賢者に聞け!

 僕達は、Sage(賢者)に沢山の質問をする。しかしSageとはどんな人なのだろうか。Sageは何人くらい居るのだろうか。どんな事を知っているのだろうか。どれ程詳しいのだろうか。僕達はそういった重要な事を知らない。

目次

  1. はじめに
  2. Sageとは
  3. Sageへの謝礼
  4. Sageの人数
  5. Sageの能力
    1. Class Skillの決定
    2. Skill Pointの決定
    3. Skill Rankの決定
    4. Featの決定
  6. さいごに

1.はじめに

 多くのDMは、キャラクタが町の賢者に質問をすると言い出した時、その賢者がどの様な能力で何を知っているのかを、すぐに決定できずに困っている事でしょう。本稿では、恣意が入る余地なくSageの人数や能力を決定できるメソッドを提供します。

 本稿では以下の環境及びユーザの知識レベルを想定しています

2.Sageとは

 "Sage"とは、どういう人の事でしょうか。3.5E版DMGによれば、

Sage : A researcher, a scholar, or a wise, educated person who provides information.You Should assign a time period required to research the answer to a question, which may be as short as an hour or as long as a month or more (depending both on the difficuluty of the question and the likelihood that the sage knows the answer or can find it quickly). More renowned sages demand higher fees, particularly for *fiffiult* areas of research.

DMG 106 page

 とあります。つまり、報酬と交換で情報を提供する人、或いは必要な情報を調査してくれる人です。

 本稿で、"Sage"と言った場合、次の様なNPCを指す事にします

  1. ClassはExpertである。
  2. Knowledge Skillを1つ、或いはそれ以上持っている。
  3. 他人に有用な助言をする事で賃金を得ている。
  4. Primary Ability ScoreはIntelligenceである。
  5. Skip Willamでは無い。

3.Sageへの謝礼

 Sageも無料では、助言をしてくれません。しかるべき対価があるからこそ、その深遠な知識を僕達に披露してくれるのです。では、Sageにはどれくらいの謝礼をすれば良いのでしょうか。

 DMGとA&EGには、Sageを雇う場合の費用が載っています。共に1日当たりの費用ですが2 or more gpとあります。要するに「2gpかそれ以上」ですが、これでは良く分かりません。2[gp]では駄目なのでしょうか。また、1 LevelのSageと20 LevelのSageで同じ金額で良いのでしょうか。残念ながら、これらの問いに対する、明確な回答はルールブックにはありません。しかしながら、別のデータから推測する事が可能です。

 A&EGの63ページには、各種Mercenary(傭兵)の雇用費が掲載されてます。これらの費用は、傭兵の装備とレベルによって変化しています。装備が同じならば、雇用費はレベルに比例した値になっている事がすぐに分かるでしょう。つまり、1 LevelのLight Mercenary(軽装歩兵)なら2[sp/day]、5 LevelのLight Mercenaryなら10[sp/day]です。

 また、DMG105ページのTableX-Y、A&EG62ページのTableM-NのHireling cost及びそれに付随する説明を読むと、そこに書かれている費用で雇ったHireling(雇い人)は、特記が無い限り1 LevelのNPCだと言う事が分かります。

 判明した事をまとめると以下の様になります。

  1. Sageの雇用費は2gp以上。
  2. 傭兵の雇用費はレベルに比例。
  3. 雇用費が明記されているHirelingは原則1 Level NPC。

 これらの事実から、次の様な論理展開が可能です。

 (3)故に、Sageの雇用費"2gp or more"も1 LevelのSageの価格であり、傭兵と同じく雇用費はLevelに比例させるのが妥当と考えられます。また、DMGには短期雇用の場合雇用費は倍から3倍になると書かれています。これを鑑み、予想しうる最大の謝礼の額という事で3倍になると仮定します。

 という事で、謝礼の額が決定しました。【Sage Level×2gp×3】です。

4.Sageの人数

 次に、その都市に存在するSageの人数を知りましょう。DMGのTown Creationルールを使えば、その都市に存在各Classの人数とLevelを決定可能です。まずは、これを使って、都市に存在するExpertの人数とそれぞれのLevelを決定しましょう。これが、Sageになる可能性があるNPCの母集団です。

 僕は上の文章で、敢えて「Sageになる可能性」と言いました。「Sageである可能性」では無く、です。何故なら、現時点では単にExpertの人数とLevelが判明しただけで、そのExpertがどのようなSkillを取得しているのかが、未知です。つまり、彼女等の中には全くKnowledge Skillを持っていないNPCも存在する訳です。

 では、彼女等の能力を決定し、誰がどの位有能なSageなのかを知りましょう。

5.Sageの能力

 前段で判明したExpertの人数回だけ、以下の処理を行ないSageに関連する能力(主としてSkill)だけを決定していきます。これから説明するランダムな方法で能力を決めていくと、中には全くKnowledge Skillを持たないNPCも出てくるでしょう。そういったExpert達はSageでは無い別の職に就いているのです。

