| ダンジョンズ&ドラゴンズ 目安◆プレイ最多/マスター10回弱/ルール所有 TSR社が発売した、世界で最初のRPGです。日本では新和という会社が発行しました。レベルによってルールブックが違い、赤・青・緑・黒・金の箱で売られていました。 その後、電撃文庫から文庫版として発売されましたが、それ以降のサポートは打ち切られているようです。 1◆世界観 D&Dは、中世ヨーロッパをモチーフにしたファンタジーRPG。洞窟に巣くう魔物を倒し、宝物を持ち帰る──というシンプルなところから出発していますが、様々なシチュエーションに対応出来るようになっています。 ルール記載のモンスターが多いことで有名ですが、アメリカで発売されているサプリメントの数も膨大です。話によると、冒険者引退後の生活ができるほど、事細やかな資料があるそうです。ただ、残念ながらほとんどが翻訳されていません。やっぱり英語だと敷居が高いですねぇ……。 サプリメントは多いですが、柔軟に対応できるプレーンなルールなので、ライトにもヘビーにも遊べます。 ◎サプリメントが異様に豊富。 ○オリジナルワールドにも流用しやすい。 △情報が膨大すぎて、やや躊躇する。 ×英語が読めない。 2◆キャラクター作成 PCのクラス(職業)は、ファイター(戦士)、マジックユーザー(魔法使い)、クレリック(僧侶)、シーフ(盗賊)の4つ。それにデミヒューマン(異種族)のエルフ、ドワーフ、ハーフリングの3つが加わります。 エルフは魔法の使えるファイター、ドワーフは屈強なファイター、ハーフリングは素早いファイター、という感じです。ファイターならば4種類の中から選べるということですね。 ◎クラス制なので、役割分担が分かりやすい。 △クラスの数が少なく、選び甲斐がやや乏しい。 ×種族もクラスのひとつなので、なんか不思議。 D&DのPC作成は、6つの能力値を3d6で決めます。HP(生命点)は、レベル毎に決められたダイスを振り、体力の修正値を加えます。ファイター系はHPが多く、マジックユーザーとシーフはHPが少なくなります。 それから、クラス、レベル、装備などから割り出されるTHAC0(攻撃表)、ST表(特殊判定表)、AC(鎧の堅さ)を記入するだけなので、簡単です。 後は、マジックユーザーとエルフは魔法、クレリックは魔法とターンアンデット表、シーフはシーフ能力(鍵開けや聞き耳)の成功率をメモしておきます。 ◎PC作成に時間がかからない。 △好みの能力値にすることは出来ない。 持ち物には重さがあり、装備や貨幣を持ちすぎると動きが遅くなる、という欠点があります。頑丈だけど遅いか、軽装備だけど速いかという違いは、戦闘時に顕著に出ます。 持ち物に重さがあると、大抵はパーティー内で装備(ランタンやロープなど)を共有するという展開になると思います。つまり、PC同士の協力をさり気なく示唆してるとも言えますね。 計算がちょっと面倒で、キャラクター作成時に最も時間がかかる部分でもあるので、初心者がいる時には重量制限を省くと、より簡単に遊びやすくなるかもしれません。 ◎シュミレーションゲーム的な遊び方も出来る。 ◎パーティー内の協力・分担を促進する。 ○装備の重さを感じ、想像力の手助けになる。 △宝物を持ちきれない場合がある。 △行動に制限が出てくる。 ×計算が面倒。 3◆戦闘ルール 戦闘が始まると、まずマスターとプレイヤーでダイスを振り合い、出目の大きい方がイニシアティブ(先制権)を取ります。選択ルールだと、個人イニシアティブの場合もあります。 自分の攻撃の番が来たら20面ダイスを振り、THAC0表と照らし合わせて攻撃が成功するACを割り出します。敵がそのACより下回っていれば攻撃は成功。武器に割り当てられたダイスを振り、それを敵のHPから引いていきます。 ◎戦闘に時間がかからない。 ◎ダイス+能力値ボーナス=ダメージで、分かりやすい。 ◎敵のデータがとにかく多く、飽きない。 ○ヒットロールとダメージでダイスが違い、覚えやすい。 △防具の種類が少なく、重い鎧が強いという図式がある。 △HPの削り合いなので、レベルが低い頃はかなりシビア。 △防御が出来ないので、戦闘好きには物足りないかも。 ×ACが9から0を経てマイナスになるのが感覚的に謎。 4◆魔法ルール D&Dでは「冒険の前に呪文書を読んで覚え、魔法を使うと忘れる」という特殊な方式を使用しています。レベルが上がると、使える魔法のレベルも覚えられる数も増えていきます。PCが知ってる呪文を覚えるだけでも構わないので、初心者にも使いやすいと思います。 D&Dの呪文は独特のものが多いと思います。呪文の数が増えてきたら、地味な呪文を応用して使ってみると非常に面白いでしょう。