登場人物
セイエリス:フェニーラ魔法犯罪捜査局局長代理。乱暴。
アレス:フェニーラ魔法犯罪捜査局不良捜査官。怠惰。
目次
はじめに
1TRPGって結局何?
1−1 TRPGの基本的な概念
1−2 ゲームマスターの役割とは?
2シナリオを作ろう
2−1 シナリオにいるもの1 前提条件
2−2 シナリオにいるもの2 出来事と人物
2−3 実際に作ってみよう1 導入(起)
2−4 実際に作ってみよう2 情報を出そう(承)
2−5 実際に作ってみよう3 クライマックス(転)
2−6 実際に作ってみよう4 締め(結)
2−7 実際に作ってみよう5 NPC
2−8 実際に作ってみよう6 舞台の設定
2−9 できあがり
3セッションハンドリングをしよう
3−1 ルールの特徴を押さえよう
3−2 世界観を理解しよう
3−3 セッションの基本的な流れ
3−4 シーン管理
3−5 時間管理(ゲーム内外の)
3−6 戦闘バランスの取り方
3−7 トラブルシューティング
4おわりに
ある日のこと
アレス「今日何のようだ?」
セイエリス「うん。今日は研修で、新人にゲームマスターのやり方を教える日なの」
アレス「それは大変だな」
セイエリス「うむ。ゲームマスターの経験のない人たちにもわかりやすく説明せねばならないからね。と言うわけでお前も手伝え」
アレス「……嫌です」
セイエリス(げしげしげしげしげしげしげし)(蹴ってる)
アレス「そもそもTRPGって何なんだろう?「テーブルトークロールプレイングゲーム」の略で、会話でするRPGだということはわかるけど」
セイエリス「いつもお世話になっているsfさんはこう説明しているわ」
『概説
当サイトにてメインテーマとして取り扱っておりますTRPGとは、架空世界に生きる人格の行動を介して物語を積みあげていく、非常に創造的なゲームの一分野です。
二人から八人程度の人間がおもに会話とゲームシステムを利用して架空世界を共有し、架空世界上でおこる困難なできごとを乗り越えて特定の目的を果たすべく、架空世界に関与していくことにより遊ばれます。
もともとは個人での戦いを扱う戦闘シミュレーションゲームとして誕生しましたが、今ではそれをはるかに越えて、物語のシミュレーションゲームとでも呼ぶべきものになっています。』
アレス「……抽象的な表現だな」
セイエリス「TRPGという言い方は、実際には数多くのゲームをくくった言い方だからね。サッカーやバスケットやハンドボールをまとめて「球技」と言うようなものね。どうしても抽象的にならざるをえないわ」
アレス「まあいいや。今回はゲームマスターについて話すんだろ。そこに焦点を合わそう。いたずらに原理原論を重ねても時間食うだけだぜ」
セイエリス 「それはそうだが、とりあえずお前は言動から毒を抜け」(げしげしげしげしげしげし)(蹴ってる)
アレス「じゃあお姉さん、ゲームマスターって何をするのかな?」(口ぱくぱく)
セイエリス「この部分を見ろ」
『TRPGとは、架空世界に生きる人格の行動を介して物語を積みあげていく、非常に創造的なゲームの一分野です』
セイエリス「この『架空世界に生きる人格』というのはプレイヤー(PL)の使うプレイヤーキャラクター(PC)のことね。つまり『架空世界に生きる人格の
行動を介して物語を積みあげていく』のはPLで、ゲームマスターの役割はそのための環境を整えること」
アレス「とっても抽象的な表現だね。僕わかんないや」(口ぱくぱく)
セイエリス(こめかみぴくぴく)「次の部分を見ろ」
『二人から八人程度の人間がおもに会話とゲームシステムを利用して架空世界を共有し、架空世界上でおこる困難なできごとを乗り越えて特定の目
的を果たすべく、架空世界に関与していくことにより遊ばれます』
セイエリス「この『会話とゲームシステムを利用して架空世界を共有し』の部分で、ゲームシステムや世界観を管理して審判の役割を果たすのね」
アレス「PCが生きる架空世界を、ゲームシステムを使って再現共有可能なものにするんだね。でも世界観の提示の不十分なシステムも多いよね。例えばセ……」(ぱくぱく)