5-i.Class Skillの決定

 Expertは任意に決定可能な10個のClass Skillを持ちます。つまり、Expert毎にClass Skillが異なる訳です。ここではます、10個のClass Skillをランダムに決定します。もし、10個のClass Skillを抽出した結果、そのExpertのClass Skillに1つもKnowledge Skillが無い場合、彼女はSageでは無いので、その後の処理を行なう必要はありません。

  1. SkillをA to Zの順番に並べ、上から項番を振ります。この時、Professionについては小分類を考慮せず、1つのSkillとして数えます。一方でCraft、Perform、Knowledgeは小分類も考慮して、別Skillとして並べ表にします。以後この表を【Skill Table】と呼びます。
  2. 上記の方法で並べるとSkillは57個になり、Appraiseが01番、Use Ropeが57番になります。
  3. 1d57を振り、結果の数値に対応する項番のSkillを【Skill Table】から探します。
  4. (3)で得られたSkillがProfessionならば、直ちにClass Skill Listに追加します。Profession以外ならば、既にClass Skill ListにそのSkillが存在しなければ、Listに追加します。
  5. 以後、Class Skillが10個になるまで、このルーチンを繰り返します。

 上記方法でExpertのClass Skillを10個決定しても、まだ尚問題があります。つまりそのExpertがどのSkillをどれだけのRank取得しているか、です。

 この処理をフローチャート化したものが、図1.Class Skill決定アルゴリズム(PNGファイル、3kbyte程度)にあります。

5-ii.Skill Pointの決定

 まず、そのExpertの"Primary Ability Score"を決定する必要があります。単純に1d6して、1ならばStr、2ならばDex、……6ならばChaとすれば良いでしょう。"Primary Ability Score"の値は13です。

 次に、ExpertのRaceを決定します。重要なのはHumanかHalf-Orcかそれ以外か、です。その都市の人口分類によって、Human、Half-Orc、それ以外のRaceである確率を決められます。人口分類についてはDMGの139ページを参照して下さい。もし人口分類がMixedならば、Humanである確率は79%、Half-Orcである確率は1%です。1d100を振り、1-79ならHuman、80ならHalf-Orc、81以上ならそれ以外となります。

 ExpertのSkill Pointは【6+Int】ですから、決定した"Primary Ability Score"と"Race"によって、Level毎のSkill Pointが決定できます。"Primary Ability Score"がIntなら+1、"Race"がHumanなら+1、Half-Orcなら-1です。

 また、"Primary Ability Score"がIntの場合は、4、8、12、16、20 Level時のAbility Increaseに注意して下さい。

5-iii.Skill Rankの決定

  1. 【Skill Table】を用意します。この時、変数CNT=0とする。
  2. 【CNT < Level毎のSkill Point】ならば次へ。そうで無いなら終了。
  3. 1d58を振り、その数値に対応するSkillを【Skill Table】で探します。
  4. (3)で得たSkillがCross Class Skillなら次へ、そうで無いなら(6)へ
  5. (3)で得たCross Class SkillのRankが、(Level+3)/2以下ならばそのSkill Rankに1を足し、(7)へ。そうで無いならば(2)へ戻る。
  6. (3)で得たClass SkillのRankが、Level+3以下ならばそのSkill Rankに1を足し、(7)へ。そうで無いならば(2)へ戻る。
  7. CNTの値に1を足し(2)に戻る。。

 このルーチンでランダムにSkillのRankを決定できます。

 この処理をフローチャート化したものが、図2.Skill Rank決定アルゴリズム(PNGファイル、3kbyte程度)にあります。

5-iv.Featの決定

 まだ残っています。ExpertがSkill Focusを持っている可能性が存在するのです。これもランダムに決定するならば

  1. PHBに掲載されているFeatに項番を振り【Feat Table】を作ります。
  2. 1dXを振り、その番号に対応するFeatを【Feat Table】から探します。
  3. Expertが、そのFeatの取得条件を満しているならばFeatを取得し、満していないならば、振り直します。
  4. 以後、取得可能Feat数だけ繰り返します。

 これで、ようやくSageの能力が決定されました。

6.さいごに

 ここまで延々とSageとは何者で、どうすれば恣意を排除してその能力を決定可能かを検証してきました。しかし、このメソッドは極めて繁雑で、到底セッションの場ですぐに決定する必要がある場合には役に立ちません。更に事前に準備するにしても、やはり面倒な手順と言えます。そんなDMの方々は、ここで説明したメソッドに近い(と考えられる)アルゴリズムで、その能力を自動的にランダムで決定してくれる、NPC Generaterを利用すると良いでしょう。