刃なき剣持ちし法の王 イメージスケッチその2


 クリスがガーネットとメイリアはラスボスの氷龍たんの巣に行きました。さらわれた娘たちを取り返しに。

 洞窟の奥は水晶でできた宮殿だった。
 きっちり彫刻された柱が立ち並び、ご丁寧に天井まで付いている。
 部下のアミュー族にやらせたのか。
 そのど真ん中にちょこんと氷龍は座っていた。
 左右には氷付けされた娘たちが綺麗に並んでいた。
「よく来たな小さきものども。その娘たちを我に差し出す決心は付いたか?」
 氷龍がしゃべると空気が震えた。口の間からとんがったツララがいっぱい見えた。
「ひとつ聞きたいんだが。龍はきらきらした綺麗なものが大好きと聞いているのだが。それは俗説だったか?」
「何を言うか。こんなに綺麗なものがほかにあるか?」
 氷龍は首をゆっくりと回して左右を見る。
「……人間フェチ?」
 メイリアがあきれたように言った。
「うむ、しかもまだ幼い子供ばかりではないか」
「ガーネットぐらいばっかりじゃねぇか」
「うるさい。わらわはもうすぐ大きくなるのじゃ」
 脇で槍を構えて騒ぐガーネットはとりあえずほっとく。
「貴様ら下等生物にはこの未成熟な胸の曲線美はわかるまい」
「……いや、よく解っちゃったわよ」
 メイリアは白い法衣に包まれた腕で頭を抱えた。
「ドラゴンはもっと強くてかっこいいと思ってたのに」
「世の中そんなもんだ」
「うるひゃい。私はかっこいい英雄といっしょに強いモンスターと戦うのが夢だというのに。理不尽よ世の中ってっ」
 なんでメイリアに怒られなきゃいかんのだよ。
 クリスは理不尽なものを感じながら氷龍に向き直った。
「さっぱりわからんのでとっとと返してくれ」
「そうだな。以前言ったように、貴様が連れている胸が平らなほうの女と交換なら良かろう」
 そういわれてもすでに答えは決まっているわけだが。
 わき腹を突っつかれてクリスは傍らのガーネットを見た。
「皆のためならわらわはかまわぬ……あとのことは頼むぞ」
 クリスはガーネットの頭をぽんとたたいた。
「そーいうのは却下だ」
 頭をぐりぐりなでる。
「うう、止すがよい」
「俺からの答えたただひとつだ」
 クリスは氷龍に告げる。
 ガーネットをぐいっと抱き寄せ。
「娘たちを返せ。でないとここにいるガーネットたんとメイリアがぶちのめしちゃうぞ」
「あんた責めて自分がぶちのめすって言いなさいよっ!」
 メイリアがわめいた。
「ふ。ふふふ。愚かな。その小さき頭では思考までがまともに機能せぬか。三人まとめて飾ってやろうではないか」
 クリスはガーネットを話して肩をぽんとたたく。
「これで終わりだ。ここ北森の支配者はだれか見せてやろう」
「うむ」
 ガーネットがうなずく。彼女が槍を構えると赤く燃え上がった。
「頼むぜメイリア」
「何をいまさら」
 メイリアは構えずに自然体のまま氷龍に向き合っていた。
 ドラゴンは立ち上がって息を吸い込む。
「行くぞっ!」
 クリスは鞘から剣を抜いた。刀身は折れて存在しないが、その部分に薄く光の帯があった。


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