EARTHDAWNのシナリオ:山霧の中で…/本編

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登場人物

■ヴァグナー<ドワーフ・男・47歳・身長1.3m・体重60kg・茶髪・白肌>

「街と街をアデプトや傭兵を雇いながら交易を行っているやり手の商人。他のドワーフの例に漏れず頑固だが、一度友と認めた人間との信義を一番大切にする人物でもある。バータータウンを拠点として商売を行っている」

■テッセナ<ヒューマン・男・43歳・身長1.7m・体重68kg・茶髪・褐色の肌>

「バータータウンで徒歩で三日ほどのスロール山脈の麓に位置する山村ナークに住むヒューマン。昔、テッセナはバータータウンに雑貨を仕入れに行っている時、豪雨でできたぬかるみによって馬車を進ます事ができず難儀させていたヴァグナーを助けてやった事がある。その時以来、ヴァグナーは、交易のついでにナークに立ち寄り、テッセナとの交流を暖め、ナークに雑貨を売っているのである。ナークは、街道から少し外れた農村な為、ヴァグナーにはとても感謝している」

ディガ<ドワーフ・男・61歳・身長1.1m・体重51kg・黒髪・褐色の肌>

「バータータウンの宿屋【緑の曙光】の主人です。【緑の曙光】は、安宿(基本ルールブック252/258ページ参照)で様々なアデプトや傭兵が集まる宿です。彼は、様々な情報に精通しており、根城にしているアデプトや傭兵達の信頼も厚いです」

■ジェフスラ<基本ルールブック299ページ参照>

「山村ナークを襲った忌むべき存在」

シナリオ内容

シーン0:まずはキャラクターの作成から

今回のシナリオは、作り立ての第一サークルのPCが4人から6人程として作成されています。

基本ルールブック48ページの「アーキタイプ」からそのまま選んでしまってもいいでしょう。ただ、パーティーの最低三人は、接近戦闘系のディシプリンである事が望ましいです。(接近戦闘系のディシプリンは、「剣匠」「空賊」「戦士」「獣使い」)魔法使い系も、一人いれば、アースドーンの世界観の特徴を掴むのに上手く利用する事ができるでしょう。しかし、魔法使い系は、覚えなければならない事が多い為、TRPGに慣れた人にやってもらうようにして下さい。

しかし、まったくアースドーンを知らないプレイヤーの場合は、4人では厳しいかもしれません。(ジェフスラはそんなに組みし易い相手ではありませんし)その場合は、二つの方策があると思います。

  1. カルマを最初から5ポイントほど多めにあげる。これは、作り立てのキャラクターの場合、伝説点を所持していませんから、カルマ儀式でカルマを増やす事ができない事からの方策です。
  2. 最初のタレントのランク配分をルール通りの8ポイントではなく、11ポイントにする。一つのタレントの最大ランクが3なのは変わりません。
  3. 伝説点を追加で500点ほど与える。

上記の方策は、あくまで人数が4人程度の場合の方策です。
プレイヤーが6人いる場合やアースドーンに慣れている人を含んでいる場合は、バランスを崩す事になるかもしれ無いので、気を付けて下さい。ちなみに、数字が大きい方策の方が、プレイヤーは楽になります。

また、プレイヤーが少し強いキャラクターをやりたい(第三サークルとか)という希望に応える事も可能です。
その場合は、このシナリオで登場するジェフスラを二〜三体にしてあげましょう。(強いですよぉ、こうなると)しかし、初心者相手には、なるべく避けて下さい。

シーン1:交易商人の依頼

常春の気候であるバーセイヴですが、シナリオが始まった時の季節は雨季に入ったばかりです。

バータータウンは、相変わらず活気があって、様々な冒険の話や伝説の噂が集まるパブ(酒場付きの宿屋です)も例外ではありません。「緑の曙光」という名前の付いたバータータウンのあるパブでPCは、明日の伝説となるべく冒険の話を求めて虎視耽々と待っている事でしょう。

この時点では、作り立てのPCは、長い修行を終え、第1サークルのアデプトとしての第一歩を歩み始めたばかりです。プレイヤー同士、GMも混じって各PCの設定に関して話し合ってみましょう。そして、既に全員仲間であるか、それともまだ顔も知らないのかを決めてみましょう。

