雨の夜のある宿での会話 ====================== 蒼空かける  空を覆い星と月を隠していた雲から雨が降り出してきた。 「降ってきたねぇ」  シェイス・ルーブは金髪の三つ編みを解きながらいった。上着をぬいだラフな格好で二 つあるベッドのうちの一つに腰掛ける。 「宿が見つかったあとでよかったね」  みたところ10歳ぐらいの男の子が、同じくベッドに腰掛けて答える。 「そうねぇフェル。まぁ、これもわたしの日頃の行いがよかったからだわ」  フェルは肩をすくめて、 「財布落としたのはどこのだれだっけ?」 「まぁ平均すればそういうこともあるんじゃないかなーってことで行ってみよう」  フェルはおどけたかんじで深くため息を吐いた。 「どこに行くの?」 「とりあえず捜査局あたりに落とし物で届いているかもしれない」 「ない」  断言されてシェイスは一言漏らした。 「ぐぅ。まぁいいや」  なんかいいたそうにしているフェルを無視して、 「とりあえずごはん、ごはん」  上着をひっつかんで羽織ってボタンを留めてドアから出ていった。  フェルは頭を掻きながら扉をあきれたように見ていた。  しばらくして再び扉が開いた。覗き込んでシェイスは言った。 「お金がないと食べられない」 「食い逃げになるまえでよかったね」 「うっ、ぐぅ」