セイエリス(げしげしげしげしげしげしげし)(蹴ってる)「そして『架空世界上でおこる困難なできごとを乗り越えて特定の目的を果たすべく、架空世界に関与していく』PCのために、『架空世界上でおこる困難なできごと』つまり、PCが関わっていく事件を用意するのよ」(ふみふみふみふみふみふみふみ)(踏んでる)
アレス(踏まれている)「つまり、それらがゲームマスターの2大役割である「セッションハンドリング」と「シナリオ作成」な訳だねお姉さ……その行儀の
悪い足をどけろぉ!」
セイエリス「お前がそのわけわからんしゃべり方を止めたらな」(まだ踏んでる)
セイエリス「とりあえずシナリオ作成の方から話そっか。時間的にシナリオ作成の方が先にしなければいけないことだしね」
アレス「時々セッションしながら作ってる強者がいるぞ」
セイエリス「そーゆーのは無視しなさい!」
アレス「シナリオに必要なものって何だろう?」
セイエリス「シナリオは『架空世界上でおこる困難なできごと』だから、取り組むべき『困難なできごと』は必須ね」
アレス「ま、つまり多くの場合はPCの取り組む事件だな」
2−2 シナリオにいるもの2 出来事と人物
アレス「で、具体的には何を決めればいいのだろう?TRPGのシナリオの書き方は他のものと違うからな」
セイエリス「まあね。まあ簡単に言えば出来事と人物ね。出来事はシナリオの大まかな流れを決めておくこと。人物はいわばシナリオの流れの要素ね」
アレス「出来事のまとめ方のセオリーでも書いておくか」
起
事件が起こる。その事件が起こる要因と、はじまりを書く。
そして、PCがシナリオと関わっていく。
承
事件が展開する。多くの場合、PCが事件について調べたりする。
場合によっては第2第3の事件が起こったりする。
転
クライマックス。事件の真相がわかったり、ラスボスと戦闘があったりする。
この段階で事件を解決する。
結
話の決着をつける。事件の後始末をしたりする。後日談を語る。
アレス「別にこうしなきゃならないって事はないが、ま、セオリーだ」
セイエリス「人物については、NPCについて説明するときに回すわね。何か言っておきたいことはある?」
アレス「この時点では、事件との関わりとその動機をメモっておくぐらいかな?」
セイエリス「導入はいわば前菜のようなものよ。シナリオへの参加を促し、意欲をかき立てる部分ね。この時点でセッション開始当初の目的が提示されるわ。この際気をつけることは、この目的はなるべく明確であること。「私を幸せにして下さい」とか「何とかして生活を楽にしたい」とか、そういう抽象的な目的はPCが何やって良いか困ってしまうし、ゲームをする上でも困るわ」
アレス「今度もいくつか例示しておくか」
・命令型
上司、主君などから命令される。基本的に断ることは出来ない。
利点としてはシナリオにすんなり入れることがある。欠点としては強制であるため、それ単体では参加意欲が低い。
セイエリス「セイエリスは基本的にこのパターンね。捜査官が仕事で犯罪者を捕まえるという形が多いわね」
・依頼型
「人から頼まれて」シナリオに関わっていく形。
シナリオへの強制力と参加意欲がそこそこに高いため、多用される。
アレス「必然的に依頼は「受けられるもの」を設定すると楽だが、次のような変則型もある」
依頼を申し込まれたが、どうも話がおかしい。(依頼を受けるにせよ断るにせよ)調べると実は悪事の片棒を担がされている様だ。
アレス「ま、慣れたらやってみるといい。結構面白いぞ」
・巻き込まれ型
「飛行機に乗っていたら、飛行機がハイジャックされた」「旅行でペンションに泊まったら、実は殺人鬼が一緒に泊まっていた」等、日常から突然非日
常に叩き込まれるパターン。ホラーものに向いている。注意事項としてきっちりとPCを逃げられないようにしておくこと。(笑)
セイエリス「このパターンは「シナリオを解決しなければいけない」という参加意欲を持たせる必要があるわね。多くの場合は危機感を煽って持たせるわ」
