| ソードワールドRPG 目安◆プレイ多/マスター10回弱/ルール所有 グループSNEが発売したファンタジーRPGです。判定に使うダイスを2d6で統一し、シンプルなクリティカルとファンブルが画期的でした。 文庫本で発売され、その値段の安さとサポートの良さで、日本で最も遊ばれるRPGとなりました。現在はソードワールド完全版も出版されています。 1◆世界観 冒険者となり洞窟を探検したり、魔物を倒したり、宝物を手に入れたり、というオーソドックスなタイプのファンタジーRPGです。 リプレイや書籍等でサポートされているアレクラスト大陸が、一般に広く遊ばれているようです。未完成なマップなので、手を加えやすいところが受けているのかもしれません。 宗教がいくつかあり、その宗教毎の特殊呪文なども面白い部分です。ただ、それがオリジナルワールドで使いづらい、という意見もあります。 ◎リプレイなどの出版物が多いので、ルールを覚えやすい。 ○日本産のゲームなので、長くサポートが続いている。 △世界観が軽すぎて馴染めない人もいる。 △宗教別に魔法が違うので、オリジナルワールドで使いにくい。 2◆キャラクター作成 まず種族を、人間、エルフ、ハーフエルフ、ドワーフ、グラスランナーの中から選び、種族ごとに決められた能力値表に沿ってダイスを振ります。 あとは、元々持っている経験点を消費して、技能を取っていきます。技能にはファイター(戦士)、プリースト(僧侶)、ソーサラー(魔法使い)、シャーマン(精霊使い)、シーフ(盗賊)、レンジャー(野伏)、バード(吟遊詩人)、セージ(賢者)があります。 種族によって、基本的に持っている技能及び取得出来ない技能がありますが、複数の技能を同時に取ることが可能なため、魔法戦士なども簡単に作成できます。スキル制RPGの中でもシンプルな作成方法ですが、個性を表現するには充分であるため、なかなか面白いと思います。 技能レベルで最も高いレベルが“冒険者レベル”です。冒険者レベルが高いといろいろな判定が有利になります。 ◎PC作成がわりと簡単。 ◎シンプルな技能選択でオリジナリティのあるPCが出来る。 ○最初からそれなりに強いので、死亡しにくい。 △まず種族を決めないと、PCを作り始めることが出来ない。 △バードとセージも冒険者技能なのが納得できない。 技能や能力値に合う武器防具等を買い、装備によって判定表を埋めていきます。スペルユーザーは装備できない武器防具があったり、潜伏できる技能では筋力の半分までしか持てないようになっています。 装備を整えたら、装備の強さや能力値ボーナス、技能レベルを判定表に記入して完成させます。判定に必要なレーティング表も書き写しておきます。 完全版のルールブックでは、キャラクターシート作成の記述のとおりに進めていくと、中途半端なところで次の項目を見失います。完全版を読む人はほとんど文庫版の経験者だから気がつかなかったのかもしれませんが、文庫版のように記入一覧表があれば良いのにな。 ◎能力値が持てる武器の重さに影響する。 ○筋力が低くても持てる装備が多く、選ぶ楽しさがある。 △判定表への書き込み方が覚えにくい。 3◆戦闘ルール 攻撃力として2d6に戦闘レベルと能力値ボーナスを足し、敵の回避力と照らし合わせ、それを上回ったら攻撃成功。打撃力として2d6とレーティングと照らし合わせ、それに戦闘レベルと能力値ボーナスを足して、敵の防御力を引いた数値がダメージになります。 敵の攻撃が来たら、回避力として2d6に戦闘レベルと能力値ボーナスを足し、敵の攻撃力と照らし合わせます。それを下回ったら、防御力として2d6とレーティングと照らし合わせ、それに冒険者レベルを足して、敵の打撃力から引いた数値がダメージになります。 6ゾロだとクリティカル(完全成功)です。武器によっては打撃力のクリティカル値が低い場合もあります。クリティカルしている間は、ダイスを振り足します。1ゾロだとファンブル(完全失敗)です。 クリティカルがあるので、弱いPCでも「もしかしたら……」と思わせるところが楽しいですね。 ◎全て2d6なので、振るダイスを迷わない。 ◎クリティカル・ファンブルで楽しさを増している。 ○能力値が装備に反映し、武器ごとに特徴がある。 △レーティングを見るのが面倒。 ×判定表が見にくく、どの数字が何か覚えにくい。 ×足し算引き算が多くて大変。 4◆魔法ルール 使いたい魔法の基本消費点を自分の魔法技能レベルで割った数値が、消費精神点になります。つまり、レベルが上がると低レベル呪文を使える回数が増えるというわけです。 平たく言うとMP制なので、咄嗟に使う魔法を選べるのが魅力です。ただし、あまり個性的な魔法は少なく、多く精神点を消費して行う魔法の拡大が一番盛り上がるようです。 