、つい先日、ストーリーテラーシリーズのHunter: The Reckoning(未見なので情報はまた別のコラムで)も出版されたようで、まだまだWhiteWolfは快調のようです。

 ホワイトウルフが提示したストーリー嗜好、というやつはアメリカでもなかなか議論を呼んでいるようで、そういう意味では日本の方がこの問題は先に起こったのかも、でもどうだろうと、それは後のコラムネタに取っておきましょう。

 さてさて、次回は、お店で三番目の位置を陣取るシステム……GURPSのお話をしたいと思います。

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