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スーパーロボット大戦08X外伝
破壊天使の翼〜サイコドライバー・ユウジ〜
『第一章:SRXチーム(前編)』
「G、リヴォルバー!」
目の前すれすれを、実体弾が通り過ぎる。
すぐさま機体を立てなおし、牽制のための弾幕をばらまく。
「ふん……これでも浴びてろ、スプリッドミサイル!」
ずがががががががががががががががっ!
すぐさま煙で見えなくなった敵機。
レーダーすら利用できないこの状況下で、おちついて相手の「気配」を探る。
いた。
「Tリンクぅ……」
煙の中で、相手の拳が淡く輝く光景が「見える」。
「Tリンク……」
フン、と不敵に笑いながら、彼は自分の必殺武器に手をかけた。
「ナッコォッ!」
「ブーメランっ!」
暗転。
「くっそーっ! また引き訳かよ!」
「そりゃこっちの台詞だ! なんだよリュウセイ、あれは! 普通あの時点で墜ちてるだろーが!」
シュミレーション装置から出た途端、2人の士官は早速言い争っていた。
対決の結果は……
『Tリンクブーメランの直撃を受け大破したR−1が、そのまま慣性でゲシュペンストTの胴体を拳でぶちぬいて引き分け』
というものだった。
そう……ここは、連邦軍特別実験部隊『SRXチーム』の本拠地である。
ゲシュペンストTに乗っていた士官は、士官リュウセイ=ダテ少尉を揉むつもりだったが、逆に揉まれてギャーギャー喧嘩していた。
これも日常茶飯事であるが。
「何をやっているリュウセイ、ユウジ……」
そこに通りかかった金髪の美形野郎……R−2のパイロット、ライディースが、2人の喧嘩に茶々を入れる。
2人はここぞとばかりに食ってかかった。
「ライ! こいつがまた勝負に言いがかりをつけてきたんだぜ!」
「こいつだぁ!? 上官にまぁよく言うよなお前は、そもそも、あそこで勝負はついてる筈だろうがよ!」
「動いたんだから問題ないだろ!」
「うー、問題あるから文句でるんじゃー!」
途中からまた口喧嘩モードに入り、ガルルルルと威嚇しあう二人の少年。
リュウセイもまだ若いが、それと争ってる少年は、それにも輪をかけて幼かった。
「リュウセイ少尉、ユウジ中尉……イングラム教官が呼んでいるぞ」
ライディースは溜め息ひとつ吐くと、用件をとっとと述べて、この2人にかかわらなにい事にした。
コンコン
「入れ」
書類から顔をあげずに、ウェーブのかかった長髪の蒼髪の男……イングラム=プリスケンがその渋い声をだす。
がちゃり。
「失礼します、リュウセイ=ダテ少尉まいりました!」
「おーっす、イングラムの旦那ー!」
リュウセイはやや緊張して……そして、ユウジはお気楽に挨拶して、部屋に入る。
「リュウセイ=ダテ少尉、ユウジ=イクス中尉、シュミレーションの結果は見た……ふ、完敗だな、ユウジ」
「がちょーん!?」
イングラムの台詞に、哀しそうな感じに驚くユウジ。
そのまま、床に「の」の字をかきだす。
「いつまで、そうやってるつもりだ、ユウジ……」
「はっ! そ、それで用件はなんっすか、旦那?」
我にかえって、ぴしっと敬礼するユウジ君。
「……出撃だ」
答えたイングラムの瞳が……きらり、と輝いた気がした。
ユウジに過去の記憶はない。
ただ、気がついた時には、イングラム=プリスケンという男に育てられ、様々な知識と技術を叩きこまれていた。
そんな自分自身に強い疑問を抱かなかった訳ではなかったが……
「まあ、忘れたもんはしょうがあるめぇ」と、今の自分がやるべきことを果たそうと生きてきた。
自分がやるべきこと……自分にしかできない「らしい」こと。
それは……Tリンクシステムという装備を積んだ、パーソナルトルーパーのパイロットである。
本来ならば中学校にでも通っているのが相応な年頃の彼は、イングラムの下で大学レベルまでの知識をとっとと叩き込まれると、その直後軍の特別部隊SRXチームに入隊した。
親がわりのイングラムが「入れ」と言うので入った訳だが、スーパーロボットのパイロットという響きに憧れてなかった訳ではない。
かくして、彼は今日も若いみそらで命をかけつつ、毎日を戦いで過ごしている訳なのだ。
「というわけで、俺とリュウセイは今先行して敵部隊と交戦中って訳だ」
「誰と話してるんだユウジ?」
「いや、気にするな。来るぞ!」
ジト目でツッコミを入れる、リュウセイに真顔で返すと。
彼は、乗機のゲシュペンストTを加速させた。
ちゅどごーん!
その脇を、ビームが通り過ぎる。
「甘い甘ぁーいっ! くらいな、ニュートロンビィーム!」
即座に放った反撃のライフルが、敵機を撃ち抜く。
それは、モビルスーツでも地下勢力の戦闘機械でもなく……
「へっ、どうだよエアロゲイダー! 俺達も対宇宙人用の部隊たぁいえ、随分とモテるようになったじゃねーの!」
エアロゲイダー。
最近地球圏に飛来し侵略行動を開始した宇宙人軍団の総称である。
「だああっ! ったく、囮とはいえ、二人じゃなかなかキツいもんがあるな、リュウセイさんよ?」
「ああ、もうホント嫌になるぜ、なぁユウジ中尉殿?」
軽口を叩きながらも、剣で斬り裂き、ライフルで応戦しつつ、背中をあわせて敵部隊を引きつけるR−1とゲシュペンストT。
喧嘩ばかりしているが、この二人、結構いいコンビなのである。
「ん……?」
「どうした、ユウジ?」
なんとなく、不穏なこえをあげたユウジに、リュウセイは眉をひそめる。
「あーいや、なんか……いやーな予感がし……ってぇ、よけろリュウセイーっ!」
がすっ!
ゲシュペンストが、究極のキック(爆)を、R−1にかまし……
ぎゅおおおおおおおーんっ!
反動で離れる二機の間を、強力なビームが通り過ぎていった。
「な……い、今の物凄いはなんなんだよおいっ!」
リュウセイが呆気にとられながらも、体勢をたてなおす。
「あ……あ……」
それを背後に感じながら、ユウジは……ぷるぷると、怒りに震えていた。
「な、なんでだ……俺達は囮だろ、それなのに……」
びしっ、と機体が目の前に現れた新手を指差す。
「なんで、こんなトコに指揮官機が出てくるんだぁーっ!?」
……その指先には……
凶悪なイメージを持つ外見の白亜の巨人。
エアロゲイダー指揮官専用機『アンティノラ』が佇んでいた。
とぅー・びー・こんてにゅーど
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