草模様

TRPGの今後




 これからのシステムに関して

 これからのTRPGはどのような方向に進化していくのであろうか?
 これまでの日本のTRPGは物語を生成する方向に進んできた。天羅然り、NOVA然り、である。そして、これからの国産のゲームもその流れを汲んでいくかに見える。
 となれば、その流れに注目し、その先にあるものを見極めたいと思う。

 まず、天羅、NOVA、魔獣の絆で優れていた点は、キャラクター同士の関係の構築であった。言うなれば、コネ、である。これを用いることにより、キャラクター同士はより積極的に互いが関わる理由を作ったのである。この流れは今後も続くだろう。
 では、この流れの先にあるのは何か?

 シナリオの形態が変わると思われる。
 これまでのシナリオは、「起承転結」を元にしたストーリーをなぞる形になっていた。しかし、今後、キャラクター(NPC含む)間の人間関係に注目したゲームを作るとなると、これでは、不足、いや、見当はずれの方向にセッションが進んでいくであろう。
 つまり、掛け合いに慣れてしまい、ストーリーの進行に頓着が無くなるのである。これからのゲームは、もちろんその事態に陥らないように様々の方策を立ててくると思われるが、恐らくこの流れを止める事は難しいであろう。
 であれば、シナリオの方法論を変えるべきなのだ。ではどのように変えればよいのか。それはキャラクターの関係を中心にシステムが組まれる、という点にすべてがある。

 シナリオは、今後人間関係の構築と再構成を中心に組まれることになる。
 まず、ある人間関係がある。そこに事件が起き、人間関係が変化もしくは破壊される恐れが出てくる。PC達は、その事件をうまく処理して、新しい関係を作るか、人間関係に変化が起きないように全力を尽くすのである。
 逆のパターンも有る。有る人間関係を、打破したり、変化させたい場合がある。その為に、PC達は自ら動きを作り出し、その人間関係を変化させるべく動くだろう。

 と、こうなる。自己実現とか言う前に、人と人との関係性を中心にシナリオが組まれるのだ。
 こうなると、自然、マスターの前準備も異なってくる。準備すべきは、元の人間関係、それを変化させる要因、そして、その影響だ。当然それに関与する人間も作り、その行動の動機を作っておく必要がある。そして、実際のセッションでは、その変化を見ながら、様々な環境や人間関係の変化をPC達に告げていく、という形になるであろう。
 PC達は世界を救う前に、まず、自分の村の平和を守るために戦うことになるのである。財宝を得てレベルを上げる、というのは、副次の目標になるのだ。人間関係の平和を守るというための。

 システムも、もっと変化を重ねるであろう。
 その際たるものが、交渉や感情の表現。つまり、今までロールで行うしかなかった部分のシステム化、である。これができなければ、関係性を中心に置いたシナリオは不完全にしか機能しない。もしくは、機能したとしても、それはマスターの個人的な技量の問題に還元されるであろう。
 現在のシステムに稀少でありながら、これからのシステムに必須なものが有る。それは、関係性を表す能力値もしくは技能だ。それぞれの関係性をどのようにしてあらわすのか?また、関係性のパターンや強度はどうやってあらわすのか?そのやり方が、これからのゲームの特徴となってくるのではないだろうか?

 現代物を行うときに必要となるのが、「自分の社会に対する影響度」である。NOVAや、トラベラーでは存在するが、最近のゲームにはこれが存在しない。これは、社会との関わりをシナリオに関わらせたりするのに非常に問題をもたらす。事実上マスターの手腕に関わるといってもよい。これでは、再現性がなく、TRPG全体の楽しみ方として提示することができない。

 これまで、TRPGのキャラクターは、個人としての能力を表すのに用いられてきた。しかし、これからのTRPGでは、それだけではなく、社会との関わり、他人との関わりの表し方もキャラクター表現の一つとして持たねばならないだろう。


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