東方のある地方では、節分という行事があり、聖別した「炒った豆」で鬼を払い、年の数だけ食べる風習があるという。
聖女だけが身に付けることを許される(最近インフレ気味だが聖女の数)純白の法衣に身を包んだウェーブのかかった金髪の女の子が、東洋の正方形のコップに炒った豆を入れて小脇に抱えていた。
「おにわーそと」
ティナは豆を食べた。
「ふくわーうち」
ティナはもう一度豆を食べた。
「おにわーそと」
ティナはもぐもぐと豆を食べた。
「ふくわーうち」
ティナは手に握ったを豆を綺麗に食べた。
それを見てリルリィーアはため息をついた。エプロンのすそがゆれる。
「どうしたの?」
「いや。突っ込みどころが多すぎてどこに突っ込んでいいかわかんない」
「うーん。食べ物を大事にしなきゃだめだから投げなかっただけだよぅ」
「だから、そこだけじゃないってば」
「まめたべる?」
「うむ、もらおう」
「ひーふーみーの……にじゅうはちにじゅうくさんじゅう」
どっかの聖女様が縄で縛られてつるされていた。
「おにわーそと、ふくわーうち」
リルリィーアは容赦なく豆を投げた。
「えーん。ごめんなさいなんだよ」
ティナがじたじた暴れると、それにあわせてティナの身体がゆらゆら振り子のように揺れた。
「そんな人の苦しみがわからないような娘に育てた覚えはありませんよ。ぺちぺち」
リルリィーアは豆を投げた。