「はふぅ。この一杯が生き返る、ってな感じだねぇ」
広いおでこに玉の汗をかいた少女は、熱い息を吐いた。
湯煙の中、ティナは胸まで温泉につかっていた。ティナの背ほどもある高さの大きな岩に寄りかかり、体を預けている。人力ではとても動かせそうにない大岩だ。
遠くから鳥の鳴き声が聞こえる。あたりには紅葉の終わりかけた木々しか見えない。民家はない。宿屋も、湯船からしばらく山道を降りないとたどり着くことはできない。
自慢の金髪が背中に張り付いている。ウェーブのかかった少女の髪は、ベールのように頭頂から背中まで覆い隠している。
ティナは再び、熱い息を吐いた。呼吸が浅い。空気が足りないというよりも体内の熱を吐き出すように、早いテンポで肩が上下していた。
ティナの動きで、水面に同心円状の輪が広がる。赤いかえでがそれに合わせてティナの呼吸と同じリズムを刻む。
ティナのかすかに膨らみかけた胸の上に、肩から金髪が一房、流れていた。湯に当てられて、反対側の乳首が桜色に染まっている。
胸の前で金属のカップが、半分以上を水面下に沈めてゆれている。
中には、表面に膜を張った暖かいミルクが入っている。飲用には少々ぬるいそれをちびりちびりとなめるように舌を動かした。