A.D.D.A. 2005年1月23日(日)

Full Metal Jacket

DM Rutger
Written by Ballantine


参加キャラクタ

Name Class & Level Race Gender Alignment
バランタイン Wiz1 Human Male TN
ゲイザー Bbn1 Human Male CG
グレン Rgr1 Human Male CG
ヂル Rog1 Human Male CG
ボーンズ Clr(Boccob)1 Human Male NG
※名前がシェイディングされたキャラクタはNPC

シナリオ実施期間

CY595, Patchwall 7th start

獲得XP & GP

3125xp(一人頭)


はじめに

 この日記は、グレイホーク傭兵軍の新任小隊長として、ハードバイを包囲するオーク軍の補給基地での撹乱作戦を指揮した私・バランタインによる回顧録である。

CY595 Patchwall 7th

 フラネスの宝石と名高いグレイホークで魔導を極めんとする私は、最近高騰した物価の所為で生活が困難になっていた。いつの時代も、金に困った苦学生が行く先は肉体労働である。早速傭兵ギルドへ赴き、魔法の業を活かす事ができる良い仕事は無いかを探した。

 そこで紹介されたのは、グレイホーク傭兵軍として短期的なミッションを行なう仕事だった。他に当てもない私は、早速その仕事に飛びついた。

 傭兵軍訓練所で私の同期となったのは、力自慢の蛮人ゲイザー、クレバーな野伏のグレン、多芸な盗賊のヂル、そして“全ての魔術の主”を信奉する司祭のボーンズの四人だった。それよりも特筆すべきは、我らが鬼教官ブラックマン軍曹である。彼の登場は強烈だった。

 わたしが訓練教官のブラックマン先任軍曹である。話しかけられたとき以外は口を開くな。口でクソたれる前と後に“サー”と言え、分かったか、ウジ虫ども!

(Sir,Yes Sir)

 ふざけるな! 大声だせ! タマ落としたか!

(Sir,Yes Sir!)

 貴様ら雌豚どもが俺の訓練に生き残れたら――各人が兵器となる。戦争に祈りを捧げる死の司祭だ。その日まではウジ虫だ! オース上で最下等の生命体だ。

 貴様らは人間ではない。アバレーションのクソをかき集めた値打ちしかない!

 貴様らは厳しい俺を嫌う。だが憎めば、それだけ学ぶ。俺は厳しいが公平だ。人種差別は許さん。フラン豚、スール豚、バクラニ豚を、俺は見下さん。すべて――

 平等に価値がない!

 俺の使命は役立たずを刈り取ることだ。愛する傭兵隊の害虫を!

 分かったか、ウジ虫!

(Sir,Yes Sir)

 ふざけるな! 大声だせ!

(Sir,Yes Sir!)

 私達は早速入隊の為に試験を受ける事になった。まずは一次試験だ。これは殆どの者が大過なく突破する事ができた。まずい事に、私はその試験で最優秀の成績を(運に恵まれた?お陰で)出してしまい、この部隊の小隊長に任命される事になった。

 二次試験は、軍曹によれば「卒業ダンジョン」と呼ばれる小規模のダンジョンを探索する試験だった。そこから指定された鍵を持ってくれば合格のようだ。一日の休息を許された私達は宿舎の片隅で翌日を待った。

CY595 Patchwall 8th

 早速二次試験を受ける事になった。軍曹に案内され、ダンジョンへと我々は突入した。

 前日の試験が上々の成績だった所為か、私達は慢心していたようだ。なんとダンジョンの最初の部屋でゲイザー、グレン、ヂルの三人が重傷を負い、チョーカーに連れ去られてしまったのだ。

 仕方なく軍曹の所に戻ると、そこには連れ去られた三人が昏倒し横たわっていた。当然、小隊長である私は軍曹に説明を求められた。

 貴様の言い訳は?

(言い訳ですか?)

 アホ相手に質問するのは俺の役だ!

(Sir,Yes Sir!)

 続けてよろしゅうございますか?

(Sir,Yes Sir!)

 不安か?

(Sir,I am Sir!)