・興味型
日常の中で、興味を動機としてPCがシナリオに関わっていく。はっきり言って押しが弱いため、あまり導入に適していない。
アレス「まあとりあえず話に入っても、「途中で止めちゃ行けない理由」が弱いんだよな。「ゲームだから」って言っちゃえばそれまでだけど、そういうこと言っちゃうと何となく白けるんだよな」
・導入がない
時々「PCの自主性を重んじる」とか言って導入をしない人間がいるが、明らかにやめておいた方がいい。
セイエリス「ま、論外ね」
アレス「ゲームに参加できない人間を作り出す可能性のあるこの方法は、到底奨められたものじゃない。更に、往々にしてゲームへの参加が何か苦しくなったりこじつけになったり、或いは声と態度を張り上げる人間が横行したりと良いことはない」
セイエリス「導入がうまくいくと、PCはシナリオ(事件)に向かって行動し出すわね」
アレス「多くの場合調査行動に出るな。この段階でゲームマスターのすべきことは情報を出して、シナリオ(事件)の大まかな像をPLに提示することだな」
セイエリス「注意としては、情報は積極的に出していくことと、重要な情報は常に複数の供給先を用意しておくことね」
アレス「重要な情報の供給先が一つしかないと、かなり高い確率でセッションが止まったりする。供給先が一つだとしても、そこに至るルートを複数用意しておくことだ」
セイエリス「典型的な情報源の例でも出しましょうか」
・上司・依頼人等
PCがシナリオに関わる直接的原因の人々。導入の時点で基本的な情報を教えてくれる。
・関係者
シナリオ(事件)の関係者及びその親類、友人、近所の人、仕事仲間など。
・コネクション
PCとコネがあり、情報を教えてくれる人々。多くはルールで規定されている。教会、学院、捜査局、情報屋、社交界、商人ギルドエトセトラ。
特権を持っている者しか知らない情報を知っていたり、便宜を図ってもらったり出来る。
・専門家
その事件に関係する専門家。病気なら医者、訴訟なら法律家など専門家のアドバイスを求める。
・メディア
新聞テレビラジオから、人々の噂話まで。情報を入手するのが容易であったり、前提条件として既にPCは知っていたりする。
類似したものとして、図書館で本を読んで情報を集めるというものもある。
・聞き込み
広場、宿、港、門、裏社会その他重要地点の周囲などでの不特定多数の人間に対する聞き込み。多くの場合苦労した割にたいした情報は得られない。具体的なことはあまり望めない。哀しい限りである。
アレス「実のところこの段階について決めておくことは、ほとんどない」
セイエリス「おい」
アレス「前の段階で情報をしっかりと手に入れている場合、PCは事件の構造をほぼ理解していると見ていい。そして「どの様な方法でシナリオ(事件)を解決するか」なんてPCが決めることだからな」
セイエリス「背景をしっかりと決めていれば、応用は簡単にきくのよね。しかしまあ、例によっていくつか例示してみましょう」
・殺害
敵を暴力的に抹殺する。最もよく行われる方法。
・逮捕
犯罪行為をしている敵を拘束、逮捕して法の下の処分に任せる。
・社会的抹殺
敵の悪行などを公衆の面前にさらし、世論によって悪行を止めさせ、敵を社会的に抹殺する方法。メディアが発達している世界だと極めて有効。
・説得
敵を説得して問題となっている行為を止めさせる。取引などもこれにはいる。ほとんど行われることはない。
・逃亡
危機的状況から逃亡する。あるいは、敵が逃亡する(させられる)事により事件が解決する。キャンペーンなどでは真の敵が逃亡して次のシナリオで又出てくることはよくある。
アレス「この段階で決めておくことはほとんどないだろう。まあ、簡単な後日談でも決めておいて、あとはセッションの内容に応じて変えればいい」
セイエリス「ここは基本的にセッションのまとめだからね」
セイエリス「NPCについて少し話そうかしら」
アレス「まあ決めておくべき事は、名前性別外見年齢といった基本的な部分だな。あとは社会的な立場とシナリオにおける役割だ」
