深淵シナリオ「呪われた花嫁」 go to TRPG go to Top


初期情報
 PCは基本的にオメラスのイストリア侯国という国に所属している。または、クライン大公国の、イストリアとの国境に近いグラーツという都市の住人。
 イストリアは隣国のクラインとは長年抗争してきた。近年三回に渡る戦争の末、クライン大公は次々と戦死し、とうとう後継者不在の状況になってしまい、現在はほぼ内乱状態である。
 イストリア侯イシュミスタは、クライン国内に、権力闘争の結果修道院に軟禁されているクーリアという名前のクライン大公の血を引く少女に目を付ける。自らがクーリアと結婚し、新たなるクライン大公となろうとする。
 工作はうまく進み、イシュミスタはグラーツの領主オイゲンを抱き込み、結婚の手引きをさせる。オイゲンはクーリアをグラーツの自分の館に移し、イシュミスタは彼の仲介で結婚を執り行おうとする。


オープニング
 一人一人、夢歩きを交えながらゆっくりとオープニングを行う。高い城壁に囲まれたグラーツにて。空は雲が厚く、太陽は見えない。
 イストリアのPCは、イシュミスタが占領地での反乱に遭い、鎮圧のために到着が予定より遅れると聞く。その後、クーリアが怪我をしたという報告を受ける。クーリアは何もしていないのに、肩に刀傷としか思えないような傷を負っている。更に、クーリアの左手に強力な黒剣の刻印を発見する。夢歩き。運命の鎖で結ばれた二人。イシュミスタの危機。戦争。死。滅亡。
 上や下やの大騒ぎの後、夕方、庭に出ていたクーリアが、傭兵の一団にさらわれる。それを指揮しているのはクラインの不平騎士モンテムオーヴであり、彼はグラーツの自分の邸宅にクーリアを運び込む。
 この後の騒動の中で、いまいち絡みにくい(動機の少ない)PCの身内(家族が望ましい)が、クーリア誘拐の冤罪をかけられ、拘禁される。(賊の乱入を手引きした、など)救うためには、身内の無罪を証明するしかない。この際、仮面の魔道師と面通しをしておく(突然現れて、アドバイスをしてくれる)。

シーン一 モンテムオーヴ
 モンテムオーヴは父親が罪人の騎士。家の汚名を除くために、今回の挙に及ぶ。
 彼は今回の件で家産を処分して傭兵を雇い入れるなど、目立つことをやっているので特定することは難しくない。だが、今回の件に関しては彼に同情的な人々も少なくないため、確証はもてない。積極的な潜入捜査が必要となる。
 忍び込むと、モンテムオーヴがクーリアにクライン大公として、侵略者のイストリアと戦うことを求めているところを発見する。モンテムオーヴは自らの正当性と、民衆も自分たちの味方であることを訴えるが、クーリアは政治の世界に巻き込まれることにひたすら怯えるばかりである。夢歩き。戦渦に巻き込まれていく人々。滅び行く国々。それを手を携えて見ているイシュミスタとクーリア。さらに、地の底からの笑い声。
 更に、モンテムオーヴの家に出入りしている仮面の魔道師を発見する。PCがクーリアを連れ去ろうとすると、仮面の魔道師が立ちふさがる。クーリア自身、誰かが誰かを傷つけようとすると、必死にそれを止める。そして、なぜ自分をほっておいてくれないのかと泣く。

シーン二 イシュミスタ
 その後、いつの間にかイシュミスタが領主宅にいる。イシュミスタは反乱を鎮圧する際に傷を負っており、医者にかかっている。その中で、肩に激しい刀傷を負ったはずなのに、傷が全くないことを医者に言う。怪我をした時刻は、クーリアが負傷した時刻と同じである。更に、イシュミスタの右手に黒剣の刻印がある。夢歩き。呪われた運命で結ばれた二人。破滅。出会ってはならない出会い。

シーン三 マルテア
 仮面の魔道師が、情報や協力と引き替えにPCを通じてイシュミスタへの謁見を求めてくる。理由を聞けば、彼女は実はイシュミスタの母親であり、我が子の呪われた運命を解くために魔術の修行をしてきたのだという。イシュミスタの呪われた運命とは、イストリアの地下深くに封印されている魔族が、自らの分身としてイシュミスタに刻印を刻んだことである。マルテア(仮面の魔道師)の研究によれば、イシュミスタの中に封じられた魔族の魂は、もう一人の同じ境遇の人物と出会ったときに解放されると言う。そして、その刻印とは、手にある黒剣の刻印である。
 イシュミスタは幼少の頃に自分を捨てた母を恨んでおり、それ故にマルテアも無理に自分が母親だと名乗ろうとしない。この二人が和解するためには、PCの助けを必要とする。
 更に、イシュミスタに問われるままにクーリアに関する情報を喋る。イシュミスタはクーリアを奪還するための兵を挙げる。

シーン四 クーリア
 絶望的な抗戦の後、モンテムオーヴの雇った傭兵は逃げ出す。モンテムオーヴは館に火をかけて最後の抵抗にはいる。炎と煙の中、視界の悪い画面でシーンは進む。
 混乱の中、マルテアはクーリアを捕らえて深淵の中に放り込もうとする。PCが何もしなければ、煙の中から現れたモンテムオーヴがマルテアを殺す。
 イシュミスタに対して、彼の運命に対して説明をしていなければ、イシュミスタはクーリアを手に入れる。

エンディング 茶番劇
・イシュミスタがクーリアを手に入れた場合
 結婚式はめでたく執り行われる。二人は出会ったとたん、お互いに強く惹かれるものを感じる。翌年、二人の間にめでたく男の子が産まれる。十年後、イストリアはほぼオメラス全土を支配する勢力にまで成長する。だがその五年後、産まれた子供(魔族)によりオメラス全土が焦土と化す。
・イシュミスタかクーリアが死亡した場合
 二人はお互いにダメージの移し替えができる。片方を守るために、もう片方を殺そうとすれば、守ろうとした方が死ぬ。これを防ぐためにはマルテアのようにどちらかを深淵に放り込むしかない。更に、どちらかが死ぬと、魔族はもう片方を回収するために、生き残った方を深淵の中に飲み込む。イシュミスタとクーリアを失ったイストリアとクラインは内乱により焦土と化す。
・イシュミスタとクーリアに運命を説明し、頼む。
 マルテアとの和解にPCが尽力していれば、イシュミスタは今回限り野心の矛を収める。



NPCデータ
・イシュミスタ 召喚値50。英主ではあるが、時として魔族の影響が見られる。
・クーリア 貴婦人のデータを流用。幼いころより修道院で育った心優しい少女。戦争や争いを極端に嫌い、怯える。ずっと孤独だった故に、「幸せな家庭」に憧れる。
・モンテムオーヴ 騎士のデータを流用。運命09親が罪人である。なお、モンテムオーヴは多くPCの運命の対象になり、しがらみをつけて単純な敵にならないようにする。
・マルテア 召喚値50。かつてはイストリア一の美姫といわれ、かつてのイストリア侯の一夜の寵愛をうけた彼女であったが、メジナ市のカタコンベで出会った魔族「刈り入れるものリスディス」との契約により、その顔は二目と見られない醜悪なものとなっており、仮面でそれを隠している。
・オイゲン クーリアを見つけだし、イシュミスタに引き合わせようとするグラーツの領主。その正体は魔族の信徒。 
推奨運命
・16 言えなかった一言
・22 不義の子
・27 滅びた貴族の子孫(クライン)
・42 騎士の家系(モンテムオーヴ)