シナリオ内容
シーン0:まずはキャラクターの作成から
今回のシナリオは、第2サークルのPCが5〜6人ぐらいを想定して作成してあります。
特にディシプリンによっての有利不利は無いと思います。好きな職業を選んで構いませんが、前線で戦う事ができないディシプリンがパーティ人数の半数以上になってしまうのは避けて下さい。
実際の作成方法は、以下の記述に準じて下さい。
- 「ランダム方式」でキャラクターを作成する。(三回ぐらいまで振り直しOK)また、アーキタイプから選んでしまっても良い。基本的なキャラクターの能力値等の作成方法はルールブックの記述に準ずる。
- 最初の所持経験点を1500点とする。(おおよそ、4〜5回の冒険を経験している冒険者である)条件を満たせば、所持金を気にせず既に第二サークルであってもよい。魔術師は、第二サークルの好きな呪文を三つ知っていてよい。ヒューマンの冒険者は、「万能」のタレント用に好きなディシプリンからタレントを習っていて良い。
- 最初の所持金を1000銀貨とする。刀鍛冶に鍛えられた剣を買うのは禁止。刀鍛冶は、自分で武器を鍛えていても良い。
- 冒険者達は、仲間ではなく、様々な理由でジェリスに滞在している冒険者達である。今回は、既に彼らは、クリールという名前のヒューマンの射手に雇われた所からスタートする。各自、ジェリスに来る迄の運命、そして性格を話し合う事。時間に余裕があれば、GMは、依頼を受ける経緯をマスタリングして構いません。
シーン1:ジェリスでの依頼
ジェリスは、基本ルールブック319ページに簡単な記述がありますが、西の「荒れ野」からたなびいてくる黒い霧が街を覆ってしまい、その霧が理由かどうか分かりませんが、街に住んでいる人間には活力に欠け、顔にはいつも焦燥した様な表情が浮かんでいます。突如、奇声を上げて暴れる人間や泣き崩れる人間の割合も他の街に比べ格段に多く、街の人間は、その全ての原因は「荒れ野」からの黒い霧にあると考えています。
しかし、その黒い霧を運んでいる西の「荒れ野」からの風は、飛空船にとって航海をするのに都合が良く、ジェリス付近の上空からは風のエレメンタルが採掘できる事もあって、ジェリスは飛空船を利用した交易と飛空船製造で有名な都市となっています。この街では商人が非常に大きな力を持ち、商人によって治められていると言っても過言ではありません。
PC達は、現在、「破邪の石」という名の酒場に滞在している冒険者達です。この酒場は、ジェリスでも多くの冒険者達が集まる事で有名で、「毒の森」、「荒れ地」、「ライアジ・ジャングル」、「デラリス山脈」へと冒険に向かう冒険者達が情報交換をしたり、冒険者を求める人々が訪れる活気のある酒場であり、いつも腕自慢の人間でごった返しています。普段から20人以上の客がいて、酒を飲んだり、カードや投げナイフなどに興じています。時は、バーセイブ歴1506年Ruaの月の5日の昼間、人々でごった返す「破邪の石」の角で、冒険者達は既にヒューマンの射手であるクリールから冒険の依頼を受けたばかりなのです。
PC達が請け負った冒険の内容は、クリールが手にしている魔法の短剣の鍵知識を求める旅に同行してもらうというものです。その短剣は、彼の親友だった理論魔術師が持っていたもので、その親友は「毒の森」での冒険の際に亡くなりました。
毒の森」は、ジェリスの西に広がる「荒れ野」から漏れる黒い霧を食い止めている南北に伸びている森林で、その中には「荒れ野」に巣食う恐ろしい怪物が徘徊していたり、黒い霧を長年防ぎ続けた影響か、生きたまま体が溶け、腐り落ちている怪物などが多数生息しています。その名の通り、生える植物達は痩せ細り、毒を持った植物の数は数知れません。クリールの親友であったオブシディマンの理論魔術師カドォルンは、毒の森の怪物に襲われ生きたまま体を溶かされ死にました。