魔法は、魔法攻撃力として2d6に魔力を足し、敵の精神抵抗値と照らし合わせ、それを上回ったら魔法成功。攻撃魔法なら、2d6とレーティングと照らし合わせ、それに魔力を足して、敵の冒険者レベルを引いた数値がダメージになります。抵抗されない呪文は、1ゾロ以外成功です。 敵の魔法は、精神抵抗値として2d6に精神抵抗力を足し、敵の魔法攻撃力と照らし合わせます。それを下回ったら、敵の魔法攻撃力から冒険者レベルを引いた数値がダメージになります。 ソーサラーは鎧を着ることが出来ず、シャーマンは金属鎧を装備出来ない等、制限がありますが、その他の部分はわりと自由度が高いと思います。 ソーサラーは呪文を唱える場合、両手が塞がってはいけないので、武器をしまわなければなりませんが、装備出来ないわけではありません。シャーマンは片手が開いていれば呪文が唱えられます。プリーストは棒状の武器(剣含む)なら装備できます。 ◎全て2d6なので、振るダイスを迷わない。 ◎クリティカル・ファンブルで楽しさを増している。 ◎魔法の拡大により、遊び方に幅が出る。 ○装備の制限が少ないので、武器選びが楽しみ。 △魔法の使い応えがあまりない。 △レーティングを見るのが面倒。 ×足し算引き算が多くて大変。 5◆判定ルール 諸判定は、特殊な行動であれば、2d6+対応技能レベル+対応能力値ボーナスで、冒険者なら出来ることであれば、2d6+冒険者レベル+対応能力値ボーナスで判定します。それがマスターの提示する達成値よりも高いと成功になります。 対応技能がなくとも、2d6のみ(平目)を振ることは可能です。例により、6ゾロは完全成功、1ゾロは完全失敗になります。この諸判定は統一性があり、覚えやすくてとても良いと思います。 シーフのアクロバット等、技能毎に特殊能力があり、それを全て覚えるのはちょっと大変かもしれませんが、ゲームに幅を持たせるには楽しいと思います。 ◎全て2d6なので、振るダイスを迷わない。 ◎クリティカル・ファンブルで楽しさを増している。 ○単純な目の比べ合いなので、覚えやすい。 ○特殊能力が面白そう。 △対応技能がちょっぴり覚えにくい。 6◆レベルアップ ミッションクリア(目標達成)制で一般的のようです。1回のゲームが終わると規定の経験値を得ることが出来、それを消費して技能のレベルを伸ばしたり、新たな技能を覚えたりすることが出来ます。 レベルアップしても生命点や精神点は(経験点を費やさない限り)同じままで、「減る量が減る」という考え方になっています。それもあって、最大レベルは10。これ以上はやはり無理なのかな? ちなみに、1ゾロを振ると経験点を10点もらえます。これはゲームに積極的に参加しているという特別ボーナスとのこと。これにより、失敗を恐れずに遊べます(?)。 ◎いろいろな技能を覚えられるので、育てる楽しみがある。 ○1ゾロでもらえるボーナスは、何だか新鮮。 ×最高レベルが10レベルなので、限界が来やすい。 7◆マスターリング モンスター表には固定値(ダイスを振らなくても良いもの)と、基本値(2d6を足すもの)の2種類が用意されており、使い分けることも可能です。固定値を使うと、マスターの負担が非常に軽くなります。 ただ、防御力が高いと敵で固定値を使うと戦闘が非常に長引きます。しかも、ほんの少しの差で手足も出なくなったりもするので、雑魚敵は固定値、ラスボスはダイス目を使用、というように使い分けた方が無難かもしれません。 諸判定に関しては、技能別能力を覚えるのが少々難関かもしれませんが、判定法が統一されているので分かりやすいです。(わたしは持っていないですが)マスタースクリーンには技能能力表が記載されており、楽に補えるようです。 他のRPGならマスターの裁量で決まることも、ルールブックにわりと細かく記載されています。ただ、それに沿って使用すると常識的に考えられないような現象が起こる場合もあったりします。 ◎敵表記が2種類あり、好みで使い分けられる。 ◎マスターの負担が徹底的に少ない。 ○ルールがすでに知れ渡っているので、説明が少なくて済む。 △時々破錠してるルールがある。 8◆その他 ソードワールドはライトなRPGを目指しているためか、移動速度などがほとんど念頭に置かれていません。もちろんプレイヤーの常識範囲でのことですが、装備も持ち放題になっています。 移動は1ラウンドに敏捷度メートル移動できます。人間だと4〜24メートル、平均値で14メートルも動けるため、フロアタイルなどを使用した戦闘には不向きです。全力疾走だと、さらにその3倍の距離まで動けるので、戦略的後退もしにくいです。 ○移動速度を重視しないため、初心者でも遊びやすい。 ×PCの現在位置のイメージが掴みにくい。 ソードワールドは、精神的制限があまりありません。種族によるいがみ合いもほとんどないようです。 