魔法の選択で個性を表現することも可能です。 ちなみに、僧侶は2レベルにならないと魔法を使えません。アンデッドターン(退魔)は特殊能力であり、魔法ではありません。 ◎呪文の種類が豊富なので、非常に面白い。 ◎初心者でも、利用しやすい魔法を覚えていれば平気。 △応用力がないと、何もしないで終わる場合もある。 ×レベルの低いうちは、あまり活躍出来ない。 5◆判定ルール 基本的な判定は3つ。1つは前述の戦闘判定。2つ目は能力値判定です。20面ダイスを振り、必要だと思われる能力値“以下”を出せば判定成功です。 3つ目は、ST判定です。毒や魔法などをくらった時、20面ダイスを振って、ST判定表“以上”の数値を出すと成功になります。 ◎基本的にシンプルなので、判定しやすい。 ×判定方法が“以上/以下”に統一されていない。 シーフは特殊なキャラクターかもしれません。シーフ技能の成功率以下を%ダイス(10面ダイスを2つ振り、1つは10の位と見る)で出せば、いろいろと複雑なことが出来るようになっています。あと、盗賊ギルドに顔を出せるのはシーフだけなので、情報係とも言えます。 ○シーフは個性的な行動が多い。 △シーフは初心者にとっては難しい知識が多い。 ×いきなり%判定かよ。 6◆レベルアップ 倒したモンスター、手に入れた宝物の金額、その他を含め、人数割りしたのが経験点になります。経験点がたまるとレベルアップしていきます。それから、さらに能力値によって経験値にボーナスがつきます。つまり、優秀なキャラクター程、成長するのが速いということです。 レベルアップに必要な経験点はクラスごとに異なり、デミヒューマンはレベルアップしにくく、最大レベルも低く設定されています。これは、デミヒューマンは人間に比べると特殊能力やST判定等で優遇されているので、そのための処置かもしれません。 ◎宝物も経験点なので、戦闘回避してもレベルアップ出来る。 ○優秀なPCは優遇される。 △デミヒューマンは育て甲斐があまりない。 △経験点が少な目なので、レベルアップしにくい。 7◆マスターリング D&Dのプレイヤーは楽ですが、マスターはちょっと大変かもしれません。用途によって使用するダイスの種類がプレイヤーよりも多いです。判定方法もまちまちですし……。 それから、想像力で補う部分が多いので、マスター裁量が問われる部分が多いと思います。それは利点でもあると思いますけど。 ダンジョン&ドラゴンズと名をつけるだけあって、モンスターの量が多く、モンスターの外見や能力などの説明文も非常に丁寧です。 ルールが多岐に渡っているので、ダンジョン、フィールド、シティーアドベンチャーなど、いろいろな遊び方で楽しめると思います。 ◎モンスターの記述が多く、説明しやすい。 ◎いろいろなタイプのシナリオで遊べる。 ○臨機応変の対応でOK。 △使用するダイスが多い。 ×ルールに統一性がない。 8◆その他 D&Dでは、アライメント(性格)を決めます。ローフル(善、というか戒律的)・ニュートラル(中立)・ケイオティック(悪、というか無秩序)という3つの性格の違いの葛藤を抱え、どうゲームを進めるかという部分に焦点を合わせると面白いです。 ちなみに、敵対種族があったり、宗教的に問題のある呪文があったりと、“葛藤”に関しては面白い部分が多いです。PCの個性をつける、という点でも面白いでしょう。 ただ、この個性を守るために協調性の欠けるプレイをする人もいますが、D&DはPC同士が協力することを前提としたゲームなので、方向性を間違えないようにしないといけません。 あと制限としては、魔法使いは鎧や剣等を持てなかったり、僧侶は刃のついた武器を持つことが宗教的な理由で許されなかったりします。性格によって、使うとペナルティになる魔法もあります。 ◎葛藤により、複雑なロールプレイが可能になる。 ○PCに個性をつけることが出来る。 △翻訳のせいか、性格の基準が曖昧。 ×協調性がないと、ゲーム崩壊の恐れがある。 貨幣はプラチナ、金、合金、銀、銅貨と、5種類あります。装備などは大抵金貨で支払われます。金貨はとても貴重なものらしい、です。 9◆総括 D&Dはその名の通り、ダンジョンゲームとして最高峰に位置すると思います。しかし、魔法の用途や世界観の深さから見ると、シティアドベンチャーとしても素晴らしいゲームです。 戦闘や諸判定はシンプルで初心者にも遊びやすいし、サプリメントや選択ルールが豊富なので、複雑な遊び方にも対応しています。ただ、翻訳されていないという点が残念です。 D&Dは意外に好き嫌いの分かれるゲームです。嫌いだという人は、PCの個性の弱さと、防御の概念がないことを上げる人が多いみたいですね。