DM Rutger
Written by Ballantine
| Name | Class & Level | Race | Gender | Alignment |
| バランタイン | Wiz1 | Human | Male | TN |
| ゲイザー | Bbn1 | Human | Male | CG |
| グレン | Rgr1 | Human | Male | CG |
| ヂル | Rog1 | Human | Male | CG |
| ボーンズ | Clr(Boccob)1 | Human | Male | NG |
CY595, Patchwall 7th start
3125xp(一人頭)
この日記は、グレイホーク傭兵軍の新任小隊長として、ハードバイを包囲するオーク軍の補給基地での撹乱作戦を指揮した私・バランタインによる回顧録である。
フラネスの宝石と名高いグレイホークで魔導を極めんとする私は、最近高騰した物価の所為で生活が困難になっていた。いつの時代も、金に困った苦学生が行く先は肉体労働である。早速傭兵ギルドへ赴き、魔法の業を活かす事ができる良い仕事は無いかを探した。
そこで紹介されたのは、グレイホーク傭兵軍として短期的なミッションを行なう仕事だった。他に当てもない私は、早速その仕事に飛びついた。
傭兵軍訓練所で私の同期となったのは、力自慢の蛮人ゲイザー、クレバーな野伏のグレン、多芸な盗賊のヂル、そして“全ての魔術の主”を信奉する司祭のボーンズの四人だった。それよりも特筆すべきは、我らが鬼教官ブラックマン軍曹である。彼の登場は強烈だった。
わたしが訓練教官のブラックマン先任軍曹である。話しかけられたとき以外は口を開くな。口でクソたれる前と後に“サー”と言え、分かったか、ウジ虫ども!
(Sir,Yes Sir)
ふざけるな! 大声だせ! タマ落としたか!
(Sir,Yes Sir!)
貴様ら雌豚どもが俺の訓練に生き残れたら――各人が兵器となる。戦争に祈りを捧げる死の司祭だ。その日まではウジ虫だ! オース上で最下等の生命体だ。
貴様らは人間ではない。アバレーションのクソをかき集めた値打ちしかない!
貴様らは厳しい俺を嫌う。だが憎めば、それだけ学ぶ。俺は厳しいが公平だ。人種差別は許さん。フラン豚、スール豚、バクラニ豚を、俺は見下さん。すべて――
平等に価値がない!
俺の使命は役立たずを刈り取ることだ。愛する傭兵隊の害虫を!
分かったか、ウジ虫!
(Sir,Yes Sir)
ふざけるな! 大声だせ!
(Sir,Yes Sir!)
私達は早速入隊の為に試験を受ける事になった。まずは一次試験だ。これは殆どの者が大過なく突破する事ができた。まずい事に、私はその試験で最優秀の成績を(運に恵まれた?お陰で)出してしまい、この部隊の小隊長に任命される事になった。
二次試験は、軍曹によれば「卒業ダンジョン」と呼ばれる小規模のダンジョンを探索する試験だった。そこから指定された鍵を持ってくれば合格のようだ。一日の休息を許された私達は宿舎の片隅で翌日を待った。
早速二次試験を受ける事になった。軍曹に案内され、ダンジョンへと我々は突入した。
前日の試験が上々の成績だった所為か、私達は慢心していたようだ。なんとダンジョンの最初の部屋でゲイザー、グレン、ヂルの三人が重傷を負い、チョーカーに連れ去られてしまったのだ。
仕方なく軍曹の所に戻ると、そこには連れ去られた三人が昏倒し横たわっていた。当然、小隊長である私は軍曹に説明を求められた。
貴様の言い訳は?
(言い訳ですか?)
アホ相手に質問するのは俺の役だ!
(Sir,Yes Sir!)
続けてよろしゅうございますか?
(Sir,Yes Sir!)
不安か?
(Sir,I am Sir!)
俺のせいか?
