やっと見つけた「本当の貴方」
硬く縮こまる貴方を抱きしめて
白い唇にそっとくちづけをした
貴方がなにもいえなくなってから
いったいどのくらいの月日が流れただろう。
冷たく凍えてゆく貴方を 誰が救えたのだろうか?
消えていった過去の残像も
今では美しく色褪せて
揺らめく灯火に照らし出されている
空虚な眼窩には蒼い石を
柔らかかった紅い唇には
白い芥子の花びらを
艶やかだった手足の爪は
鳳仙花で淡く染めて
豊かに流れていた黒髪は
梳いて美しく結い上げて……
細くなった指から抜け落ちた銀色の鎖
永遠を誓い合った絆の証
その輪が落ちたとき
僕は貴方から開放された
そして、いまは
白く美しい貴方の傍らで
悠久の時を紡いでいる
幾重にも薄いヴェールで
美しい貴方を誰の眼にも触れさせないよう
誰の瞳も奪わぬように
ひそやかに時の合間に身を埋めている