白き翼の叙事詩 1

『カ・クラの典範』
「翼人の書〜『白き翼』の章」
(「深淵CON in JGC'98」バージョン)

 

この叙事詩は、MALICE MIZER
「Syunikiss
〜二度目の哀悼〜」(アルバム『merveilles』所収)
VIDEO『ヴェル・エール〜空白の瞬間の中で〜de l'image』
からイメージされています。


翻弄される人々


序詩(原文:蒼さん)

 そこにあるのは、書物で埋め尽くされた空間・・・そしてすみにある古びた机だけ。
 机の上には火の消えた蝋燭・・・置き忘れられた一冊の書物。
 書物は大分傷んでおり、今や題名すら掠れ判読は難しい。
 全てが年月と共に埃に覆われ、人々に知られぬままに消えてゆく・・・かと思われた。
 彼が訪れるまでは。
 彼が一冊の書物を持ち出すまでは。


叙事詩の始まり

 裏小路のとある地下室
   闇の黒剣の日、光の翼人の刻(新月の第3夜、夜明けから2時間以内)

その部屋は埃がうずたかく積もっていた。
部屋の隅にある古びた机。その上にある傷んだ書物。
そっと近づき、書物を取り上げる。
書物には革帯で封印が施されていた。
埃を払うが書名は掠れていて判読は難しい。
『カ・クラの典範』と書かれているようだ。
「これが、あの・・・」
中を見ようと革帯の封印を外そうとする。
その時、書物から魔力がほとばしる。

そして、メジナの町は突然の大地震に襲われた。

「どうやら、手後れになってしまた様だな・・・。」


 大広場南側、常設市場
  昼頃

「そこのお前、お前はまもなく一人の娘に出会うにゃー。
 お前はその娘に運命を感じるにゃー。」

傭兵は、市場を歩いている時、人だかりに気が付いた。
傭兵が近寄ってみると、美しい踊り娘が剣舞を舞っている。
傭兵は、その踊り娘に一目惚れしてしまう。


 旅芸人の一座の楽屋

踊り子は、楽屋裏に、ローブを羽織った若い男が倒れているのを見つける。
男の着ている物は、ズタボロに引き裂かれていて、所々血がにじんでいる。
男は、その胸に両腕でしっかりと書物を抱いている。


そして叙事詩は・・・

 大広場

白き翼のシュニキスが現れる。

「久しぶりだな・・・。その後元気かね?」

「その者を生き返らせたいか?
 その者を生き返らせる為には、お前の寿命を分け与え根羽ならぬ。
 それでも生き返らせたいか?」

「さあ、目を開けなさい。我が娘よ」
 シュニキスが指を鳴らすと、踊り娘は目を開けた。

「○○○○、○○○○」
 それは、彼女の最後に叫んだ言葉だった。

「さあ、お前の望み通り、その者は復活した。
 望みが叶って嬉しかろう?」


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