彼は、友人の短剣を受け継ぎ、その歴史を探ろうとしているのです。ジェリスの魔法使いに調べてもらった所、短剣の次の鍵知識は、「製作者の名前」でした。彼は苦労して、短剣は、ジェリスの南東に位置する「ソマー」という村のケーアに住んでいた異界魔術師によって作られたらしい事を突き止めたのです。しかし、その名前までは、分からなかった為、その村に行こうと彼は考えました。その村までは距離がある上に「ライアジ・ジャングル」の端に位置していて、途中ではオークの馬賊が良く出るという場所です。そこで、彼は、冒険者を雇い、同行してもらう事にしたのです。
「ソマー」に向かう為には、ギリギリまで安全な街道を使って、「ライアジ・ジャングル」の西の端に位置する「アブラビート」という村に立ち寄り、そこから「ライアジ・ジャングル」の中に入って端を進みながら、最短のルートで「ソマー」に向かう予定です。予定としては以下の感じになります。
- ジェリス−(街道)−アブラビート:徒歩4日
- アブラビート−(ライアジ・ジャングル)−ソマー:徒歩3日
- ソマー(ライアジ・ジャングル)−アブラビート:徒歩3日
- アブラビート−(街道)−ジェリス:徒歩4日
報酬は、ソマーの村まで行って、ケーアに住んでいたという異界魔術師の名前を捜し求め、ジェリスに帰って来る迄の護衛です。予定では、往復14日ほど、報酬は全部で1000銀貨を用意しています。(つまり、人数が5人だったら200銀貨という事)この報酬は、前金で貰えます。交渉次第では、もっと多くの報酬を引き出す事も不可能ではありません。(しかし、最大で1200ぐらいでしょう)途中の食費等は、彼が負担します。彼は依存がなければ、明日にも出発したいといって、冒険者に酒を奢ります。
ジェリスでPC達が調べた場合に分かる事は以下の通りです。
判定が必要と書かれている情報に関しては、「難易度5」の適切な技能(交渉や知識など)での判定に成功した場合に限り教えてあげて下さい。どの技能を使ったらいいかどうかは、その場でGMが適切だと思う方で判定させて下さい。また、一部の情報は、「良」や「優」以上の達成値を出さないと知る事はできません。
【アブラビートに関して】
- ライアジ・ジャングルの西端近くにある村。人口200人程。ジェリスから徒歩で約4日。
- 最近、ジェリスから南に通じている街道にオークの馬賊達が出没するらしい。
- ソマーと唯一の交流がある村。アブラビートへ、定期的にソマーから物資を買いに来る。(判定が必要)
- 実は、ライアジ・ジャングルの「使い手」達と少なからぬ交流があると噂されている。(判定が必要/「良」の成功が必要)「使い手」達に関しては、後述を参照。
【ソマーに関して】
- 基本的にジェリスとは交流が無い為、詳しい事は不明。
- ライアジ・ジャングルの南西端に位置する小さな村。人口40人程。ジェリスから徒歩で約7日。(判定が必要/「良」の成功が必要)
- デラリス山脈に行った事のある冒険者ならば、ソマーに立ち寄った可能性がある。彼らに尋ねると、ソマーには、現在、フィトゥルというエルフの理論魔術師の「導き手」がいるらしい。(判定が必要/「優」の成功が必要)
【ライアジ・ジャングルに関して】
- 「ライアジ・ジャングル」は、緑の自然が豊かなバーセイブで最も肥沃な森と言われている。様々な熱帯に生息するような巨大な植物なども生えている。
- 「ライアジ・ジャングル」には、多くの獰猛な大型生物(トラなど)の存在していて、入り込んだ冒険者などの肉を求めて襲い掛かってくるという噂です。
- 「ライアジ・ジャングル」には、「ウサン」という名の「グレートドラゴン」が生息しています。彼は、「ライアジ・ジャングル」を自分の縄張りと考え、いつも徘徊しながらライアジ・ジャングルに忍び込んだ無知で恥知らずな侵入者達を食い殺しています。(判定が必要)
- 「ライアジ・ジャングル」には、「使い手」と呼ばれるヒューマン、エルフで構成される原始的な部族達が存在していて、森の外のネームギバーとは交流を持たず彼ら独自の文明を築いています。彼らはかなり好戦的で、「ライアジ・ジャングル」で生活をしていることから考えても高い戦闘能力を有しています。「ウサン」と仲が良いわけでは無く、「ウサン」は「使い手」を見ると外からの侵入者と変わり無い反応をします。(判定が必要/「良」の成功が必要)