セイエリス「決めておくべき設定としては、「何故そうなのか」という所を重視した方がいい。悪役は何故悪いことをするのか。依頼人は何故事件を解決して欲しいのか。そういうことを決めておいて、そういった情報をシナリオの中で出していくとシナリオに深みが出るわ」
アレス「パラメータとかはどの程度決めておけばいいのだろうか?」
セイエリス「まあ、ある程度の慣れね。単なる戦闘の相手は戦闘以外のデータは必要ないし、単なる話し相手だと知っていること以外決める必要無かったりもするわ。聞き込み相手の不特定多数だと名前すら要らないわ」
セイエリス「舞台というか、まあ場所ね」
アレス「多くの場合はシナリオ出てくる場所を確認して、描写が出来る程度にどういう場所か書いておく程度だが、戦闘が起こったりする場合MAPを作っておく必要がある場合もある」
セイエリス「まあ、これでとりあえずは出来上がりね」
アレス「まあシナリオの作り方は人それぞれだが、まあこれを参考にしてとりあえず作って、その内自分のやり方を自分で見つけてくれ」
セイエリス「じゃあ、頑張ってねー」
セイエリス「さて、シナリオも出来たらセッションハンドリングに入るわよ」
アレス「めんどくさい」
セイエリス(げしげしげしげしげしげし)
セイエリス「使うシステムの特徴を押さえることは、マスタリングの際にかなり重要なことになりのよね」
アレス「シナリオ作成とは項を別にしたけど、お互いに考慮して考えないといけないな」
セイエリス「押さえておくべき特徴を以下に例示するわね」
・デザインコンセプト
そのゲームがどのようなものか、どのような遊び方を前提にデザインされたかということ。多くはルールブックの「はじめに」や「おわりに」に書かれている。
・そもそも何処までルールがフォローしているのか
まず前提条件として、TRPGが自由度の高いゲームである以上、ゲーム内で起こる全てのことをルールでフォローするのは不可能である。
それを踏まえた上で、ルールを熟読してみること。そのルールがどのような判定に強く、どのような行為に弱いのかを見極めて、そのルールが使いやすいシナリオにすること。
また、記述が曖昧で「ゲームマスターの判断による」という文章が多発するルールはあまり良いルールではない。特に慣れていない初心者ゲームマスターはなるべく記述が明確なルールを使うこと。
セイエリス「例えば戦闘関係がルールが充実しているなら、戦闘重視のシナリオにする。調査関係が充実しているなら、調査重視のシナリオにする事ね」
アレス「逆に交渉のルールが無かったり、買い物や通常アイテム、金銭関係のルールがなかったり杜撰だったりすると、それに関係する部分はあまり重要でないシナリオにするべきだな」
・判定方法は簡便か複雑か
PCが何か行動した際に、その行動が成功するか失敗するかの判定のことを「行為判定」というが、出来ればその方法が簡便かつ統一してある方が望ましい。
アレス「同じ条件で同じ行為をするにも関わらず、ある時は2D6、またある時は1D6という強者なルールがあったな」
・ゲームマスターやPLの管理すべきデータはどのくらいか
能力、技能から使用するアイテム、その他の条件などPLの管理すべきデータがどれだけあるかということ。多すぎると判定の際に煩雑になるし、少なすぎるとプレイの工夫の意味が無くなる。
セイエリス「えっと、このロボットは歩行制御がこれで、上半身管理がこれ、OSがこれでこれに地形修正と風向き修正を加えて、あ、武器のはこれね。武器の重さも含めた総重量がこれで、ジェネレーター出力がこれで、パイロットの私の知覚力と敏捷力と機転と習熟度がこれで、現在の感情がこれで、それから……」
アレス「あれっ?正面から面と向かって攻撃するのと、姿を消して背後から奇襲するのはルール的に判定内容一緒なの?」
・PCの行為判定の成功率はどの程度か
