第3章:シュペーア  薄暗い部屋に3人の男達がいた。  一人は色白で、頭から真っ黒いフードをかぶっていて、手には魔道士特有の  特徴ある杖を持っている。  一人は地味ながらも高級な生地を使っている洋服を着ていた。  顔に生やした髭のおかげで、年齢はわからない。  「カーム。始めてくれ」  カームと呼ばれた、黒フードの男は杖を振るい、壁に一人の少女を映し出し  た。幻影(イリュージョン)の魔法である。  もう一人の男は、その少女の姿をみて言った。  「なるほど。この娘さんを連れてくれば良いのですね?」  髭男は黙ったまま、うなずいた。  「カーム。おまえはこの方の御手伝いをしろ」  「コンな奴イラなイ。オれヒトリだけデ、ジュうブンだ」  「カーム。これは命令だ」  「...............」  「カーム。わかったのか?」  「.....わかった」  「そういうこで、よろしいでしょうか? ミケロ殿」  髭男はもう一人の男に話しかけた。  「いいでしょう。任務を確実に遂行するためですし」  「すみませんね。まったく、冒険者などになりたいなどと言って家を飛び出   してしまって.....」  「娘さんの名前はなんでした?」  「エリネ・ライサですよ」  「わかりました。この華麗なる天才 ミケロ・アリエス にお任せを!!」    薄暗い部屋から出ていく、カームとミケロ。  残された髭男がこうつぶやいたのを、二人は知らないだろう。  「せいぜい、上手くやることだな。   所詮おまえらは死ぬ運命にあるのだから」  暗闇に笑い声が高らかとこだました。 BY 真田