飼い犬の口の中に手を突っ込むようなまねをしてはいけません


 リルリィーアはサイン済みの書類をとんとんと揃えた。
「ふぃー。疲れた」
 先代の支部長が買ったふかふかした高い椅子に背中を預ける。
 机の上には未処理の書類が山のようにつまれているがとりあえずいつものことなので着にしないことにする。
 仕事も一段落したし。そろそろ昼飯でもつくりに神殿に一度帰るか。とリルリィーアが支部長室で考えていると一人の女の子が飛び込んできた。
 ダブルポニーテイルのミニスカートをはいている。確かティナの同級生。
「リルリィーアさん、た、大変なの」
「どうした騒々しい。もうちょっとおきつきなさいな」
「ティナちゃんがゆーゆー誘拐されたの」
「は?」
 一瞬何のことかわからずへんな声を上げた。
 ゆーかい。
 ティナが?
「な、なんですとー」

 ティナの場違いに軽快な声が狭い室内に響いた。
「うにー。おなかすいたんだよ」
 ティナはエプロンドレスの上からロープでくるくるまきにされて木の床の上に転がされていた。
 ご丁寧に足まで縛ってある。
 縛られるときにじたじた暴れたのでスカートがめくれてガーターベルトの止め紐が一部見えている。
「うるせぇだまれ」
 男が叫んだ。


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