Jornada728

 パソコンオタクというのは一体どういう人の事を指すのだろうか。考えてみると漠然としていてよく分からない言葉だ。例えば、様々なWindowsアプリケーションに精通していて、用途に応じてソフトウェアを使い回しパソコンを使って要領良く諸事をこなす人。一人暮らしなのにマシンが数台ありサーバやLANを構築している人。最新のハードウェア事情に詳しく、しょっちゅう自分のマシンを改造しパーツをあれこれ入れ替えている人。とにかく新しい物好きでWindows、Mac、UNIXなどどんなOSでも一通り使える人。鞄を開けるとノートパソコン、Pocket PC、Palm、Handheld PC、その他モバイル機器がぎっしり詰まっている人等、様々である。
 僕が思うに「パソコンオタク」というのは、パソコン或いはそれに準ずる物(PDAとか)に対してなんらかの「こだわり」と言えるものを持っている人の事を言うのではあるまいか。僕の周囲にいる人物で挙げるならば、兎に角パソコンを自作する事が好きでしかも新しいテクノロジィに惹かれる彼。半年に一度はパソコンを自作している様だし彼が今使っているパソコンはマルチCPUでしかもRAIDを組んでいた筈だ。或いは、NECの98シリーズが好きで、既に時代遅れになりながらも足繁く『ファーストポイント』に通い数台の98マシンを駆使する先輩。こういった人達の事を「オタク」と呼ぶのだと思う。

 僕はどんな事にこだわっているだろうか。
 ハードウェア事情にはてんで疎い。チップセットの事なんて全然知らないしマシンの自作なんてここ数年していない。高性能なマシンに興味があるわけでも無い。元々重い処理をするようなアプリケーションは使わない。では色々なソフトウェアを使いこなしているだろうか。否、僕が使うソフトといえばBecky!、秀丸、あとはATOK程度だ。モバイル好きだろうか。確かにノートパソコンは名機の名高いIBMのXシリーズで、利用しているPocket PCもアメリカでは絶大な人気を誇ったCOMPAQのiPAQH3630である。AirH"もP-inも持っている。しかしながらこだわりがあるというレベルではない。便利だから使用しているだけ。
 では何か?
 僕は自分でも分かり易い程に、一点だけ執拗なまでに気にしているところがある(実は四〇九六個は重要視している点があるが、その内二〇四八個は忘れてしまい一〇二四個は訳があって話すことが出来ず残りは内容が重なっているのである)。
 キーボード、だ。このインチキ文士がパソコンを買ったそのときから気にしているのたのはキーボード、それだけだった。だからこそ自宅のデスクトップマシンのキーボードは「超」の付く老舗であるUNICOMPの101キーボードだし、ノートパソコンは、昔からずっとキーボードにこだわりをもって作られてきたThinkPadなのだ。

 長い前置きだったが(まだ続くのか!? と驚かないでほしい)、PDAの中でも特にHandheld PCという呼ばれる種類のデバイスがある。日本だけのカテゴライズらしいがHandheld PCと言うと、ノートパソコンを小さくしたような形でキーボードが付属しているPDAを指す。今使っているiPAQも購入してから一年が経過し、バッテリも劣化してきてしまった(これは僕の使い方に問題があるのだが)。そんなわけで新しいPDAを購入しようかと金も無いのに考えていたりするわけだ。今度買うならPalmかHandheld PCにしようとかねてから思っていた。しかしPalmは現在OS5が出たばかりで今後の動向を見守り見切りが付いてから手を出したいというのもあり、Handheld PCに物欲の白羽の矢が立ったのだった。
 僕は新しい物好きでは無いので最新の製品である事にそれほど価値を見いだしていない。まあせいぜいパソコンオタクの友人に自慢できる程度の価値しか無いと思っている(それはそれで大変すばらしいが)。
 Handheld PCには比較的小さな物と「大型ハンドヘルド」と呼ばれるサブノートパソコンに匹敵するほどの大きさの物がある。そしてキーボードの良いHandheld PCと言えばNECの「モバギ」ことMobile Gearシリーズが真っ先に思い付く。モバギシリーズは大型ハンドヘルドの代表格みたいな存在であり、PDAとしてはかなり巨大だ。その分、キーピッチもキーストロークも十分にあり定評が高い。
 しかしながら、僕の鞄の中身はというとThinkPadX23+ACアダプタ、iPAQH3630、F211i、AirH"、P-in m@ster、ケーブル各種、小説一冊、その他小物という感じで現状でもかなり重い。これを担いで新宿を一回りすると肩が痛くなりついには関節が外れ右手がだらりと垂れ地面に引きずって血みどろになるほどである。要するに大型ハンドヘルドなんて買った日には更に重くなり今度は左腕も血みどろになってしまうかもしれないである。
 というわけで必然的に選択肢は小型のHandheld PCになり、現在市場に出回っているものだと(中古を考慮しないならば)NTTのシグマリオンIIかHPのJornada728になる。シグマリオンIIは非常に安いのだが、キーの配列はいまいちだしスロットはコンパクトフラッシュしかないし、AirH"に対するプロテクトがかかっているし、何よりNTTは嫌いだ。一方Jornada728は高価だが、キーの配列はノートパソコンの106系配列を素直に踏襲しているし、スロットはPCカードとコンパクトフラッシュ両方あるし、バッテリ駆動時間は長いし、デザインも好きだ。
 僕は手が大きい――と言うよりは指が長い。人差し指は全長二・五メートルあり、それが一二八個の関節で曲げることが可能なので、小さいHandheld PCは向かないかもしれない。しかし「あの」大きさは実は僕が今まで追い求めていたモバイル物書き環境に最適であるように思う。X23を買った時、これで電車内でも物書きができると喜んだものだが、実際はX23では大きすぎ隣に人がいるとキーボードを打つ場合に、腕が隣の人の邪魔になってしまうことに気が付いた。また一人でバーで飲んでいるときに急に思いついたネタをアウトラインプロセッサとして打ち込むにも場所を取りすぎるし起動にも時間がかかってしまう。何よりバーでノートパソコンを広げるなんて目立ちすぎて、酔っ払いの格好の的になってしまうのだ(何故か一人でフラリと飲みにきた妙齢の美女の格好の的になることは無い)。
 そういう訳で、こっそりとお金を貯めて来年頭には購入しようと思う。


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 今年の12月に邦訳が発売される予定のダンジョンズ&ドラゴンズ日本語版を記念して、2003年1月25日(土)に『ニュー・チャレンジャー』というコンベンションが開催されます。日本語版が発売された直後のタイミングで、遊んでみたいと思っている人も沢山いるでしょうから、興味のある方はウェブサイトを見てみてください。


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