PCがその役割に応じた行動(盗賊が鍵を開ける。学者が調べ者をするなど)をする際に、どの程度成功するかと言うこと。7割程度の成功率を持っているとセッションはスムーズに進む。足りない場合はセッション開始前にPCに経験値を出しておいてその程度まで成長させておくと良い。
・PCの死亡率はどの程度か
PCがどの程度死にやすいかはあらかじめ確かめておいて、PLにも説明しておくこと。死亡率の高低はセッションのスタイルに大きな影響を与える。
しかし、スペランカーの様に死にやすいシステムは、なかなかセッションがうまくいかない可能性がある。
セイエリス「さあ、次はゲームの舞台となる世界の世界観よ。ルールと世界観あわせてシステムだからね」
アレス「時々世界観が無かったり、分裂していたりするのがあるぞ」
セイエリス「そーゆーのは無視しなさいって言ってるでしょ!」
アレス「例によって見るべき部分を例示しておくか」
・雰囲気
シリアスなのか、コミカルなのか。地味なのか派手なのか。堅実なのかぶっとんでいるのか。
・内容
基本的なものとしては政治的背景、倫理的背景、宗教的背景、経済物流的背景、産業的背景、教育水準、司法法律、種族民族、テクノロジー、風俗など。
細かくあげればきりがない。
・PCのその世界における位置
その世界においてPCはどのような位置にあるのか?社会の構成員なのか、社会の部外者なのか、社会のエリートなのか。世界の人々にどう見られているのか。
社会的にそのシナリオに取り組んでいくべきと見なされているのか、そうでないのか。
PCの行動に対してその世界の人々はどのような目を向けるのか。
・調べやすさ
多くの世界は「○○のような」世界というような表現をされる。
公式にどれだけサポートされようとも、TRPGが自由度の高いゲームである以上、全てのことをフォローするのは不可能である。
よって、元ネタについてどの程度自分が知識を持っているのか確認し、わからないことが出たときにはどれだけ本や映像などで調べやすいか確認してみる。
・公式設定とのつきあい方
設定が厖大な世界観だと、その全てを採用すると身動きがとれなくなってしまうことがある。
その場合、勝手に自分の遊びやすいように変更取捨選択すること。
セイエリス「システムの理解が終わったら、次は実際のセッションのテクニックに行くわよ」
アレス「まあ色々個人差があるから、基本的な部分な。セッションの基本的な流れは大体以下の通り」
・状況描写
状況を描写する。基本的に口頭が基本だが、わかりにくい場合は紙に絵や図を書いたりして説明する。
基本的に時刻、場所、景観、NPCの状況、PCの状況の順番に説明していく。最後に「どうする?」「どうしますか?」と聞いてPCの行動を促す。
例:マスター「日暮れ時、ここは宿屋の一階だ。古いが結構綺麗に掃除されたあまり大きくない広さのホールに、客が10人程度いて食事をしている。君は入り口に立っている。どうする?」
・質問の受付
状況描写が足りない場合、PLから質問が出る。この段階で質問を受けて細部の描写をする。
例:PL「席の埋まり具合は?」
マスター「テーブルは全部埋まっている。カウンターしか空いていない」
・行動宣言
状況描写を受けて、PLがPCの行動を決定する。
例:PL「じゃあカウンター席に着こう。そして食事と部屋を頼もう」
・判定
PLの宣言した行動が、判定が必要な場合判定を行う。そうでないならそのまま。その結果を見て行動の結果を描写する。
例:マスター「店員さんが応対にやってきた。魅力で判定して」
PL「???成功だけど」
マスター「店員さんが言うには今日はもう満室なんだそうだ。でも使ってない部屋はあるからそこで良ければ、と言うよ」
・状況描写(最初に戻る)
新しい状況の状況描写をする。
例:PL「別の宿を探すのもめんどくさいし、その部屋を頼もう」
マスター「じゃあしばらく待たされた後にその部屋に案内される。時間はもう夜だ。一階の隅の方の部屋で、慌てて掃除したらしい様子だ。部屋は一人部屋程度の大きさでベッドと机とクローゼットがある。店員さんは君を案内するとすぐに戻っていった。今この部屋にいるのは君一人だ。どうする?」