GMの好みで、ミスディレクション(誤情報)を作っても良いでしょうが、あまりお勧めできません。(ただでさえ、世界情報が多いわけですから、無用な混乱を呼ぶ事は避けたいです)
シーン2:雨の中の遭遇
アブラビートまでの向かうまでに起こるイベントは、以下の通りです。
ここでは、簡単に書いていますが、各GMは、これに加えてイベントを追加しても良いですし、プレイヤーがやりたい行動を行わせてあげても良いでしょう。この行程での目的は、各PCのキャラクターロールを引き出して、積極的に楽しんでもらう事です。
[1日目(薄暗い曇り)]
・朝、皆が出発しようとする時に、街で、アデルという商人が何者かに殺されたという話が噂になる。噂になる理由は、殺された商人が力を持つ人間であるからと、体を真ん中から千切られて足がドアを蹴破り、頭が窓を突き破って死んでいた為。(ミスディレクション&ジェリスの雰囲気作りの情報です)
・道中では、特に何も起こりません。
[2日目(快晴)]
・丁度、アブラビートから帰ってくる最中の隊商との出会い。(二頭立ての馬車が三台。馬に乗った護衛の戦士達が6人程。総勢10人程の隊商)アブラビートから運んでいる果物を安値で買う事が出来る。(一つ3銅貨。赤ん坊の頭ほどもあるピンク色で薄い皮で中身は柔らかくジューシーなラケという名前の果物)
・遠くの空にエスパグラ(基本ルールブック287ページ)の群れが横切るのを見る事が出来る。これと戦闘をする事は100%ありえません。エスパグラという物が分かるかどうか判定させても良いでしょう。
[3日目(晴れときどき大雨]
・昼間は何も起こらない。
・夕方、冒険者達をスコールが襲います。視界が失う程の大雨です。その大雨に乗じてオークの馬賊達が襲い掛かってきます。【オークの馬賊達(基本ルールブックP301)<パーティの人数×2>】まず、大雨を演出して、近くに大きな木があり、そこで雨宿りが出来る事を示唆し、その後、馬車の蹄の音が聞こえるかどうかの判定をして、成功すれば迎撃の為の作戦も立てられるでしょう。気づかねばそのまま奇襲から乱戦となるでしょう。彼らは、半分以上がやられれば逃走します。(気絶した馬賊達に対する対処はプレイヤー任せですが、殺すのは別に禁じられた行為ではありません。冒険者達は、殺されかかったのですから、しかし一部死亡したオークの馬賊達の一団が再びPC達を襲う事はないだろうというのも事実です。この時出てくる馬賊達は、復讐を誓うほどの存在ではありません。)
[4日目(曇がちらほら見える晴れ)]
・昼過ぎに「アブラビート」に到着します。
シーン3:アブラビート
「アブラビート」では、「ソマー」の詳しい話を聞く事が出来ます。
アブラビートには、ソマーのケーアに住んでいた異界魔術師(つまりクリールの持つ短剣を作った人です)を知る人はいません。ただ、十年程前に村に住んでいた「ハックマン」というヒューマンの異界魔術師がホラーに操られ、村人を殺すという事件が発生し、その事件を同じく村に住んでいた理論魔術師のエルフ「フィトゥル」が解決したが、ハックマンは死んでしまったという話を聞く事が出来ます。
「ソマー」に行く為の道は、「ライアジ・ジャングル」の端です。途中に広いがなだらかな流れの河があり、いかだを作って渡らねばならない事を教えてもらえます。(その為の道具は売っています。適当な値段を交渉しながら売ってあげましょう)珍しい種族がいれば、アブラビートの子供達は寄ってきます。大人達は、夜になると冒険者達に成した冒険を話してもらいに訪れます。(その代わり、宿と食事を提供してくれます)
アブラビートの村が「使い手」と交流があるのかと尋ねると、彼らは否定します。(真相は、闇の中です)
シーン4:ライアジ・ジャングルでの遭遇
「ソマー」までの行程は以下のような感じです。
[1日目(雲が多い晴れ)]
・昼は特に何も起こりません。
・夜は、野営中の冒険者達をシャドウマント(基本ルールブックP302)が二体襲ってきます。
[2日目(パラパラと小雨)]
