Power Player Character Creation 1

 今回はD&D3.5Eに於ける高レベルキャラクタの作成について話したいと思います。

用語定義

 些かも誤解を受けない文章を記述するというのは、思う程に簡単な事ではりません。こと専門用語やその分野でしか利用されない造語が多用される場合は、誤解を生まない可能性は極めて低いと言ってよいでしょう。誤解の度合を少なくするには、あらかじめそのドキュメントで利用する、一般的でない用語の(そのドキュメントに於ける)定義を示すのが効果的です。

 さて、D&Dプレイヤの間には「パワープレイヤ」という敬称のような――或いは蔑称のような――呼称があります。それが敬称か蔑称かは兎も角、ある一定の性質を備えたD&Dプレイヤの集合を指している事は確かです(素直は良い印象の表現であり、愚鈍は悪い印象の表現ですが、ほぼ同じ集合を指し示している事と同じ現象です)。多くのD&Dゲーマにとって「パワープレイヤ」というのは「ルールに詳しく、それを活用したプレイをしている人」という定義だと認識されています。

 しかしパワープレイヤには、明確な閾値がある訳ではりません。「AとBとCのルールを知っていればパワープレイヤだ」とか「ウィザードオブザコーストの開催するトーナメントで、予選通過すればパワープレイヤと言える」というような、基準は無いということです。畢竟、ルールの詳しさ(習熟度)というのは、他人との比較の問題でしかありません。つまり絶対的な評価があるのではなく「AさんはBさんよりルールに詳しい」という方法でしか評価できないのです。

 印象論でしかありませんが、D&Dゲーマをルール習熟度でランク付けし、それを大雑把に10のレベルに分けるとしたら、僕自身は下から5番目の集合に入るのではないかと考えています(これはあくまでルール習熟度のレベルであり、ルール以外の部分を含むゲーミングやマスタリングのレベルでは無い事に注意して下さい)。

 また僕自身は、観測する限り以下のような評価を受けているようです。

1-2レベルの人からの評価
ルールに詳しく説明も丁寧だが、D&D原理主義者めいているので、あまり近寄りたくない。
3-4レベルの人からの評価
ルール至上主義のパワープレイヤなので、質問する分には便利だが、一緒にプレイするのは御免被る。
5-6レベルの人からの評価
同じ穴の貉《むじな》。
7-8レベルの人からの評価
ルール運用がいい加減なプレイヤ。もうちょっとしっかりとルールを把握しないと、周囲のゲーマに迷惑。

 9-10レベルの人からの評価が無いのは、9-10レベルというのを「ゲームデザイナレベル」だと僕が考えており、且つ僕はそういう人々と交流が無いからです。

パワープレイヤは吝嗇?

 自己評価:5レベルの僕から見て、多くの7、8レベルの人(この集合をパワープレイヤと呼ぶことにします)は、どうも自分のルール知識を披露する事に対して吝嗇なように感じます。特に相手が4レベル以下の場合には、その傾向が強いようです。またピンポイントな問題には答えてくれますが、漠然とした疑問には解答しないようにも見えます。例えば「SquidにWild ShapeしたDruidが、Girallon's Blessingで腕を増やした時の攻撃回数とそれぞれのBase Attack Bonusの扱いはどうなりますか」という問題ならば答えて(或いは一緒に考えたり調べたりして)くれますが、「そんなに強いキャラクタを、どうやって作ったんですか」という質問には全くと言って良いほど解答してくれないのです。

 どうも注意深く観察してみると、パワープレイヤの人々は、質問に解答する事で、(ルール習熟という観点から)自分にも利益があると判断した場合しか答えてくれないようです。しかし、これは非常に納得のいく方針です。解答という行為には、それなりの時間と調査を要します。例に上げたDruidの質問ならば、まずWild Shape(Polymorphの説明も読む必要があります)、Girallon's Blessingの詳細を再読し、MonsterのMultiattackについても再確認を行ない、FAQやErrataを確認した上で明確な答えが無い場合は、他の判例から自分が妥当だと考える答えを導き出す必要があるのです。その上で、正確な用語を用い、分かりやすい文章で、適度に整形したテキストを作成しなければいけないのです。

 これは、なまなかの事ではありません。賃金を得てサポートするならば別ですが、ボランティアで解答するとなれば、解答者が自ら解答という行為自体に利益を見い出せなければ心情的には辛い所でしょう。また、一所懸命のルールを読み自ら会得した強力なキャラクタ作成方法を、みすみす他人に晒してしまうというのも、考えてみれば阿呆らしい話です。世の中にはコンサルタントのように、そういったノウハウを提供する事で賃金を得ている人がいるのですから。

 かと言って、質問者にすれば解答してもらえなかったり、はぐらかされたりするのは面白くありません。自分がルール習熟度で劣る故に、質問したのですから的確な問題提起をする事で解答者に利する事も難しいでしょう。「解答者の利益になるような情報を提供したいが、自分はそういったものを持っていない。しかし質問には解答してもらいたい」と考える筈です。昔は僕がそうでした(そして多くの質問には解答してもらえませんでした)。

 前述のように、僕は主観的にパワープレイヤではありません。しかしながら、4レベル以下の人に意義のある情報を提供する事は可能です。そこで、恐らくパワープレイヤのお歴々からの最も解答率の低い質問である「そのキャラクタどうやって作ったんですか」に、僕なりの解答をしようと思います。

# ちなみに、ここまでのテキストはD&Dを*BSD/Linuxに、パワープレイヤをハッカに、そしてゲーム用語を*BSD/Linux用語にするとそのままPC-Unixの世界にも当てはまります。

高レベルキャラクタ作成レギュレーション

 高レベルキャラクタを作成すれる場合、そのレギュレーションを明確にする事が極めて重要です。開始経験点、所持金、採用ルール、採用オプション等々。レベルが高い故に選択肢も多い為、特定のキャラクタに有利不利が発生しないように慎重にレギュレーション決定する必要があります。

 今回は僕なりに癖の無いレギュレーションにしてみました。

 ECL(Effective Character Levels)を13に設定したのは、7th Level Spellが出始めるこのECLが、主観的な高レベルの閾値だからです。またStarting XPが+2,000xpとなっているのは、XP Componentが必要なSpellやMagic Itemを自作する場合を考慮した為です。

4人のキャラクタ

 次回からは例として4人のキャラクタを作成していきます。前提として、この4キャラクタはパーティを組んでいる物として、お互いに連携を取れるものとします(但しキャラクタ作成の段階では、金品のやりとりは行ないません)。4人はぞれぞれ、

という方針で作成してきます。