PL「あれ?物置とか、そういうことに使っていた部屋じゃないの?」
マスター「そんな様子はない。確かに近頃使われた様子は無いが、きちんとした部屋だよ」
PL「何か妙だなあ。それじゃあ……」
セイエリス「次はシーン管理ね。セッションは基本的に複数のシーンから構成されていると考えてね」
アレス「シーンというのは、連続した時間帯で、固定した場所での状況のことだな」
セイエリス「シーン管理は以下の順番ですると良いわ」
・そのシーンの時間、場所を決定して描写する。
・そのシーンにいるPCを確認する。
・PCは目的に応じてそのシーンで行動する。
・PCがそのシーンでの用事が終わるなどして、PCがその場所から移動したり、時間をとばしたり、状況が大きく変化したときなどでシーンは終了する。次のシーンへ。
例
ある殺人事件について調べているセイエリスとアレス。
昼下がり、被害者の自宅でセイエリスは被害者の家族から情報を聞く。ここで聞くべき事は聞いてしまったセイエリスは被害者の自宅を辞去する。シーン終了。次のシーンへ。
同時刻、殺人現場付近でアレスは周囲の人間を相手に聞き込みをしていた。情報を得る。と、いきなり何者かに背後から殴られ、気を失ってしまう。シーン終了。次のシーンへ。
セイエリス「次は時間管理ね。ゲーム内の時間管理というのは、ゲーム内での時間の動きの管理ね。注意点は以下の如く」
・現在の時刻を常に確認しておく
シーン管理とあわせてチェックしておいて、同一キャラクターが同時刻に複数の場所に出現しないように注意する。
・展開が煮詰まった場合は時間を進める
相談している時間も時間が進んでいるものとしてカウントすること。
・描写の必要ない時間はとばす
寝るだけの夜や、待ち合わせの時間まで待っている間などはさっととばすこと。
・必要に応じてシナリオにタイムリミットを用意しておく
何日までに○○しなければならない、など。なお、タイムリミットは予め公表しておくとスムーズに進む。
アレス「ゲーム外の時間管理とは、要するに実際のセッションの時間管理のことだ。同じように注意点を並べておく」
大原則として、無理はしない。参加者の都合にあわせて終了時間に終わる。
(アレス「開始時間に遅れるなとか、そんなことまでは言う必要ないよな?」)
延長する場合は、一応参加者の同意を取ること。一人でも駄目な人がいる場合は大人しく中断すること。
アレス「言い方は悪いが、所詮趣味だ。遊びだ。無理をして他のことに悪影響を与えるようでは、TRPGそのものを続けていくことだって難しくなる。ましてや公共施設などを使っている場合、利用時間を過ぎていつまでも居残ったりするのはトラブルの元だ。TRPGはまだ趣味としてはマイナーだし、そのようなことがあれば、その地方の公共施設でTRPGそのものを遊ぶこと自体出来なくなってしまうこともある」
アレス「なお、以下にプレイ中におこる時間を食う要因と、その対処法を書いておく」
・雑談
目くじらを立てて「セッションに関係ない話絶対禁止!」とする必要はないが、話が一段落付いたところで素早く切り上げて話をセッションに戻すこと。なお、ゲームマスターが雑談に混じるのは余り望ましくない。
・あまりシナリオと関係ない行動
多くの場合は当のPCにとっては意味があるが、シナリオでは余り意味がない行動。シナリオ上の目的とは別に、ナンパ師がナンパに赴く、商人が商売をはじめる、アレスが仕事をごねるなど。
これらは描写を簡単にして済ましたり、一回の判定で終わらせたり、強制執行したりする。
例:「では君は夜の街へナンパに赴いた。さて、次の朝……」
「商売で判定して?成功?じゃあこれだけの利益を得た。さて、次のシーン」
「(げしげしげしげしげしげしげしげしげしげし)依頼人「仕事というのは……」」
時々シナリオに関係あると見せかけて関係ない行動をひたすらする強者がいるが、その場合は……
対処法募集。(おい)
・ミスディレクション
PLがシナリオの方向性や真相を取り違えてしまった場合。