・「アブラビート」の村で言われた通り、大きな河に遭遇します。パラツク小雨の為、河の水は少し増量し、流れは早くなっています。いかだを作る為には、「職人スキル(基本ルールブックP118)」もしくは敏捷力で判定をします。難易度は6です。一回の判定で1時間ほどの時間が掛かり、冒険者達の人数分の成功をしなくては出来上がりません。(例:PC達+クリールが7人として、挑戦するのがそのうちの4人だった場合、最初の判定で3人が成功しました。後、4回分の成功をしなくては、いかだは出来上がりません)
・そして、いかだに乗って対岸に辿り着くのも敏捷力で判定をします。目標値は5です。これは、誰か代表者が行えばよく、3回成功すれば対岸に辿り着きます。失敗しても特に時間が掛かるだけでペナルティはありません。これは、過程としてのロールプレイを楽しむ場面として考えて下さい。あんまり遅ければ、「かなり流されて、下流の滝の音が聞こえてくる」とか「君達が通ってきた方の森が騒がしくなり、恐ろしい唸り声が空に響き渡り、動物達が駆ける様にして河に飛び込み始めた(「使い手」達に攻撃を仕掛けている「ウサン」の咆哮です)。キャンペーンシナリオにシフトするつもりではない限り、実際に「ウサン」や「使い手」を出すのは止めて下さい(プレイ時間が足りなくなるからです)。キャンペーンにシフトするつもりであれば、GMが自らネタを考えて容易にキャンペーンに繋げる事ができるでしょう。(クリールの持つ魔法の短剣と「ウサン」に関係があった等)
・夜は、何も起こりません。
[3日目(ジメジメと暑い湿気のある曇りがちな晴れ)]
・昼頃、冒険者達はソマーに到着します。
シーン5:荒らされた村、ソマー
「ソマー」に到着すると、8〜10棟ほどある家の多くは激しい戦闘によって傷ついています。
村は無残にも何者かの襲撃を受けたのです。そして、村の中央には、何本もの槍で串刺しにされて無残なエルフの死骸が地面に突き立っています。これは、「レクサス」という青年の復讐によって殺されたエルフの理論魔術師「フィトゥル」です。
村を探索すると、倒壊した家の陰に8人の子供達(年齢:4歳から10歳まで)が隠れています。
彼らは、冒険者達を山賊と勘違いしていますが、事情を説明すれば理解を示してくれるでしょう。彼らに話を聞く事が出来れば、二日前に村を骸骨を被った黒いローブ姿で白い髪のヒューマンの青年と合わせて8人程のヒューマンとオークの一団が襲ったそうです。
村の導き手であった「フィトゥル」は、真っ先に殺され、村人達は、馬車に乗せられて南へと連れ去られてしまいました。村の人間は、そのヒューマンを知っている様子で「レクサス」と呼んでいました。そして、「ハックマンの復讐」という事をレクサスという青年は話していましたが、それは子供達は知りませんでした。
冒険者達は、村人が連れ去られた状況から、これはセラ帝国の奴隷狩りと思い至って構いません。
なぜ、子供達だけがここに残されたのか?
それは、レクサスの気まぐれです。子供達だけで、この村で生き残っていけるかどうかは完全に運次第ですが、レクサスは、その運命に子供達の命を懸けてみたのです(死んだとしても別に彼の心は痛みませんが)。もしかしたら、自分の昔の姿を幾ばくか投影したのかもしれません。しかし、この事は、子供達は知りません。PC達も知りようはないでしょう。
村の南を捜索すると、幾つもの蹄の跡と車輪の轍の跡を見つける事が出来ます。
発見する為の難易度(知覚力)は、「5」です。小雨の為に追うのは難しくなっていますが、その轍の跡を追う事は十分に可能です。(ちなみに馬車の一団は、人数が多いのと道がぬかるんでいる為にゆっくりと移動しているから、追いつく事も不可能ではありません)
【ここで事件の真相を】
このソマー村を襲った事件の原因は、10年前に溯ります。
当時、村には二人の魔術師がいました。二人とも大災厄の前から魔法の技を伝えてきた「導き手」で、理論魔術師のディシプリンを伝えてきたエルフの「フィトゥル」。そして、異界魔術師の技を伝えてきた魔術師であるヒューマンの「ハックマン」です。
