D&D3.5Eに於ける高レベルキャラクタの作成過程を披露していきます。最初はFtr系キャラクタの作成です。
掲示板の方でとーちゃんさんから「Half-Minotaur TemplateによるCreture SizeのIncreaseがAbilityに適用されていない」との御指摘を受けました。その部分については<ins>タグで囲い追記してあります。
またMagic Itemの価格計算も一部ミスがあったので修正しました。
戦闘での戦士の役割というのは、
の2つが主です。
どちらが優先度が高いかはパーティ編成によって異なります。一般的に言ってこの両者を高次元で両立させるのは、難しい事です。しかし、今回は敢えてそれを目指してキャラクタを作成してみます。
方針が決定したら、次にそれを具体化する方法(ルール)を考えます。
「壁」というと、なんとなくACが高く敵の攻撃を寄せ付けないキャラクタを想像しますが、パーティゲームとしてD&Dをプレイする場合には、そう単純なものではありません。壁というのはパーティ全体を有機的な集合と見た場合の壁であり、後に立っているWiz等に敵を近付かせない事が、最も重要な課題となります。
それを実現するもっとも手っ取り早い方法は、先に倒してしまう事です。攻撃は最大の防御はまさに至言でしょう。また、簡単には倒せない相手の場合ならばTripを利用して足止めする事ができます。
なんとなく具体案が出てきました。まとめましょう。
この当たりが鍵になりそうです。
戦士系キャラクタが種族を選択する場合に考慮すべき事は、その種族を選択した時の
の2つです。
Melee Attack Bonusの増減に寄与するパラメータは、主としてStrength、Level Adjustment、Racial Hit Diceの3つ。Hit Pointの増減に寄与するパラメータは、主としてConstitution、Racial Hit Diceの2つです。
Level Adjustment(LA)が高ければ高い程、Class Levelが減少するので、Base Attack Bonus(BAB)もHit Dice(HD)も減少します。Racial HDはBase HDがd10よりも大きければ、さほど問題ありませんが、HDとBABが正比例しているCreature Typeは少ないので、Racial HDが高すぎるのは良くありません。
1つの指針としては、LAによるBAB、HDの減少がそのRaceのAbilities Adjustmentでカヴァーできるならば問題は無いと考えて良いでしょう。例えばLAが+1、Racial HDが1で、Creature TypeがGiantなRaceがあったとしましょう。このRaceのStarting ECLは2で、その時のBABは+0、HDは1d8です。このRaceがECL10で、Ftr8になった時にはBAB+8、HD1d8+8d10(53)となります。他方でHumanがECL10で、Ftr10になった時にはBAB+10、HD10d10(59)です。両者のBAB差は2、HP差は6です。これを埋めるには例示したRaceがStr+4、Con+2あれば十分な訳です。(RaceによるAbilityの修正を加える前のStr、Conが10ならば)もしStr+4、Con+2であれば、例示したRaceのECL10時点でのMelee Attack Bonus+10、HP62となり、Human/Ftr10と遜色の無いステータスになります。
また今回のキャラクタにはReachも重要な要素となります。従ってNatural Reachを持つLarge Size以上のRaceであれば、有利な条件になります。
LA/Racial HDとStr/Conのバランスが良く、且つLarge SizeにあるTemplateが丁度良く存在します。Dragon Magazine #313に掲載されているHalf-Minotaurがそれです。今回はHumanをベースにした、Half-Human/Half-MinotaurをRaceに選択します。
Half-MinotaurはLA+1でRacial HDはベースとなったCreatureに応ずるので0です。つまりClass Levelは12取得する事ができます。Classを選択する場合に考慮すべき事は、種族の選択と同じ2項目です。できるだけBABもHPも下がらないように選択しましょう。
Classの選択は、余りにも考える事が多すぎて一口に説明するのは困難です。今回はTripに有利な武器としてSpiked Chainを利用する事、攻撃力の高さが必要な事の2点を鑑みてDragon Magazine #310に掲載されたFigtherのVariant ClassであるKensaiを選択したいと思います。
Kensaiは1レベルの時に選択した1種類の武器の扱いがどんどん上手になっていくというClassです。Weapon Focus、Greater Weapon Focus、Weapon Specialization、Greater Weapon Specializationと合わせれば、12レベルの時点で特定の武器に対してAttack Roll+5、Damage Roll+7のボーナスを得る事ができます。
Kensaiで得られる特殊能力はカテゴリとしてはFeatに近く、PaladinのDivine Graceのように何かのAbilityと結びついているという事はありません。ですからFeatの取得条件以外は気にせずAbility Scoreを決定できます。