この場合はその方向に向かおうとしたとき、判定の後などに「何もない」「どうやらそれは違うようだ」ときっぱりと言ってしまうこと。
・分離行動
PCが複数に別れて行動すること。
これは役割分担をうまくすれば、場合によっては「プレイ内時間」を短縮できるテクニックであるために、あまり禁止すべきではない。
これはシーン管理をきちんとすることである程度時間の伸びを短縮できる。
ただし、一度分離したPCがお互いに集まって情報交換する場は必要。同じ情報などを得るために、分離行動した複数のPCが動くのはプレイ内外において時間の無駄。
アレス「最後に、どうしても時間が足りない場合のための強引なテクニックを書いておく。これは強引なので余り多用しないこと」
・プレロードキャラクターの使用
使用するキャラクターを予め用意しておくことにより、キャラクターメイキングの時間を省略する。ただし、往々にしてキャラクターの押しつけになるので余り喜ばれない。
・描写をはしょる
とにかく描写をはしょる。無論余り良いことではない。
例(部屋に入った途端)「ここには先に進む扉の他は何もない」
・ひたすら巻く
細かい展開をすっ飛ばして結果だけ話す。かなりよいことではない。
例「君たちは襲いかかってくる雑魚をばったばったと切り倒してラスボスも倒した。そしてラスボスが死の間際に事件の真相を語りはじめた」(おい)
セイエリス「一応戦闘バランスとか、そんなことについても言っておきましょうか?」
アレス「あんまり気にする必要ないのに、気を使う人は多いよな。ま、簡単に解説するか」
・正面衝突を前提としている場合
PCと互角程度の能力の敵を出す。戦闘能力についてはシステムを見て計算する。
・正面衝突を前提としない場合
PCがどう考えても勝てないだけの能力を持つ敵。ただし特定の弱点を持つ。(特定のアイテムや状況に弱い、何故か通風口が中央核融合炉に直結しているなど)
この場合、正面から戦っても勝てないことを予めPCに教えておくとシナリオがスムーズに進む。
アレス「まーあんまり気にする必要はないけど、どうしてもバランスが取りたいならぶっとんだ技や武器は使わないことだ。計算しにくいからな」
セイエリス「まー、基本的なのはこれで終わりだけど、いくつか基本的なトラブルシューティングのテクニックを書いておくわね」
・ルールを間違えた
間違えないのが一番良いが、間違えた場合そのことに気が付いた次の判定から正しいルールを適用すること。
基本的にもう既に判定を下してしまった事項に対して、再び判定をやり直してはいけない。
・セッションが進まない
多くは情報の渡し方をミスした事により起こる。情報はなるべく複数の情報源から豊富に出すこと。
あるいは状況を理解しつつ、PCがこの後どうすればいいかわからない場合。この場合はゲームマスターがPLに複数の解決案を提示してみたりすること。なお、悩んでいる間も時間は進んでいるので事態は悪化する傾向にあるけどね。
・PCが死んでしまった
ご愁傷様。時間に余裕があるなら新しいキャラクターシートを渡して、新しいPCを作ってもらうこと。
PCが死なないように判定を覆したり、内容を変えたりする方法も無いではないが、第1にそれはルールを破っていることになり、第2に誰かだけそのような措置を執った場合、他のPCにもそのような措置を執らないのは不公平になり、公平であろうとするとPCは無敵になってしまう。第3にそのような行為を繰り返すことにより、PLがPCの死というものに鈍感になってしまい、疑似体験や感情移入の楽しみが失われてしまう。
参考文献(直接的に内容に関係のあるものだけあげてあります)
sfさんの
TRPGってなに?
陽陰さんの
シナリオ作成講座
初級者のためのマスタリング講座
中級者のためのマスタリング講座
寺田さんの
セッションの生死バランス
オープンダイス
時間管理の方法論
鏡さんの
人系列シナリオの作り方(RPG日本内)
銅さんの
RPGで情報収集や戦術を活用するには
GMのためのプレイ時間管理講座