 俺のせいか?

(Sir…)

 何だ? 俺をクソバカと呼びたいか?

(Sir,No Sir!)

きさま身長は?

(150センチです、サー!)

 まるでそびえ立つクソだ。サバ読んでるのか?

(Sir,No Sir!)

 ふざけるな! パパの精液がシーツのシミになり、ママの割れ目に残ったカスがおまえだ! 分かったか!

(Sir,Yes Sir!)

 軍曹にお灸を据えられた私達は、軍医に有料の治療を受け再度ダンジョンへと向った。二度同じミスを犯すようでは、傭兵はやっていられない。私達は慎重且つ大胆にダンジョンを進んでいった。ヂルの技で数々の罠を潜り抜け、迫り来る数多の怪物をゲイザーの膂力とグレンの冷静な戦術で退け、ボーンズは彼等を沈着に支援した――優秀な隊員の努力により、私達はみごと鍵を入手し、ダンジョンの最奥に隠されている卒業の証を得る事ができた。

 洞窟から帰還すると、ブラックマン軍曹は今までとは打って変わった厳粛な面持ちで、私達に最後の訓戒を垂れた。

 本日をもって貴様らはウジ虫を卒業する。
 本日から貴様らは傭兵隊員である。
 兄弟の絆に結ばれる。
 貴様らのくたばるその日まで。
 どこにいようと傭兵隊員は貴様らの兄弟だ。
 多くはハードバイへ向かう。
 ある者は二度と戻らない。
 だが肝に銘じておけ。
 傭兵は死ぬ。
 死ぬために我々は存在する。
 だが傭兵は永遠である。
 つまり――貴様らも永遠である!

 そして私達は軍曹から卒業指輪を授与された――最初の任務は、無論ハードバイを十重二十重に覆うオーク軍の包囲網、その補給線の撹乱だった。

CY595 Patchwall 9th

 翌日、ブリーフィングルームに呼ばれた私達は作戦の詳細を通達された。ハードバイに近い、オーク軍の補給基地まではグリフォン・ライダに輸送してもらえるようだった。準備を整え、直ぐに出発した。

 任務地の近くまで到着した時、グリフォンに跨る空挺士が唐突に降下作戦の開始を告げた。

「待ってください。私達は降下作戦の訓練を受けていません。このままでは――うわっ」

 私達五人は有無を言わさずに、グリフォンの背中から落された。落下するや否や、各々の卒業指輪が光ったかと思うと、私達は羽が舞うようにユックリと落下地点目指して降りていった。

――この指輪はフェザーフォーリングの指輪だったのか。

 先程私を蹴落した空挺士を振り返ると、彼はニヤリと笑っていた。どうやら新人を脅かす通過儀礼だったようだ。

 作戦地域に到着してからの行動は速やかだった。途中で遭遇したパトロールらしい豚ども――おっとブラックマン軍曹の口癖がうつってしまった――オーク達を、グレンの見事な囮作戦で瞬殺し、その足取りを辿って補給基地を発見した。

 包囲網の最前線ではなくても、流石に基地と言うだけあって、そこの防御は固かった。入口となる見張り搭では、十匹近いオークとの乱戦になった。侵入してからは、番犬代わりの狼、司令官を守るオーガ達、そして不死者の群れと補給基地司令である“決っして眠らぬ者”グルームシュの神官。

 特に最後の戦いは熾烈を極めた。途中、ヂルが倒れ、小隊長である私自身も地に伏す事になった。しかしながら、私の優秀な小隊員達は“一つ目”の神官の忌むべき呪文にも屈っせず、おぞけを誘う不死者達に囲繞されても諦めず、任務の遂行にひた向かって剣を振るった。

 “Heaven helps those who help themselves.”。私達は任務を完遂した。

 今やハードバイは、タロッシュ・マクの軍勢に包囲され、市民の生活は脅かされている。しかし私達のような傭兵――敢えて冒険者と呼ぼう――がいる限り、オークの命も長くはない。冒険者は諦めない、いや諦めないからこそ冒険者なのだ。


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