天気のいい日は屋根の上で鳥を釣ろう


 雲一つない青空を見上げながら、リルリィーアははしごを掛けた。
 神殿の屋根まで届く一番長い奴だ。
「よっせ」
 釣り竿を肩にひっかけて、するするとはしごを登る。
 風で青いロングスカートが揺れた。
 屋根まで上がると、リルリィーアは胸元から一枚のたい焼きを取り出した。
 それを釣り針の先に付ける。
 時計塔の向こうに、緑に茂る学院の森が見えた。
「せっのっ」
 かけ声とともに釣り竿を振った。
 ぴよーんとたい焼きが弧を描いて飛んでいった。
 風を赤い前髪に受け、揺れている。目元まで隠れて表情がさっぱり見えない。
 釣り竿がくいっと曲がった。
「来たっ」
 引っ張り上げる。
 腕に力を込めて、あごをがっちりかみ合わせながら一気に釣り上げた。
 光の羽が舞う。
 釣り上がったのは一人の女の子だった。
 喉をぐいっとそらして、ティナが恨みがましい視線をリルリィーアに向けていた。でも口は離さない。
「大物ね」
 ティナは眉をひそめて口をもごもごさせていた。

「……という夢を見たのよ」
「うー。ひどいよお姉ちゃん」


お題もの書き:釣る参加作品

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