第20章:ユノー一行またもや酒盛り


タップ「もうネを上げたのか。エリネ、根性無いなぁ。」

 エリネはネミラの街に着いてから、何がしか考え事をしているようで、ボーっと
物想いにふけっている事が多かった。そんな様子を見かねたタップがこの際に、と
無理に酒を飲ませたのだが、コップ1杯であっさり熟睡してしまった。

フィラント「そりゃぁ、酒は初めてなんだって言ってたから酔い易いのは当たり前
  では?」
タップ「それでも早すぎるよぉ。わいなんか、初めて飲んだ時はだなぁ、
樽1個くらい空けてもまだまだ平気だったんだぞぉ」
メロゥス「まぁ、何か思い悩んでいたようでしたから、今は彼女はゆっくり休んで
 頂いた方がいいでしょう。そういう意味ではこれで良いのかもしれませ
 んね。」
イオン「しょうがないなぁ。とりあえず今夜はここで泊まるか。」
ユノー「そうだな。お〜い、マスタぁ、上の部屋、どこか空いてないか?」

 マスターの話では、この食糧難で普通の旅人は最初から避けて通るため、部屋は
かなり空いているとの事。今は賑やかな酒場も、ほとんどが船夫で、船の中で泊ま
るのだどいう。それじゃぁ、という訳で金も余裕がある事だし、ここはひとつ豪勢
に男部屋2つと女部屋1つを取る事にした。部屋が決まると、エリネはキリとメロ
ゥスに支えられながら上に上がっていった。
 キリとメロゥスに支えられながらおぼつかない足取りで階段を登っていくエリネ
を見ながらつぶやく。

ユノー「そういや、あのミケロとかいう奴の話はまだ終わっていないんだったな。」
イオン「そうですね。エリネさんをさらっていくようなそぶりを見せましたしね。
あれほどの魔道師を相手になんとか出来ないものかな。」
ユノー「嫌だったら別に抜けてもいいんだぜ。一応仕事は終わったんだし、メンバ
ーを解散したって構わないんだが。」
フィラント「まさか。一度仲間となった以上、最後まで面倒を見ますよ。そもそも、
  このまま別れたら後味が悪いです。」

 フィラントはなぜか顔を赤らめながら言う。

タップ「そうさなぁ。しかし、これからエリネを守るってのも大変だぞ。しかも
無報酬だぞ。それでもいいのか。」
フィラント「もちろん!」
ユノー「それでこそ冒険者だな。まぁ、とりあえず今日の所は飲もう。具体的な話
は明日の朝にしよう。」
タップ「とりあえずこんなに人がいるんだ。今夜の所は襲ってくる事は無いだろう
よ。」

 時は過ぎて翌日の朝。朝食の席で、メンバー全員がテーブルについて落ち着いた
朝食をとっている。もっとも、一部の人は二日酔いで痛む頭を抱えてはいたが。

ユノー「さて、みんな。ここにいつまでも居ても仕方が無い。どこに行こうか。」
イオン「折角まとまった金があるんだから、しばらくここに居てもいいだろう」
キリ「そういう訳にもいかないんじゃない?この街は食料が不足気味なんだし、こ
   こにはよそ者は居ない方が良いと思うんだけど。」
タップ「そうかなぁ、あの魔道士、あいつはかなりのものなんだろう?そういう奴
が私達を付け回しているとなると、下手にこの街を動かなねぇ方がいいと
思うんだ。周囲に人が大勢いるとうかつに魔法は使えないだろうし、万が
一大規模な魔法が使われたとしたら街の護衛隊が黙っちゃいないだろうよ。」
メロゥス「じゃぁ、どうする?」
フィラント「エリネはどうすればいいと思う?」

 一同の視線はエリネに注がれた。

エリネ「わ、私………」

サイバラ


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