昼食のシーン(基本ルールブック252/258ページ参照)を交えて、ディガをロールプレイしながら、PC同士の会話を弾ませる事ができればなお良いでしょう。

食事が終わり、午後に入った所で、「緑の曙光」に一人の客が訪れます。ヴァグナーです。

彼はまず、ディガに会い、自分の事情を話します。ディガは、「緑の曙光」にて、仕事をアデプトや傭兵に紹介する仲介者としての存在でもあるからです。現在、「緑の曙光」には余り人間がいません。そこで、話を聞いて、すぐに仲介をする気になったディガは、酒場にいるPC達に対してディガを紹介しようとします。もしくは、仕事を受ける人間を大声で、酒場中に呼びかけるでしょう。今の所、様々な事情で、PC以外で酒場にいる人間で、仕事を引き受けられる余裕のある人間はいません。

依頼の話を聞こうとしたPC達は(聞いてもらわないとシナリオにならない為、ここは聞く様にしてもらって下さい)、ヴァグナーと同じテーブルに座り、彼の話を聞く事になります。彼の話は、以下の通りです。

彼は、今日のお昼頃、各地の村から品物を仕入れてバータータウンへと帰ってきました。
交易の旅の途中、バータータウンから南東に60マイル程(この距離がどれくらいかは、基本ルールブック207ページ「陸の旅」参照)、スロール山脈麓の山村ナークに友人であるテッセナに会いに行ったヴァグナーは、そこで恐ろしい光景を目の当たりにしたのです。
ナークの村に到着した時、辺りは深い霧に包まれていました。村には、昼間だというのに人の気配は無く、村の周囲を区切る柵から見ると、幾つかの木造の家屋はバラバラに壊されていて、霧の向こうには乳白色の家ほどもある大きさの何かがありました。その光景を見て恐ろしくなったヴァグナーは、すぐ隊商を引き返し、急いでバータータウンに帰ってきたのです。それが、二日前の事です。

何か恐ろしい事が、ナークの村に起こった事は間違い無いとヴァグナーは言い、PC達をナークの村を襲った事件を解決する為に雇いたいと言ってきます。彼は、この依頼を引き受けてくれた人間には、前金として一人30銀貨払い、事件を解決してくれれば、更に一人120銀貨を払うと提案します。また、返してくれる事を条件でナークの村まで早く行ける様に乗用馬も貸そうと提案します。

この条件は、そんなに悪いものでは無いと思いますが、もしPC達が引き上げを要求するようでしたら、1.5倍までなら前金と報酬の引き上げに応じます。それ以上を要求するようでしたら、ディガを利用して、実績の無いアデプトが欲を張ると協力者がいなくなる事を諭してあげましょう。

何が起こったかをヴァグナーの話から手掛かりを得たいPCもいるでしょうが、現時点では、余りに話が断片的過ぎて、PCが物事を特定する事は不可能です。依頼を引き受けたら、すぐ行動を起こす事をヴァグナーは望みます。つまり、ナークの村に向かう事です。

シーン2:霧の中の山村

ナークの村までは、二日後の昼頃には到着します。
空は曇りがちで今にも雨が降ってきそうです。ジメジメとした山道をナーク村に向かって馬で移動しているPC達ですが、ふと気が付くと、霧が濃くなってくる事に気が付きます。(これは、ただの自然現象です)
霧の為に視界はかなり悪くなっています。(基本ルールブック209ページの視界表で言うと遠距離30ヤード/中距離15ヤード/近距離5ヤードです)更に進んでいくと、山道は、東から西へと続いていて、ナーク村を囲む柵の南東にぶつかります。

そこから見える光景は、ヴァグナーの言っていた光景と寸分変わる事はありません。
ナーク村は、人口40人から50人程のとても小さな山村で、直径100m程のいびつな円形の柵の中に十数棟の木造の家が建ち並んでいます。(木造といっても、藁と丸太で作られた竪穴式住居みたいのを想像して下さい)
ただ、視界が悪い為、村の入口の柵から見えるのは、二、三軒の家屋がバラバラに破壊された様子で、奥の方にうっすらと家ほども大きさもある白い卵の様な物が見えます。周囲に音はせず、人の気配もありません。

 【ここで事件の真相を】

この事件は、ジェフスラというホラーによって作られた魔法生物(ホラーコンストラクトと呼ばれます)が、ナーク村を襲ったという事件です。ジェフスラは、村を夜の内に襲い、全ての村人を倒しました。このジェフスラは、通常のジェフスラに加えて「眠りの息」という能力を持っています。