技能的に精神的制限があるのは、プリーストくらいでしょうか。その中でもプレイ中に葛藤が強そうなのは、「悪人とモンスターはすべて敵」と考えるファリス神官と、平和主義のマーファ神官程度かもしれません。 しかし、プリーストもシーフ技能を持つことが出来たりしますし、あまり制限にはなっていないと思います。 精神的制限の少なさについては、無難すぎる気がしますが、自由度が高いというメリットの他に、PCの設定やルールを建前にして暴走する勘違いプレイヤーの発生を押さえよう、という制作者の意図が隠れているような気もします。その手のプレイヤーは、どんなルールであろうと暴走しますけどね。 ◎覚えることが少なく、自由度が高い。 ○ルールを建前にして暴走するプレイヤーを減らす。 ×PC的葛藤が少なすぎて、物足りない。 9◆総括 RPGを世の中に広めたという部分では、ソードワールドは日本で最も貢献していると思います。日本産RPGなので長くサポートされていますし、リプレイや小説なども多いため、遊んでみたいと思わせるには充分な環境です。 ルールブックが安価な文庫なので本屋で簡単に購入出来ますし、全国的に流通しています。使用ダイスも6面のみなので、スーパーなどでも購入できます。多くの女性プレイヤーが、ソードワールドからRPGに足を踏み入れたのは、この利点が大きいのでしょう。 その後、完全版が出版されましたが、ハードカバーでサイズも大きく、文庫に比べると高いので、利点がやや薄れた気もします。 ルールはマスターの負担を徹底的に減らすように出来ており、初心者でもマスターリングしやすいと思います。諸判定方法も統一されているため、難易度も感覚的に分かりやすいです。この辺りも、RPGプレイヤーを増やした要因じゃないでしょうか。 簡単な技能制でPCに幅を持たせることが出来ますし、シンプルなクリティカル・ファンブル制により、プレイヤーの満足感も強く満たされると思います。ファンブルに経験点を与えるという方法も、アメとムチ的で上手な方法ですね(笑)。 というように、メリットの多いソードワールドですが、メリットはデメリットでもあります。2d6にこだわっているために、レーティング表が導入されていますが、これが苦手だという人も数多くいます。 あと、2dを足して、技能と能力値ボーナスを足して……というように、単純計算が多くて面倒です。 それから、あくまでライトに作られているため、本格的なファンタジーからは、少々離れているように思います。制限が少なく、ノリ重視のプレイヤーが増えました。昔ながらのRPGプレイヤーが物足りないと思うのは、特にこのあたりかもしれません。 --- 個人的感想 わたしは思う。公文かそろばんに通っていれば、ソードワールドはもっと楽しめただろうなあ、と(笑)。 繰り上がり・繰り下がりの暗算が出来ないわたしにとって、クリティカルが最大の苦痛です。レーティング表を眺めていると、持病のしゃくが(笑)。何だかメチャクチャ損してる気がします。ぢぐじょ〜。 ソードワールドはなかなか良いルールだと思います。D&Dのパラディンにあたる“戦士+僧侶”がアッという間に作れるのは、感動しました。 D&Dなどではどうしても不可能だった「こういうのがやってみたい」的なものが、技能以外にも多く盛り込まれており、コンピューターゲームのプレイヤーに「面白そう」と思わせるポイントが高いと思います。 コンピューターRPGがD&Dから派生したのに対し、ソードワールドはコンピューターRPG等から派生したのかもしれません。 なわけで、RPGとしての敷居が低く、みんなで和気あいあい遊ぶにはソードワールドは最適でしょうね。 ちなみに、ライトな傾向のRPGながら、文庫版でも完全版でもルールブックのイラストに漫画チックなイラストを使わなかったところは、個人的にものすごく評価高いです。 その代わり、ワールドガイド等で漫画チックな絵になってますが……読者層を広げるという点では良かったのかもしれません。賛否両論でしょうけどね。 ものすごーく個人的な意見ですが、リプレイ信者が多すぎて、コンベンションだとちょっと遊びづらいかな。リプレイを参考にしてもいいと思うけど、リプレイのPCを真似したってつまらないと思う。 特に、バブリーズ信者は始末が悪いです。あんなバブルゲームを実際にやられたら、マスターはたまらんと思うデス。たしかに物語は波瀾万丈の上、色々なシチュエーションを駆使してるので面白いし、資料としても優秀ですけどね。それはマスターの努力だと思う〜。 第1部は、PC全員が何だかほのぼのしてて、シナリオも心にグッとくるものがあって結構好き。あれでソードワールドの方向性が決まったという噂も。ただ、魔法使いの能力値の低さが今見るとすごすぎて、いいのかこれで、と思わないでもない。面白いけど(笑)。 |