アップルトゥアップル  私が『アップルトゥアップル』と出会ったのは、2002年のJGCでした(JGCについては別記事を参照)。当時は英語版しかなく、翻訳ペーパー片手にプレイしたのを覚えています。そして2003年のJGCで、今度は日本語版が発売されるのを知りました。しかも幸運なことに、メーカーがテスト用に持ってきた日本語版カードで遊ぶことができました。私は他の参加者と2度プレイし、メーカーの担当者にいくつか思ったことを伝えました。後に製品版のルールを見てみるとその時の意見が反映されていて、ちょっと嬉しかったです。  『アップルトゥアップル』のルールは非常にシンプルです。まず、ジャッジが青りんごカードを1枚山札からめくります。この青りんごカードには形容詞が書いてあります(大きい、クールな、信頼できる、etc...)。ジャッジ以外の人は、その形容詞にふさわしいと思う赤りんごカードを手札から選び、ジャッジに渡します。赤りんごカードには名詞が書いてあります(海、ニューヨーク、ヒトラー、ケネディー暗殺、etc...)。ジャッジは渡された赤りんごカードのうち、もっとも青りんごカードと合っていると思うものを1枚選びます。選ばれたカードを出した人はその青りんごカードを獲得します。その後ジャッジは次の人に移動し、誰かが規定枚数の青りんごカードを獲得するまでゲームは続きます。もちろん規定枚数のカードを獲得した人の勝利です。  このゲームが面白いのは、どの赤りんごカードを選ぶかはジャッジが決めるというシステムのおかげです。例えば「おいしい」に対して「りんご」を選ぶか「キャビア」にするか、はたまた「ビルゲイツ」がふさわしいと思うか、全てはジャッジの個性と感性にかかっています。かといって、「あいつは真面目な性格だから真面目に選ぶに違いない」と思ってまっとうなカードを出しても、冗談で出されたカードがジャッジのツボにハマり、それが選ばれてしまうなんてことがよくあります。おまけに、赤りんごカードの中には「私の」で始まるカードが何枚かあります。この「私」は「ジャッジ自身」のことを表していて、例えば「私の夢」はそのときのジャッジ自身の夢のことを指します。この「私の」が人によって変わるので、誰がジャッジのときに使うかも重要です。  ひとつ例を挙げましょう。今回の青りんごカードは「ドラマチックな」、それに対してあなたの手札は「結婚」「タイタニック」「流血」「チンパンジー」「私の過去」「日本人」「ウォール街」です。あなたならどれを出しますか?またあなたがジャッジのときに上の7枚のカードが出されたとき、あなたならどれを選びますか?このゲームに正解はありません…あるとすれば、それは全員の感性と手札によって毎回変わるでしょう。  『アップルトゥアップル』のカードは赤りんごカード312枚・青りんごカード104枚と非常にたくさん用意されています。何十回とプレイしても、同じ青りんごと赤りんごの組み合わせになることはまずありません。多人数が集まってちょっと時間が空いたとき、『アップルトゥアップル』はその空き時間を埋めてくれる最高のゲームのひとつです…もちろん一日中ずっと遊んでもかまいませんが。 Morris