【眠りの息】
この能力を使う為には、ジェフスラは、目標に組みついていなければなりません。(基本ルールブック194ページ「格闘」参照)組みついている目標の呪文防御値に対して「呪文行使テスト」を行って下さい。成功すると、ダメージを与える事はありませんが、目標は、丸一日昏倒してしまいます。負傷を与える程の強いダメージを与えれば起きますが、そうでもなければ引きずったりしたぐらいでは、眠りの息の影響下の人間は目を覚ます事はありません。

ナークの村人の何人かは、このジェフスラと勇敢に戦った結果惨殺され、残りの人間は、ジェフスラの「食料」として「眠りの息」の影響下の下、ジェフスラが作り上げた繭の中で眠りに就いています。ジェフスラは、頭が良く、現在は村の人間を、ナーク村から南西数キロ離れた洞穴に少しづつ運んでいます。(このまま村を放っておけば、いつかは異変を感づかれてしまうと考えているのです)

さて、そのまま立っていても何も起こらないので(実際は、少しすれば洞穴から眠った人間を運ぶ為にジェフスラが帰ってくるのですが)、PC達は行動を起こすでしょう。村を探索して分かる状況は、以下の通りです。

  • 破壊された家屋のを調べていると、幾つかの血溜りと言っても良い程の大きな血痕を発見します。しかし、その血痕の主は、ありません。(判定不要)
  • 村は、長年、沢山の人々が住んでいた為、地面は踏み固められ、足跡を探すのは、不可能です。
  • 村の南の柵が破壊されています。南の柵の外の地面を調べた場合、難易度6の知覚テストを行わせて下さい。(基本ルールブック238ページ参照)成功度によって幾つかの事が分かります。
    • 【6以上:並】明らかに人の形ではない足跡が存在する。形は大きく、指は三本といった所。ただ、まばらにあり、どこからどこに向かっているか、足跡の付けた主の特徴は不明。
    • 【10以上:良】上記の事に加え、足跡は、まばらな感じだが、南西の方に続いている事が分かる。
    • 【13以上:優】上記の事に加え、足跡の持ち主は八本足の持ち主である事が分かる。また、何回も村と南西の方を往復している事も分かる。
    • 【17以上:最良】上記の事に加え、足跡の幅と深さから通常の生物の体であれば(オブシディマン等以外という事)、高さ2mから2.5m、体長も同じくらいの「何か」という事が分かる。
  • 村の東の柵より見えた白い卵の様な物は、白い糸で覆われた家屋です。近づくとまるで繭の様に見えるそれは、村の中央に、もう一つ存在しています。東の繭は、完全に白い糸で覆われていますが、村の中央の繭は、直径3m程の穴が空いていて、そこに眠っている数人の村人がいます。全員、ヒューマンで、その中の一人は、テッセナです。ちなみに、東の繭には、20人程の村人が眠らされています。白い糸は、そんなに頑強ではなく、剣で切っても少し粘つきますが、切る事ができます。

テッセナとPC達が会う事ができれば、テッセナから事の次第を聞く事ができます。
ただ、テッセナは、村を襲った存在が、「何」であるかと、その目的に関しては、知りません。PCが、テッセナから得られる事ができるのは、ジェフスラの外見と「眠りの雲」「氷の網」の能力だけです。(それ以外の二つの能力は、村を襲った時には、ジェフスラは使っていません)

テッセナからジェフスラの外見と能力に関して話を聞いたPC達に、知識テスト(基本ルールブック115ページ)を使って判定をさせて下さい。持っている知識スキルによって難易度は異なるでしょう。以下に示します。
また、得られる情報も微妙に変化させると良いと思います。アースドーンのシステムに於いて、知識スキルは、杓子定規では無く、幅広く利用する様に示されていますので、各GMは、ここに書かれている事に囚われる必要も無いと思います。

難易度:5

技能名 関連 目標値
クリーチャー伝承 関係のある知識 【並】以上
ホラー 関係のある知識 【並】以上
<大災厄>の歴史 やや関係のある知識 【良】以上
伝説と英雄 やや関係のある知識 【良】以上
バーセイブの歴史 全般的な知識 【最良】以上

成功の度合いによって、ジェフスラの説明を各キャラクターにして下さい。

シーン3:霧の中の怪物

さて、テッセナから話を聞き、知識テストの判定による結果をお互いに吟味している時、その場の全てのPC達に知覚テストをやらせて下さい。
その時、繭(家)の中で話していたなら、家の中にいたPC達は、知覚に−4の修正を加えて、家の外にいるキャラクターは、修正−2でテストをして下さい。
目標値は、5です。繭(家)の外で話していた場合は、全員、修正−2です。

突然、霧に紛れ、家屋の脇から、ジェフスラが襲い掛かってきます!!

