第六世界の魔法

第六世界で復活したものの一つに「魔法」があります。それまでは魔法と言えば念入りな準備と長時間の儀式で少量の結果しか得られなかったものですが、復活してからというもの、身振りと言葉だけで呪文がとなえられるようになりました。とはいえ、儀式がなくなったわけではありません。

魔術を行う方法は1つしかないわけではありません。流儀は3つに大別されます。大いなる精霊と同一化することで魔法を使う自然魔法、学問として体系だった錬金術魔法と、呪文などは使えないが肉体そのものを強化する肉体鍛練です。自然魔法と錬金術魔法をあわあせたような存在である、ティル・ナ・ノグ(アイルランド)のエルフ達が使うパス・マジックなるものがありますが、これは特別すぎるので触れないでおきます。

自然魔法(Nature Magic)

自然魔法は、ネイティブアメリカンのシャーマン、イギリスのドルイド、ドイツなどヨーロッパ大陸の魔女などが使います。シャーマンはトーテム、魔女は偶像などと、それぞれ同一化する対象は違います。
自然魔法の使い手は、究極的には精霊などと共に生きるのが目的となります。同一化する対象の利点は使い手の利点です。そして欠点も受け継ぎます。傍目でもわかる利点と欠点は、呪文の向き不向きでしょう。志向や行動も同じになります。狂暴化しやすいとか清潔好き/不潔、贅沢好きなどいろいろあります。
使える呪文は錬金術魔法の使い手と同じです。向き不向きがあるだけです。
呼ぶことのできる精霊は、その土地に縛られた自然精霊だけです。錬金術魔法の使い手のように「炎の精霊で攻撃。こいつは炎に耐性があるから水の精霊」といった使い分けはできません。また、一度呼ぶと日没か日の出までしか持ちません。最大の利点は呼ぶのに時間とお金がかからないということでしょう。

錬金術魔法(Hermetic Magic)

錬金術魔法は、世界中の学問としての魔術が出した結果です。自然魔法と違って大いなる精霊などに縛られることはありません。
錬金術魔法の使い手は、究極的には世界の謎を解き明かすことを目的にすることが多いようです。もっとも、手段と目的が逆転することが往々にしてありますが(特にシャドウランナー)。
使える呪文は自然魔法の使い手と同じですが、彼らのように呪文の向き不向きはありません。
呼ぶことのできる精霊は、元素精霊と呼ばれるもので、呼ぶ時に定められた助力を使い切るまで存在しつづけます。ただし時間をかけた召喚儀式が必要ですし、儀式の資材は高価です。

これらの他にも、アデプトと呼ばれる限定された魔法能力を持つ者の中に、フィジカルアデプトと呼ばれる持った魔力を肉体の増強や技能の強化に用いる者がいます。

魔術はテクノロジーとは相容れない存在です。身体を改造するとその分魔力が減少しますし、魔術を使うためのスキルチップは存在しません。しかし、カメラに幻影を映し出す程度のことはできています。

魔法への目覚め

魔法への目覚めは、たいてい思春期におとずれます。ポルターガイストをおこしたり、発火能力が発現したり、見えるはずのないものを観るようになったりとさまざまです。ここで適切な教育を行って初めて「魔術師」となるのですが、行われない方が多く、潜在能力はあるのだけれど魔法を使うことができない多数の人間が存在します。

フィジカルアデプトの場合は、自覚のないまま魔力を肉体の増強に使っている場合があります。現状ではオリンピックなどでは魔法使いの出場は認められていませんので、オリンピック代表に選ばれたものの魔力テストでフィジカルアデプトと判明し、それまでの記録すら抹消されてしまうという悲劇が現実として存在します。

犯罪と魔法

これだけ魔法が日常のものとなってくると、犯罪に使われるケースも増えてきます。そこで、大半の国では、魔法による殺人を罪に問うことになっています。
裁判の証言についてですが、自然精霊がその時に何が起きたかを知っている場合があっても、これは証拠として認められないとされています。呼び出した魔法使いの言うなりの証言を行うことができるからです。

宇宙空間と魔法

今のところ、魔法は地球圏内でなければうまく作動しないとされています。大気圏外で魔法を使おうとした者の例は知られていませんし、大気圏外でアストラルを見ようとした者、アストラル体で大気圏外に出ようとした者の消息が例外なく絶たれています。一説には死亡または発狂してしまうとされています。

とりあえず魔法的なことをしなければ安全なので、魔法使いであっても宇宙旅行は可能なようですが……。