Lich Queen Beloved : Incursion Vol.1

 2004年6月から開始したD&D3.5Eのキャンペーンのプレイレポートです。シナリオはDungeon Magazine #100に掲載された『Lich Queen Beloved』を利用しています。ネタバレが含まれていますので、注意して下さい。

Prolog

 共通歴五九四年フロックタイムの月、フラネス大陸上空に突如出現した飛空要塞。全ギスヤンキの頂点に立つ不死の女王ブラーキス一五六世は、大量のギスヤンキ兵とレッドドラゴン軍団を持ってして、瞬く間にファーヨンディを征服した。

 現在のブラーキス軍は、ファーヨンディから北上しアイウーズ帝国の領土を侵略中である。皮肉な事に、善なるフラネスの住民全てにとって憎むべき相手であるアイウーズの軍勢がギスヤンキの侵攻を留めているのだ。

 前大戦で大国の殆どが疲弊した今、フラネス大陸最強の軍隊を持つのはアイウーズ帝国に他ならない。即ち、北の魔王が破れた時ブラーキスの侵略を止められる軍隊はこの大陸には存在しない。

3 day, Wealsun, CY594 in City of Greyhawk

 グレイホーク市にある冒険者御用達の宿シルバードラゴンズ・インにフラネスでも屈指の実力を持つ五人の冒険者が集合した。

 そこへ、ギスヤンキとギスゼライという不思議な二人組みが登場した。彼らは五人に向かって言った。

「ギスヤンキ軍の将軍ゼチヤから皆様に相談があります。もし現在ブラーキス女王によって侵攻中の戦争を止めたければ、アストラルプレーンにあるギスヤンキの首都タラマスまで来て下さい」

 丸二日かけて依頼の裏を取り、ゼチヤ将軍が現時点では信頼できそうだと言う事で、彼らはタラマスへ向かった。

5 day, Wealsun, CY594 in Githyanki City of Taramath

 ゼチヤ将軍の話は単刀直入であった。

「君達の手で、ブラーキスを殺して欲しい」

 我々のメリットは? とすかさず問うと「侵略戦争が終結する事だ」と彼は言う。話を聞いてみると、女王は力――彼女は強力な魔術師であり、しかも不死のリッチである――と恐怖でギスヤンキを支配しているが、ギスヤンキの中には彼女の政策に反対の者もいる。当然将軍自身も反対派の一人である。
 しかしながら、ある一定以上の力を手に入れてしまったギスヤンキは、反逆を恐れるブラーキス自身によって処刑されるか、彼女に忠実なアンデッドにされてしまう。その為、ギスヤンキの勢力では、どうしても女王を暗殺する事はできないのだ。

 準備費用として一人頭一万gpと、女王の宮殿で入手したアイテムは彼等の所有物にして良いという契約で、五人は不死の女王を狙う刺客となった。

6 day, Wealsun, CY594 in Githyanki City of Taramath

 ブラーキスの宮殿は、タラマスの最北端にある。そこに入るのは意外に簡単だった。しかし、玄関から先は一筋縄ではいかない。正面の扉を開けると、そこにはレッドドラゴンとギスヤンキのサイオンが居た。更に、左右の扉が開きレッドドラゴンの皮膚を持ったギスヤンキのサイキック・ウォリアーが五人現われた。

 戦闘は苛烈を極めた。ギスヤンキのサイオンが逃げた時、立っていたのはアルスターとアンドレだけだったのだ。彼らは即座に転進し、一旦グレイホーク市に戻って死者を復活させた(ギスヤンキには聖職者がいないのだ)。
 全員がマインドブランク状態にあった以上、五人の刺客の正体が女王の勢力に知れる心配は無い。かといって時間を与えてしまい、襲撃に対する十分な対策を構じられると厄介である。翌々日にすぐさま、再突入する事が決定された。

8 day, Wealsun, CY594 in Githyanki City of Taramath

 再突入すると、最早入口に兵士は存在しなかった。そのまま宮殿内を直進すると、唐突に女王の居る広間へと出た。ブラーキスを発見するや否や、迷う事なく刺客は一斉に攻撃を開始した。
 クーガーのモルデンカイネンズ・ディスジャンクションで一瞬にして相手の魔法的な防御を剥ぎとり、畳みかけるようなアルスターのエナジィ・ウェーブによる連続攻撃で、親衛隊の多くが散った。ブラーキスもやはりモルデンカイネンズ・ディスジャンクションを使い、そして次に呪文を唱えたかと思うと、何の前触れも無しに広間の入口に小山ほどもある巨大なレッドドラゴンが出現していた。
 レッドドラゴンの強烈な炎の吐息によって、クーガーとゼルバーが倒れ、次に別のドラゴンの猛攻によってジェットが倒れた。アンドレも全身に傷を負っており、絶対絶命と判断したアルスターは瞬時に全員の死体とアンドレを回収し、宮殿から転移してゼチヤ将軍の下へと一旦帰還した。

10 day, Wealsun, CY594 in City of Greyhawk

「あれは正面から相手取って、どうにかなる相手ではないね」

 ドワーフの戦士であるジェットは、開口一番そう言った。
 確かにタイム・ストップゲートの呪文を連発してくる強力な魔術師の居城に正面から乗り込んで撃破するのは難しい。しかし如何な大魔術師と言えども呪文の力を奪ってしまえば恐くはない。宮殿内にテレポートアウトが可能な以上、相手の不意を打って呪文を行使する力を奪ってしまえば良いのだ。
 勝利すれば莫大な財宝が手に入る事は確実である事もあり、彼らは金に糸目を付けずに準備を行なった。

11 day, Wealsun, CY594 in Githyanki City of Taramath

 どのような強力な相手でも、然るべき準備を整えて戦う事ができれば簡単に攻略する事ができてしまうものである。
 全ての準備を終えた上で、ブラーキスが待ち構えている部屋へテレポートアウトした。ゼルバーが唱えたアンチ・マジック・フィールドで女王を囲繞し、そこへミスタラの信徒に与えられた力を用いてクーガーが強力はハンマー・オブ・ライタスネスを打ち込んだ。たったそれだけで、リッチクイーンは消滅した。

 しかし彼らにはまだ、女王ブラーキス一五六世が持つリッチのフィラクタリィを探し破壊する任務があった。