先程の判定に失敗したキャラクターは、不意討ち(基本ルールブック198ページ)をされてしまいます。
さぁ、戦闘です。基本ルールブック188ページから書かれている説明に従いながら、またジェフスラの説明のページを参照しながら、状況を確認しつつ戦闘を行って下さい。

基本的なパターンとしては、以下の戦法でジェフスラは戦います。

  • まず、離れた場所から「氷の網」を使ってキャラクターの戦闘力を奪う。
  • キャラクターが襲い掛かってきたら組みつきを試みる。成功すれば、次のラウンドに「眠りの息」を組みついたキャラクターに対して使う。
  • もしくは、自分の腕に「切り裂き」を生やし、殴る。
  • 負けそうになったら、「鉄の網」を使って逃げる。

ジェフスラが死ぬと戦闘は終了します。
ジェフスラを逃がしてしまった場合、ジェフスラは、洞窟に向かって逃げるので、まだ食われていない村人を救う為にもこのままジェフスラを逃がす訳にはいきません。

シーン4:南西の洞窟

ジェフスラを逃がしてしまった場合は、ジェフスラはこの洞窟に逃げ込んできて、洞窟に捕らえられている20人程の村人の中でも軽くて柔らかくて食べると上手そうな(彼の主観ですが)子供達を何人か見定めると、背中に背負い、逃げていきます。
この時までにジェフスラに追いついて殺す事ができなければ、もうジェフスラを見つける事はできません。

ジェフスラを村の中で殺していれば、南西の洞窟への道のりは、南の柵の付近の足跡を辿って行くしかありません。
PCが、全員、足跡を辿る事ができねば、村でも一番の狩人であるテッセナ(彼はアデプトではありません)が、足跡を辿ります。

南西の洞窟は、森に分け入ってすぐの場所にある細長い割れ目の様な場所で、自然にできたものですから、隠し扉や隠し部屋も無く、いたってシンプルな洞窟です。

もし、二〜三匹のジェフスラを出すシナリオにしている場合では、ここで、傷ついていない仲間と共にジェフスラがリターンマッチを挑んでくるでしょう。その場合は、不意討ちやキャラクターが簡単に近づけない高台から【氷の網】を使うなどはGMが考えて下さい。もしかしたら、ジェフスラは、村人を人質にとって逃げようと試みるかもしれません。

そして、南西の洞窟にて囚われの人々を救い出せば、冒険はひとまず終了です。

シーン5:そして…

村人を救う事ができれば、村人は全員、感謝の念をPC達に示します。

ひどい事件であった為、感謝の宴と洒落込む訳にはいきませんが、村が復旧次第、いずれ御礼をするとテッセナがPC達に申し出ます。(村長と忠告者は、既にジェフスラに殺されてしまっている為、信頼が厚く、村一番の狩人である彼がとりあえずの纏め役になります)

これを断るかどうかは、PC次第です。
そして、バータータウンに戻ってくれば、ヴァグナーは、約束通りの報酬を払って、テッセナの無事とPCの勇気と知恵と実力を褒め称えるでしょう。勿論、彼は、テッセナが率いるナーク村の復旧に力を貸す事は、やぶさかではないはずです。

ここで、このシナリオは終了です。

シナリオ経験点

このシナリオで手に入る伝説点は、以下の通りです。(基本ルールブック234ページ参照)

【村を救ったが、ジェフスラを逃がした場合】
・ 50点
【ジェフスラを倒し、村を救った場合】
・75点+(250÷PCの人数)+(ジェフスラの戦利品)
<ジェフスラの数を増やした場合は、75点+(ジェフスラの人数×250)÷PCの人数+(ジェフスラの戦利品)>

以上の伝説点は、<セッションの目的達成>と<クリーチャーを倒す>の要素の分です。
また、<独創的なロールプレイ>や<英雄らしい行動>に与える伝説点もGMが判断して与えて下さい。


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