確かにACの概念は利点でもあり、弱点でもあると思います。 あと、判定の統一性のなさも弱点のひとつかもしれません。戦闘・ST判定・能力値判定・シーフ技能等により、使われる判定方法がバラバラなのは、確かに不可思議な部分です。 もし、戦闘がつまらなくて、1度遊んだけれどあまり好きになれなかったという人は、違うレベルでも遊んでみて欲しいと思います。D&Dは、レベルによって遊び方が全く違うゲームなのです。 赤箱(ベーシック)ルールはとてもシビアです。1レベルだと近所のコボルド退治やネズミ退治に精を出すことになるかも。ヒヨッコから地道に育てたり、死線をくぐり抜ける緊張感を味わったり、RPGの厳しさを叩き込んだり。まあ地味といえば地味なので、好き嫌いがあります。 青箱(エキスパート)ルールはHPも増えてきて、魔法も数を使えるようになるので、対戦相手に幅が出てきます。6〜8レベルくらいが一番お手頃だし、どのクラスを選んでもバランスが良いかも。シティーアドベンチャーとしても遊びやすいですし、初心者にオススメ。 緑箱(コンパニオン)ルールはマジックアイテムがたくさん出てくるし、魔法も派手で非常にヒロイックです。 黒箱(マスター)ルールは遊んだことがありませんが、お城を造ったり、戦争をしかけたりも出来るようです。 金箱(イモータル)ルールは見たこともありませんが、神の領域だそうな(笑)。 かつての新和版は、装丁の絵が格好良かったです。サイズは変形大判の平綴じでした。サイズが大きいので、持ち運びに少々不便ですが、見開きの真ん中に表が集められており、とても参照しやすいです。 レベル毎に分冊だったので目次等が見づらいですが、裏表紙に全体の一覧表があるなど、色々と工夫がこらしてあるな、と思いました。 文庫版は持ち運びに便利です。新しい呪文が追加されており、選択ルールなども分かりやすく書かれています。新和版に比べると誤字も少ないし、文章も読みやすいと思います。 一覧表の見やすさは新和版に劣りますが、単語による総索引はとても使いやすいと思いました。 --- 個人的感想 D&Dは最愛のRPGです。シンプルでスピーディーでデッドリーな戦闘は心のオアシス(笑)。個人的にはエキスパートルールが遊びやすくて一番好きです。コンパニオンまでなると、未だに知らないことが多すぎる……。ハデで面白いですけどね。 ベーシックは地味でシビアなので、臨場感が楽しめない人にはつまんないと言われます。ただ、ベーシックの楽しみが分かる人なら、PCの楽しみを優先させてゲームを破錠させたりするようなことはないかも(笑)。全員の協力なしには生き残れないですからね。そういう意味、とてもリアルなゲームです。 重量計算はすごく面倒なんですが、何度か重量制限ナシにしてみると、逆に持ち物の駆け引きがなくなってちょっとつまらなかったです。移動速度があるからこそ、フィギュアを扱う楽しみがあるんですね。 あと、ダイスを揃えるのが大変かも。ゲームショップじゃないと売ってないので、買うのが恥ずかしいんですよ。周囲は男の人ばかりだったので、ダイスの試し振りもしないでソソクサと買いました。なもので、わたしのダイスの出目は異様に悪い。……売れ残り?(笑) ロードス島戦記が元々はD&Dで始まった、というのは、わりと後まで知らなかったです。リプレイとかあまり読む方じゃないので……。ああ、そういえば、「えうー」って言わせる人って、何のリプレイだったんだろう。(意味不明) グループSNEが出していたミスタラのリプレイは結構好きでした。ロードス島よりも新しいのに、もはやどこにも見かけないですよね。ちぇっ。 <オマケ・少人数パーティーの組み合わせ考察> 3人パーティーの場合── ファイター・マジックユーザー・シーフ(薬を持ち歩こう) ファイター・クレリック・マジックユーザー(魔法使いを守れ) ファイター・クレリック・エルフ(意外にバランスいいぞ) ファイター・エルフ・シーフ(回復出来ない格闘系) ドワーフ・クレリック・マジックユーザー(機動性にかける?) ドワーフ・エルフ・クレリック(クレリックが大変そう) ドワーフ・エルフ・シーフ(かなり仲悪そう) エルフ・クレリック・シーフ(バランスはかなり良いが、ひ弱) 4人パーティーの場合── ファイター・クレリック・マジックユーザー・シーフ(基本) ファイター・クレリック・エルフ・シーフ(良さそう) ファイター・エルフ・マジックユーザー・シーフ(薬物必携) ファイター・エルフ・ドワーフ・ハーフリング(各種族代表戦士) ドワーフ・クレリック・マジックユーザー・シーフ(それなり) ドワーフ・クレリック・エルフ・ハーフリング(う〜ん……) |