第12章:気配  最初に見張りに立ったが、さすがに旅の疲れが出てきたのか、慣れてないエリネ はともすればうつらうつらしがちであった。 フィラント「エリネ、初めてなんだから、あまり無理しなくてもいいよ。見張りは   私達2人でもなんとかなると思うから………」 エリネ「いえ、もう少しやらせてください。私とて仲間の1人ですから、決められ た事は守らせてください。」  フィラントは半ば苦笑していた。見掛けによらず芯の強い奴なのかもしれない。 そこへ、イオンがテントから出てきた。 メロゥス「どうした。イオン。まだ交代には早いぞ。」 イオン「い、いや、ちょっと寝付かれなくてな。」 メロゥス「そうか………久しぶりの旅で緊張でもしたのかい?」 イオン「そ、そういう訳でもないのだが………」  と、その時、イオンの耳がピクリと動き、表情が険しくなった。エルフほどとま ではいかないが、ハーフエルフの聴力は人の何倍もある。メロゥスがイオンの変化 に気が付く。 メロゥス「ど、どうした。」 イオン「シッ、静かにして。」  フィラントも、狩猟民の鋭い勘で何かを感じたのか、武器を手に取って身構えて いる。エリネはフィラントのただならぬ気配に気付き、とりあえず皆を起こそうと、 テントの方に向かう。 イオン「これは………やっかいだな。」 メロゥス「魔法の気をびしぱし感じるな」 フィラント「2人か3人って所だな。人数が少ない所がかえって無気味だ」  どうやら盗賊の類では無い事は確実だろう。普通の盗賊なら、10人以上の群れ をなして囲いこんでくる筈である。 イオン「さぁ、来い!何が目的だ?」  イオンが大声をあげた。 サイバラ