いろいろ書評

 最近、TRPG(というよりはD&D)ネタばかりなので、書評を書いてみました。

ホーキング、宇宙を語る/スティーヴン・W・ホーキング/早川書房

 「車椅子の天才」ホーキング博士が現代科学を「一般人」に向けて解説した本です。こういった書籍は普通一般人を対象読者にしているにもかかわらず、数式が羅列されがちです。しかしながら、冒頭で筆者自ら語っていますが、この本はその点、神経質なまでに数式を減らす努力をしています。結果本文にはたった1つしか数式がでてきません。
 そういった意味で、今まで数多出版されてきた科学解説本よりは頭一つぬきんでていると言えます。ですが、後半に進むにつれてやはり不可抗力的に科学、とりわけ物理学の知識や素養が必要とされてしまいます。
 それでも、そういった部分を差し引いても知的好奇心が旺盛な人ならば十分に楽しめる書物でしょう。


臨機応答・変問自在2/森博嗣/集英社

 前作と比べると些か面白味が減ったような気がするのは、やはり質問者が書籍化を意識しているからなのでしょうか? それとも返答がマンネリ化しているからでしょうか? しかしながら、そこかしこに森博嗣氏の妙技が冴え渡っているといえると思います。
 細切れに読むことができるので、通勤のお供には最適でしょう。森博嗣氏の文章が好きな方には間違いなくおすすめです。


理系のための恋愛論/酒井冬雪/毎日コミュニケーションズ

 MYCOM PCWEBで連載されている恋愛エッセイを単行本化したもの。恋愛エッセイとかそういった書籍は殆ど読まない(たぶん一度も読んだことがない)僕ですが、「理系のための」というあたりに惹かれて読んでみました。僕は東京都立工業高等専門学校電子情報工学科卒なので、どこに出しても恥ずかしい立派な理系なわけです。
 内容は、身につまされる話が沢山といったところでしょうか。「理系のための」を「ゲーマのための」と置き換えても問題は無く、僕のサイトを訪れているような重度のゲーマ男性にはお勧め。読んでいると本を腹立たしくてビリビリに破り裂きたくなるようなところもありますが(つまりそれだけ内容が現実に即しているということです)、総じて楽しめるでしょう。


哲学者かく笑えり/土屋賢二/講談社

 土屋賢二氏のユーモアエッセイ集。文春文庫から発売されている一連のシリーズと比較すると1エッセイの長さが長くじっくり楽しめます。相変わらずのナンセンスジョークが全編に冴え渡っています。
 自分でウェブサイトを持っていたりして、おもしろい文章を書きたいと思う人ならば読んで損はないでしょう。そういう人でなくても、呵々大笑したいときに読むといいかと。


名探偵はもういない/霧舎巧/原書房

 霧舎巧氏の本格ミステリ。なんというか霧舎氏は良い意味でも悪い意味でも「こてこてのミステリ作家」という感じです。特にこの本はその観が強く、本格ミステリが好きであるか或いは寛大な人でなければ「見苦しい」と言える部分が多々あるでしょう。僕はとても好きですけど。一言で言うと「探偵小説好きによる探偵小説好きの為の探偵小説」ですね。


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