(Sir…)
何だ? 俺をクソバカと呼びたいか?
(Sir,No Sir!)
きさま身長は?
(150センチです、サー!)
まるでそびえ立つクソだ。サバ読んでるのか?
(Sir,No Sir!)
ふざけるな! パパの精液がシーツのシミになり、ママの割れ目に残ったカスがおまえだ! 分かったか!
(Sir,Yes Sir!)
軍曹にお灸を据えられた私達は、軍医に有料の治療を受け再度ダンジョンへと向った。二度同じミスを犯すようでは、傭兵はやっていられない。私達は慎重且つ大胆にダンジョンを進んでいった。ヂルの技で数々の罠を潜り抜け、迫り来る数多の怪物をゲイザーの膂力とグレンの冷静な戦術で退け、ボーンズは彼等を沈着に支援した――優秀な隊員の努力により、私達はみごと鍵を入手し、ダンジョンの最奥に隠されている卒業の証を得る事ができた。
洞窟から帰還すると、ブラックマン軍曹は今までとは打って変わった厳粛な面持ちで、私達に最後の訓戒を垂れた。
本日をもって貴様らはウジ虫を卒業する。
本日から貴様らは傭兵隊員である。
兄弟の絆に結ばれる。
貴様らのくたばるその日まで。
どこにいようと傭兵隊員は貴様らの兄弟だ。
多くはハードバイへ向かう。
ある者は二度と戻らない。
だが肝に銘じておけ。
傭兵は死ぬ。
死ぬために我々は存在する。
だが傭兵は永遠である。
つまり――貴様らも永遠である!
そして私達は軍曹から卒業指輪を授与された――最初の任務は、無論ハードバイを十重二十重に覆うオーク軍の包囲網、その補給線の撹乱だった。
翌日、ブリーフィングルームに呼ばれた私達は作戦の詳細を通達された。ハードバイに近い、オーク軍の補給基地まではグリフォン・ライダに輸送してもらえるようだった。準備を整え、直ぐに出発した。
任務地の近くまで到着した時、グリフォンに跨る空挺士が唐突に降下作戦の開始を告げた。
「待ってください。私達は降下作戦の訓練を受けていません。このままでは――うわっ」
私達五人は有無を言わさずに、グリフォンの背中から落された。落下するや否や、各々の卒業指輪が光ったかと思うと、私達は羽が舞うようにユックリと落下地点目指して降りていった。
――この指輪はフェザーフォーリングの指輪だったのか。
先程私を蹴落した空挺士を振り返ると、彼はニヤリと笑っていた。どうやら新人を脅かす通過儀礼だったようだ。
作戦地域に到着してからの行動は速やかだった。途中で遭遇したパトロールらしい豚ども――おっとブラックマン軍曹の口癖がうつってしまった――オーク達を、グレンの見事な囮作戦で瞬殺し、その足取りを辿って補給基地を発見した。
包囲網の最前線ではなくても、流石に基地と言うだけあって、そこの防御は固かった。入口となる見張り搭では、十匹近いオークとの乱戦になった。侵入してからは、番犬代わりの狼、司令官を守るオーガ達、そして不死者の群れと補給基地司令である“決っして眠らぬ者”グルームシュの神官。
特に最後の戦いは熾烈を極めた。途中、ヂルが倒れ、小隊長である私自身も地に伏す事になった。しかしながら、私の優秀な小隊員達は“一つ目”の神官の忌むべき呪文にも屈っせず、おぞけを誘う不死者達に囲繞されても諦めず、任務の遂行にひた向かって剣を振るった。
“Heaven helps those who help themselves.”。私達は任務を完遂した。
今やハードバイは、タロッシュ・マクの軍勢に包囲され、市民の生活は脅かされている。しかし私達のような傭兵――敢えて冒険者と呼ぼう――がいる限り、オークの命も長くはない。冒険者は諦めない、いや諦めないからこそ冒険者なのだ。