このキャラクタが必ず取得したいFeatはImproved TripとCombat Reflexで、できれば取得したいFeatはPower Attackです。Improved TripはInt13、Power AttackにはStr13がそれぞれ必要となります。またCombat Reflexを効果的に利用したければDexも高いほうが望ましいでしょう。それらを考慮して、Base Ability Scoreは以下のようにします。
Str16, Dex14, Con16, Int14, Wis08, Cha08
これにRacial Adjustmentを加えると、
Str20, Dex14, Con18, Int12, Wis08, Cha08
となります。さらにECL4、8、12の時点でAbility Increaseがあるので、それぞれInt、Str、Strと上昇させていきます。すると
Str22, Dex14, Con18, Int13, Wis08, Cha08
となります。更に、Half-Minotaur Templateを付ける事により、Creature SizeがMediumからLargeになるので、このSize IncreaseによるAbilityの修正があります。つまり最終的な値は、次のようになります。
Str30, Dex12, Con22, Int13, Wis8, Cha8
同じECLのHuman-Kensai13と比較してみましょう。
| Human | Half-Minotaur | |
|---|---|---|
| HP | 109 | |
| Melee Attack Bonus | +16 |
このキャラクタはHuman bonusで1つ、ECL1/3/6/9/12でそれぞれ1つ、Kensaiレベル2/4/6/8/10/12でそれぞれ1つのFeatを取得できます。合計で12個のFeatを取得できるという訳です。ただしKensaiの能力の内2つはFeatの替わりに得られるので、それを得ようと思うならば2つ減ります。従って自由選択は10個となり、この中にCombat Expertise、Improved Trip、Power Attack、Combat Reflexが含まれます。Kensaiの長所を活かす為にもWeapon Focus、Weapon Specialization、Greater Weapon Focus、Greater Weapon Specializationが欲しいので、残りは2個です。Reachが活きるCleaveとMage Slayer(Minitures Handbook)が良いでしょう。
いつものようにHuman-Kensai13とSpiked Chainを利用した時の値を比較してみましょう。
| Human | Half-Minotaur | |
|---|---|---|
| Attack Roll | +21/+16/+11 | |
| Damage Roll | 2d4+9 | |
| Trip Roll | +7 |
幸いSkillは、かなり自由に選択できます。Mage SlayerのFeatの取得条件がSpellcraft 3 rankな為、Closs Class SkillですがSpellcraftを3 rank取らなければいけない以外、これといって制限はありません。KensaiはTumbleがClass Skill扱いなので、これを取得すると良いでしょう。
今回は以下のようになります。
Spellcraft3、Tumble15、Jump5、Spot7、Listen7、Swim6
所持金は110,000gpです。ざっくり分かりやすい所から揃えていきましょう。最初は武器と鎧です。といってもKensaiはLight Armor以外はProficientしていないのでShieldの装備すらままなりません。また選択武器以外はSimple WeaponしかProficientしていないので、サブウェポンとしてのRanged Weaponは効果的には利用できないと言って良いでしょう。ですからメインとサブのMelee WeaponだけMagicalな物を用意します。
メインのSpiked Chainは対Demonを想定した作りです。Devilが出てきた場合はSilvesheenを塗って一時的にAlchemical Silver属性を持たせましょう。相手が(Cly)Golemだった場合に備えBlugdeoningでタイプでAdamantine製の武器は必須です。どうせGolem相手にしか使わないのですからConstruct Baneを付けておくのが効果的です。
Chain Shirtに附属したSoulfire属性はBook of Exalted Deedsの物です。この属性はEnargy DraginやDeath Effectを完全に無効化してくれるので、Saving Throwの面に不安があるキャラクタには重宝します。
