第13章:ミケロとカーム 「さぁ、来い!何が目的だ?」  イオンが大声をあげた。 「フッ……なぁに、ほんのつまらない用ですよ。」  そう言いながら二人の男が現れた。  一人は色白の目だけがぎょろりとした男。もう一人はやせぎすの、薄く笑いな がら喋っている男。二人とも、漆黒のローブを身に纏い、魔術の助けとなる特有 の杖を持っていた。 「私の名前はミケロ・アリエス。以後、お見知り置きを。」  やせぎすは言葉を続けた。 「はっ。そう言うところを見ると、自信過剰の自意識過剰の三流魔術師のようだ ね。」  テントから出てきたキリが、挑発なのか嘲りの言葉をかけた。  だがミケロと名乗った魔術師は、自信に満ちた笑いであっさりかわした。 「私が三流ならば、あなた方は三流以下ということになるでしょうね。」  実際に、二人の魔導師は強かった。ある程度以上の魔術が扱える者は、相手の 魔法の気から力量を推測できる。ここにいる二人は、魔法の使える者から見れば 間違いなく一流か、それ以上の実力を持っていた。ここにいる全員でも、勝てる かどうか分からない。 「で、用っていうのは何なんだ? 俺達は明日も早いんで、手短に頼むぜ。」  タップが、軽口のように相手に問うた。  ミケロはエリネを見やり、質問に答えた。 「そこにいるお嬢さんを引き渡してもらえませんか?」  皆が、一斉にエリネを見た。 「どういう……つもりだ。ただの誘拐ってわけじゃなさそうだな。」 「それは各々で考えてもらいましょう。」  ユノーのかまかけをまたもあっさりかわし、ミケロは再度問うた。 「それで……答は?」  パーティーに、戦慄が走った……。 ”風向き未定”南河 −みなみかわ−