草模様

朝の風景




目が覚める。
体が動く事を確認する。
今日もまだ動くのか。

別段どこか体が悪いわけでもない。
少し心が疲れているだけ。

皆と同じ事が出来ない俺。
皆と違う事を望む俺。
皆と同じ事をして、それ以上を望む俺。

自分と向かい合い、尋ねる。
「今日は社会と向き合えるかい?」

生きていく事にすら疲れる。この感覚は分かってもらえない。
分かってもらえないと思う事が既に甘えなんだとは知っていても。
思わずにはいられない。存在の意思の弱い俺。

「今日は社会と向き合えるかい?」
「はぁ、なんとか」
「じゃぁ、行こうか?待ってる人も居るしね」
「ほんとに待ってるの?」

ほんとに”俺”が必要なの?聞きたくなる、聞きたくない。
聞けば、自分が必要でない事が分かってしまうから。
自分が単なる部品でしかない事がわかってしまうから。

「今日は社会と向き合えるかい?」
「…いや、今日は駄目みたい」
「そうか駄目か。それじゃ、また…」
「お願いだ。言わないでくれ」

向き合わねば、忘れ去られる。
しかし、向き合う事は、つらい。
背を向けるが、背中の音が気になる。


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