ある日、ハックマンは、魔法の失敗からホラーマークを付けられるという失策を犯し、ホラーに利用されて村の子供達を次々に殺していったのです。その事件の真相を突き止めたフィトゥルでしたが、彼の力ではホラーを殺す為にはジェリスで雇った冒険者達の力を借り、ハックマンごと殺すしかありませんでした。
その時、彼は一つの考え違いをしました。それは、ハックマンは完全にホラーに操られて、彼の家族もホラーに操られているという考え違いです。その為に、彼は冒険者達と、ハックマンとその家族を殺すように提案しました。そこには悪意はありませんでした。しかし、その様な考え違いを犯してしまう程、当時の状況が逼迫していたのは確かです。
そして、その時、ハックマンには、妻と、10歳になる息子がいました。
死ぬまでホラーの影響と自我の狭間で苦しんでいたハックマンには、自分の息子をも殺そうとホラーの力のある提案が伸びましたが、彼はその影響を断ち切りました。だが、妻は、ホラーの影響を受けて狂い、子供の肉を食べていきるほどにまでなってしまいました。冒険者達に殺される前、ホラーに操られる前に、残された最後の力を使って、ハックマンは自分の息子をホラーと冒険者の手の届かない所に逃がしました。そして、彼は死にました。冒険者達に殺されたのです。その時、ホラーも、ハックマンの妻も殺されました。
静寂に包まれたデラリス山脈を歩き続け、草や小さな獣を食らって生きた息子は、近くで野営をしていたセラ帝国の飛空船に捕まり、奴隷としての人生を余儀無くされました。異界魔術師の奴隷として買われた彼は、非常に幸運にも生け贄や実験体に使われる事無く、才能を認められて彼の弟子として異界魔術師としての人生を送る事になりました。それから幾年かの時が過ぎ、彼は自分の裁量で幾つかの事が成せられるようになりました。その時、彼は一つ、しなければならない事を思い出しました。
それは復讐。
ハックマンの息子であるその男の名前は、「レクサス」といいました。
彼は、セラの奴隷狩りの一団の隊長として「ソマー」を襲ったのです。
シーン6:デラリス山脈の麓にて
冒険者達は、レクサス率いる傭兵団が、デラリス山脈の麓に待たしている奴隷商人の飛空船に到着する前に襲撃して、村人を救わなくてはなりません。飛空船にレクサスが到着してしまえば、冒険者達に勝つ見込みが無いからです。
[1日目(風が強い晴れ)]
・この日は何も起こりません。
・夜中も強行軍で歩く必要があるでしょう。(しかし、強行軍をするのであれば、「負傷」が1点入ります)
[2日目(パラパラと小雨)]
・強行軍をするのであれば、昼過ぎ、そうでなければ夕方頃に4頭立ての馬車二台に村人をぎゅうぎゅうに載せた一団に追いつきます。オークとヒューマンの一団が8人。一人のヒューマンの青年は、白い髪に何かの頭蓋骨を頭に被り、黒いローブを身に纏っています。他の7人は、それぞれが屈強な剣と鎧に身を包み、2人は馬車を操り、残りの5人は馬に乗っています。彼らはアデプトではないようですが、手練れの戦士には間違い無い様に見えます。
・彼らは、夜になると、高さ5mほどの岩棚を背にして、馬車で囲むように野営をします。見張りは、3交代で、二人(レクサス含む)、三人、三人の順番です。鎧は着て寝ます。この状況下でどうするかはPC次第です。しかし、次の日になってしまえば、馬車は飛空船に到着してしまいます。(そうすれば、PC達に勝ち目はありません)
【馬車の編成(昼間)】
レクサス
↓
◆ ◆ □ □ ◆ ◆ ◆ ◆ 南←
↑
馬車(御者×2人)
【馬車の編成(昼間〜夜)】
∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
>||□||←馬 南
> ||□←馬車 ↑
> △△
> △△←テント
崖> ◆←見張り <<<<
> ◆◎◆ <<<<
> ↑野営のたき火 <<<
> <<<
>> <<<
>>> <<<
>>>> <<<
>>> <<<
(↓50ヤードほど真っ直ぐ道が続く)
ちなみに野営をしている辺りの窪地の広場の広さは、50×50ヤード程です。
周囲の壁の高さは、東の壁が30フィート程、西の壁が20フィート程です。戦闘をするのであれば、昼間の移動中に奇襲をするのが最も効果的でしょう。(人数がばらけているのと、御者をしている人間もいる為)
