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「フェン!......フェン!!」
苦痛でぼんやりとしていた私の意識が友人の叫びを受け止める。
声が聞こえるという事は、私はまだこの世界にいる。
「何だってこんな事をしたんだ!フェン。」
友の涙声と叫びを聞きながら私は自分の体を改めて看た。
ひどいものだ。右腕はあらぬ方向へ曲がり原形を留めぬほどグシャグシャ。服は、ボロボロで、足の方も感覚が無い。おそらく、右腕とそう大して変わらぬ事になっているのだろう。腹部からも終わる事の無い鈍痛が響き、温かいものが自分の体の中から流れ出しているのがわかる。
「ああ、生きているんだな。私は。」
そう言って、友に体を支えられた私は前を見た。
終わってない。私の魔法は、全てを終わるには至らなかった。
「なんて事を言うんだ、フェン!当たり前だ。早く、逃げるぞ」
友は、私の体を抱えながら、その場から何とか立ち去ろうとした。
だが、私の体は、彼が支えながら逃げるのには重く、私も逃げようなどとは考えてはいなかった。
「生きている事を感謝しよう・・・・・・まだ、いけるって事だから」
友の目が見開かれる。
私は確信していた。もう一度、魔法を唱えれば、今度こそ、私は完全に終わりだろうという事を。
そして、こうも確信していた。
もう一度、魔法を唱えれば、全てが果たせるだろうという事を。
目的を遂げずに死ぬではなく、目的を遂げて死ねる事に私は感謝したかった。
死ぬ事よりも、今の私には目的の方が随分と大事だったから。
「まだ、いける?お前、自分の体をわかっているのか!?」
「・・・ありがとう。でも、私は、やらなきゃ」
全てを失う事無く、私は目的を達せられるのだ。
心からの友を得られ、目的をも達成できる私は、この世でなんと幸せであっただろう。
それは、自分の人生、能力を考えれば、大した僥倖だったのだから。
「ありがとう」
そう、言葉が口をついてでた。
顔をクシャクシャに歪めて、涙を浮かべ、私を支え、声をかけてくれている目の前の友に。
そして、私は言葉を紡ぎ始めた。
私にしかできない、私の人生の目的を達成する為に。
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