□蛹 LONG□
[秘密 其ノ一]
それらはおおむね...
それらは概ね ハネツキアタマのアノ子の帰りを待つ わたくしどもが
デタラメに吹く口笛を薄くのばして作った風車でありますゆえ…。
※このへん聞き取れない
マァ、「虚飾は最上級」とでも申しますか…あはは、うふふ。
くるくるクルクルくるクル来る来る繰る繰るくるりん
まわるかざぐるま
廻る風車
嗚呼、マタ帰ッテキタ。
おかえりなさい
『おかえりなさい』
[秘密 其ノニ]
おのないあかいめをしたこいぬがかれにとう
尾のない赤い目をした子犬が彼に問う
おつきさまがてらしてくれたひみつ
(そうそう、これも『お月サマが照らしてくれた秘密』なのですが、)
それははねかしらん?と
「それは羽かしらん?」と。
ほうきぼしにみちびかれてここまできたんだと
ほうき星に導かれてここまで来たんだと…。
くぅるり まわる はねはおれた
くぅるり まわる 風車は折れた。
[アノ子何処ノ子]
ひとはだこいしい おそれのおやまで ぼくはうぶごえをあげました
人肌恋しい 恐れのお山で僕は産声をあげました。
かたかた かぜとかざぐるま ちょうりつはおこのみで
カタカタ…風と風車、調律はお好みで。
かあさまはおとのないひとで なけどもなけども
母様は音の無い人で 泣けども 泣けども
つめかじりとびまわっていた
爪かじり 飛び回っていた。
きえだといっていた
『帰依』だとおっしゃっていた。
(ああ)ざんげつにおいのり
「残月にお祈り。」
よらばたいじゅのかげだね
「寄らば大樹の陰だね!」
そう だれよりもずっと やさしくされたいのでしょう
「そう(笑)。誰よりもずっと、優しくされたいのでしょう?」
らーららーときみはいう したをまわしながら
ラ〜ララ〜と貴方は言う。舌を回しながら。
せんのめがこわくて
千の目が恐くて
なきながらつきにおいのりした
泣きながら月にお祈りした。
あおよりはくだく しろよりあおいてんじょうのげっこうをもってはじめて
〜青より白濁 白より蒼い天上の月光を以って初めて
せんめいにうかびあがるせんのはねをあたまにぬいつけたけっか
鮮明に浮かび上がる千の羽を頭に縫い付けた結果〜
ちよりもひくいそらへとのぼりましょう
地よりも低い空へと昇りましょう。
きみが
『君が』
きれいなーと はははみてくれた
「綺麗ナー。」と、母は見てくれた。
ひらひら ひらひら せんまいば
ひらひら ひらひら 千枚羽
あいもかわらずうたをうたう おとがないねかあさま
相も変わらず唄を歌う。でも音がないね、母様。
※ふるえるぎんのなみ
震える銀の波
いのりねがいのだいしょう ずるりとわたしからのびていく
祈り・願いの代償=ズルリと頭から伸びていく
はははわらっていた
母は笑っていた。
(※と同時)つきへとのびていくははをおいかけてなきさけぶぼくのうしろで
『月へと伸びていく母を追いかけて泣き叫ぶ僕のうしろで
はねはしずかに ただしずかに ゆれていた
ハネは静かに・・ただ静かに・・ゆれていた』
ああ はねはからからとおとをたててながれていく
ああ・・風車はカラカラと音を立てて流れていく・・・
ながれていく
流れていく・・・。
ほほえみだけをのこして
微笑みだけを残して。
あかいそらのまどにきえていくははをよぶ
赤い空の窓に消えていく母を呼ぶ。
うたをうたった のどがかれるほど
唄を歌った 咽がかれるほど。
おさなきうたごえをのせたつきのしずくは
幼き歌声をのせた 月の雫は
ふりそそぐひかりのおびにとけてほしになる
降り注ぐ光のおびに溶けて星になる。
つよくねぇ そうたかくせのびしたよ おつきさま
つよくねぇ・・そう高く背伸びしたよ お月サマ
そらへとおちていく
空へと落ちていく
『アラマア、お帰りなさい。』
ハネハハエマシタ?