野営をしてしまった場合は、夕方から夜まで待つのが得策でしょう。(昼間は全員起きているからです)
また、馬鹿正直に真正面の北から突撃すれば、相手に準備をする時間を与えてしまう為、何とかして気を逸らす必要があります。その為には、先回りして南西の方から襲い掛かるか、崖を登って回り込み、崖を飛び降りて奇襲を掛けるかが効果的でしょう。崖を降りる時のダメージに関しては、「基本ルールブック202ページ」に掲載されています。
際に戦闘になれば、双方、総力戦になるでしょう。セラの傭兵団は、レクサスが殺され、残り一人か二人になるまで降伏しようとはしません。彼らは、バーセイブの南西の「ヴィヴェイン(基本ルールブック319ページ)」にて雇われた傭兵達です。また、レクサスは、別に高らかに自分の正当性をアデプト達に喋り始めてから戦闘を行うような輩ではありません。PC達が、戦闘と共に話し掛ければ、何らかの返答をするでしょうが。
戦闘に関しては、この戦闘が不利である事を早いラウンドで察したレクサスは、「同盟精霊」を召喚します。これは、PC達が不利であるようでしたらGMは、行わない様にして下さい。未訳のサプリメントに掲載されている第5サークル以上に達した死霊魔術師の能力であり、弱い力ではないですから、下手をすると全滅してしまう怖れがあるからです。
シーン6:大災厄の歪みと共に
レスサスを倒し、傭兵団を壊滅状態に追い込めば、PC達の勝利です。
鉄格子で囲まれた護送用の馬車に囚われたソマー村の村人達は全員無傷で救出する事ができます。
まだPC達が事件の真相を知る事が無かったのなら、村人達の口を通じてレクサスの復讐の理由を語る機会を設けると良いでしょう。
ソマー村の導き手であった人間は死んでしまいましたが、ソマー村に戻れば、彼らの所持していた書物から、クリールの捜し求めていた魔法の短剣の製作者の名前は知る事ができます。魔法の短剣の製作者は、「エステカ=オリバール」。500年前の大災厄の前にバーセイブ西方に生きた偉大なる死霊魔術師の名です。
魔法の短剣の製作者の名前を知る事ができれば、PC達は、ジェリスに向かって帰路につく事になります。帰りの道中では、特に語るべき大きな出来事は起こりません。蛇足にもなり兼ねないので、このシナリオ自体は、PC達が「ソマー」の村を出発する事で、終わらせてしまっても良いでしょう。
「君達は、未だ残骸などが幾つも残されたソマー村を後にして、北に向かって歩き始めた。目の前には、鮮やかな緑に包まれた広大なライアジ・ジャングルの姿が見える。ジェリスに戻れば、今度はどんな冒険が待っているのだろうか?クリールの持つ短剣の次の秘密を求める事になるのだろうか?そんな事を考え、足を踏み出し続ける君達の耳に、ソマー村の子供達の君らを呼ぶ声が聞こえてきた。ソマー村で君達の名は、これから語り継がれる事になるだろう、レクサスという復讐に駆られた男の名前と共に。空は、青く晴れ、幾ばくかぶりの清々しさを運んできた。君達の冒険は、伝説となるべくまだ続くのだろう」
そして、このシナリオはおしまいです。
シナリオ経験点
このシナリオで手に入る伝説点は、以下の通りです。(基本ルールブック234ページ参照)
【セラの奴隷狩りの傭兵団を撃退し、村人を救うのに成功した場合】
・ 100点
【クリールが死ぬ事無く、魔法の短剣の製作者の名前を明らかにする事ができた場合】
・ 100点
【モンスターを撃退した経験点】
・オークの馬賊の人数×50÷(PC達の人数+クリール)
・シャドウマント×2÷(PC達の人数+クリール)
・600点(セラの奴隷狩りの傭兵団)÷(PC達の人数+クリール)
<レクサスは、魔術書を所持しています。死霊魔術師には、素晴らしい宝でしょうし、そうでなくともジェリスに滞在している死霊魔術師や商人に売るという事も可能でしょう>
以上の伝説点は、<セッションの目的達成>と<クリーチャーを倒す>の要素の分です。
また、<独創的なロールプレイ>や<英雄らしい行動>に与える伝説点もGMが判断して与えて下さい。 |