KensaiはShieldをProficientしていないのですが、ProficientしていないShieldを装備した時には、装備したShieldのArmor Check PenaltyがAttack Roll、移動関連Skill Checkにかかるだけです。つまりArmor Check Penaltyが0であるMasterwork Light Shieldならば、Proficient無しで装備した所でなんら支障はありません。たかだかAC+2の為に9000gp余りも支払うのか、と思われるかもしれませんが、仲間のClrから、Caster Levelが最低12のMagic Vestmentをかけてもらえるならば、ShieldによるAC上昇は+4になります。つまり比較的近い属性のACを提供するAmulet of Natural Armor+4が36,000gpもする事を考えれば、安い投資と言えます(同じように鎧にもMagic Vestmentが得られると想定しているのでChain ShirtのEnhancment Bonusを上昇させるのも無意味です)。
このように、ある程度仲間からの支援を考慮した上でキャラクタを作成する事は重要です。
次に雑多なWondrous Itemを選択します。
TripはStrの対抗ロールですから、これを強化しようと考えたらStrを上昇させるのが近道です。当然それに従ってダメージも上昇するので、今回のコンセプトではとても重要な要素となります。それならばBelt of Giant Strength+6を購入すれば良いと考えるかもしれませんが、+6だと36,000gp、+4だと16,000gpで20,000gp追加してStrが+2しかされないのでは効率が悪いです。その20,000gpを他の部分に注いだ方が、断然効率が良いでしょう。
Amulet of Fortune PrevailingはMinitures Handbookに掲載されているItemで、24時間に1度Saving Throwの振り直しが可能になります。致命的なSpellのSTで1を出してしまった時などに便利です。
このキャラクタはMult-classもしておらず、Saving Throwに影響する特殊能力も持たないので極めて呪文に弱いキャラクタです。ですから、資金の許す範囲でCloak of Resistanceは高い物を購入した方が良いでしょう。
Winged Bootsは徒歩以外の移動方法の確保が目的です。
ここまでに購入したMagic Itemの合計金額は109,571gpです。残金は429gp。これでBackpackといった通常Itemを購入しておきましょう。
# 特記の無いMagic ItemはDMGに掲載されている物です。
これで殆ど選択すべき事柄は無くなりました。データを纏めてみましょう。ちょっと見辛いかもしれませんが……。
ECL: 13
Race: Half-Minotaur/Half-Human
Class: Kensai12
Ability Score: Str30+4, Dex12, Con22, Int13, Wis08, Cha08
HD: 12d10+72(132)
AC: 19 (+1dex, +5armor, +2shield, +2natural armor, -1size)
ST: Fort+17, Ref+8, Will+6
Melee Attack: +23(+12BAB, +12str, -1size)
Ranged Atatck: +12(+12BAB, +1dex, -1size)
Speed: 40ft./60ft.fly
Init: +1
Feat: Exotic Weapon Proficiency:Spiked Chain, Combat Expertise, Improved Trip, Power Attack, Combat Reflex, Weapon Focus:Spiked Chain, Weapon Specialization:Spiked Chain, Greater Weapon Focus:Spiked Chain, Greater Weapon Specialization:Spiked Chain, Cleave, Mage Slayer
Skill: Spellcraft3(4), Tumble15(16), Jump5(15), Spot7(8), Listen7(8), Swim6(16)
Special: Chosen Weapon(Spiked Chain), Rain of Blows, Storm of Blows(以上3つはKensaiの特殊能力です), Darkvision60ft., +2 Racial Bonus on Search/Spot/Listen, +4 Racial Bonus against Maze, Gore Attack 1d8
Atk:
+1 Holy Spiked Chain, +29/+24/+19, 2d6+26+2d6, 20/x2, Reach20ft.
+1 Construct Bane Heavy Mace, +24, 2d6+19, 20/x2, Reach10ft.(Two-handed use)
僕がこのキャラクタに来ると考えている援護魔法はGreater Magic Weapon(Caster Level17)、Magic Vestment*2(Caster Level17)、Magic Circle Against Evil、Hasteあたりです。これらのブースト後ならば
AC26/28(+1dex, +8armor, +5shield, +2natural, -1size, +1dodge, +2deflection against evil)
Atk
+4 Holy Spiked Chain, +33/+33/+28/+23, 2d6+29+2d6
となります。