第5話 雪

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暁の船出

▼まだ話があるというサーラを残して、パーティーは宿に戻ります。クレアにもらったお金で氷上船を調達し、食料等を購入して出発に備えました。

ギャレット 出発は明日の朝でいいよね。寺院を出る前にサーラに言っておこう。

リーヴ 地図ももらったしな。あとはサーラが来るかどうかだが……。

イン ヤツらの話し合い次第だろ。来てくれなきゃ、俺たちが行く意味も無いけど。

ギャレット それよりも、船の名前はどうする?(笑)

リラク ガリンコ号とか(笑)。(註・北海道ローカルな流氷を砕いて進む船)

▼やたらと活気づいた酒場で、パーティーはメルティに関する話を聞きます。なんでもこの街で、歌を歌って稼ぎながら、妖精の島へ行く手段を探していたらしいのです。

カレン よかった。歌ってるのなら、元気なのね。

リラク メルティが妖精の島に渡ったのなら、クシャもそこに行ったのでしょう。

イン ようするに、すべてがそこに収束してるってわけか。

ギャレット そうだ、白雪亭のマスターに、エドウィン・ホールって名前に心当たりがあるかどうか聞いてみよう。

GM(マスター) 「エドウィン・ホールはワシの息子ぢゃが。ヤツも女好きで困ったものぢゃ。各地に子供こさえて、今どうしていることやら……」

ギャレット なになになに〜? とゆーことは、俺のじいさん?

GM(マスター) 「なんと。お前は孫か!

サンスター 変な会話(笑)。

GM(マスター) 「ヤツはな〜。見境いもなく女に手を出すわ、すぐに大風呂敷をひろげるわ、全く困ったヤツぢゃい。ま、不肖の息子ってヤツよ」

リラク ……思いっきり受け継いでますよね。

カレン この酒場のお客に言わせると、このおじいさんもたいして変わらないみたいよ(笑)。

GM(マスター) 「ワシはあいつほどではないぞ! ヤツなんぞ、この街でさらった娘が15人だ。そういうことはやたらと上手いヤツでな。朝には娘さんの寝所には、アザラシの牙があるのみぢゃ。時には牙の代わりに自分の虫歯を置いてったりしてな」

カレン それって、ただの誘拐なんじゃ……。

ギャレット 俺の親父って一体……(苦笑)。

▼翌朝、パーティーはまず、これからの戦いの方針について話し合いました。
 例えばダルクは、現段階の情報ではアブアイマとの関係はなく、決着をアブアイマを封印してからに先延ばしすることは可能で、カークはダルクの説得に失敗したとしても、カーク個人は交渉の余地ありと見ました。
 以前の口ぶりからして、クシャは悪魔を復活させたいとは考えていないはずで、もしかしたら協力できるかもしれません。ダニエルについては、独自の思惑でダルクを利用している場合は別に対処する、ということに落ちつきました。

ミレイユ どうしても戦わなくてはならないのは、迷宮のワンダリングモンスターだけですよね。それ以外なら、交渉で解決できる余地がありそうです。

イン 問題は、ダルクが応じるかってことだけど。

ミレイユ 騎士道精神を持った男なら、娘をネチネチいじめるより、マティウと直接対決するほうが男らしい道だとわかってくれるはずです。

ギャレット 惜しいなあ、ミレイユ。男に生まれてくれば良かったのに(笑)。

イン 俺はダルクをそこまで買いかぶってはいないんだよ。なんとなく気持ちがわかるし。

リーヴ どっちみち本人と会ってみないと性格とかがわからないから、作戦の立てようがないだろ。作戦を立てれるのは、クシャとカークくらいか。

カレン その二人はなんとかなりそうね。ただ、メルティがからんで来たら、クシャとは協力できないかもしれないけど。

イン クシャとメルティのどっちにつくかって言われたら、例え不利でも、メルティにつくだろうなあ。

リーヴ そのあたりは、臨機応変にやるしかないだろ。

サンスター ところで、サーラは帰ってこないの?

GM まだ宿には戻って来ません。寺院に泊まったんじゃないですかね。

ギャレット じゃあ、先に港に行って荷物の積み込みをしよう。港にいるってのは、サーラもわかるだろうから、直接港にくるさ。

▼パーティーは港に向かいます。空は晴れ、風も程よくあり、絶好の船出日和です。しかし、荷物の積み込みが終わっても、まだサーラは現れません。

サンスター サーラさん、来ませんね……。

カレン やっぱり、怖くなったんでしょうか。

リーヴ グズグズしてると、天候が変わってしまうぞ。

GM その時、港に二つの人影が現れる。

ミレイユ サーラさんだ! サーラさんが来ましたよ!

GM サーラは船のところまで来て、クレアと笑顔で軽く抱き合う。クレアから離れるとタラップを上り、きみたちのほうに小走りで近づいて来る。サーラは、「みなさん、ご心配おかけしました」と、ニッコリ。

カレン 良かった、仲直りしたんですね。

▼氷上船は帆に一杯に風を受けて、白銀の海を音も無く走り出す。後ろではクレアが深々と頭を下げている。その姿は、徐々にスピードを上げる氷上船からは、あっという間に見えなくなったのだった……。

第5話 雪 おわり

第6話 終焉の哀歌へと続く


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